名古屋うどんは味噌煮込みだけじゃない!名古屋「鯱乃家」のカレーうどんってどんな味?

2015.10.09 更新

今や世界中で愛されるカレー。しかし、一言でカレーといっても日本人に馴染み深い欧風カレーに始まり、スープカレーやキーマカレー、さらには独自の進化を遂げた個性派まで、カレーの世界というのは本当に奥深いもの。

この企画では、これまで7,000店舗以上のカレー店を制覇したカレーの第一人者・井上岳久先生(株式会社カレー総合研究所代表取締役)と、私、カレー初心者ライター・井上こんの“ダブル井上”で全国の名店カレーを食べ歩き、先生の解説とともに地域性や歴史背景も交えてさまざまなカレーを紹介していきます!前回は食肉流通の老舗「スギモト」の1日10食限定幻の「お肉屋さんのビーフカレー」をご紹介しました。さて、今回はどんなカレーが登場するのでしょうか?

【Contents】

1.名古屋カレーうどん界の大御所的存在の店
2.名古屋独自のカレーうどんってどんな味?
3.アレを入れて2度うまい!
控えおろう~控えおろう~!
こんにちは。名古屋城の威厳を借りて迫力ある一枚を撮ろうと思ったら、名古屋旅行に来た夫婦の記念写真みたいになってしまいました。というかこの画像、妙に加工感が漂うんですけど、本当に名古屋にいましたからね?

1.名古屋カレーうどん界の大御所的存在の店

井上「こんさん、(名古屋城を指しながら)今日のヒントはアレです!」
こん「“アレ”?」
ドン!
ドドンッ!
こん「……あ!もしかしてシャケホコ!今日は鮭カレーですね!」
井上「こんさんワザとでしょう……あれはシャチホコ!今日は“シャチ”に関係したカレーうどんです!」
こん「“名古屋×うどん”というと、正直なところ味噌煮込みうどんをイメージしてしまうのですが」
井上「いえいえ、名古屋はカレーうどんの発祥の地でこそないですが、ほかの土地とは違う独自のカレーうどん文化があるんですよ。「極太麺」「スープが鶏ガラベース」「だし汁とカレールウが分離していない」「スパイス感が強調されている」といった特徴を持つ店が多く、今から行くのはその源流となったお店なんです」
こん「なるほど、名古屋カレーうどん界の大御所というわけですね!」
井上「あそこです」

静かな住宅街にポツンと佇む一軒のお店。ここが名古屋のカレーうどん文化を作り上げた、創業40余年の「本店 鯱乃家(しゃちのや)」さんです。なるほど、ヒントの“シャチ”はお店の名前だったんですね。う~ん、中からカレーの香りが漂ってきてます。
▲この昭和感がいいんだなぁ
店内の壁にはずらりとメニュー札。20種類以上はあるでしょうか。そのラインナップは、本日のお目当て「カレーうどん」(税込700円)にはじまり、「肉うどん」「わかめうどん」「五目うどん」、さらには「うどんさし」といった関東人には聞き慣れないメニューも。(刺し身のようにうどんを食し、本来の味を味わうものだそう)
▲チルド商品も販売されており、人気っぷりがうかがえます
▲店長にお話しをうかがいました
種田(おいだ)店長「やはり1年を通してカレーうどんが一番人気ですね。8割から9割のお客さまが注文され、多いと1日100食を超えますね」
注文を受けてから麺を茹で……
熱々のカレールーを……
かける!
じゃん! これが「本店 鯱乃家」の看板メニュー「カレーうどん」。

2.名古屋独自のカレーうどんってどんな味?

「それでは……いただきま~す!」
井上先生はカツをトッピング、私はノーマルなカレーうどんを頂きます。
まずはお出汁をチェック。(ズズッ……)
(ズズッ……)
井上「うん、これこれ! カレーと出汁の一体感が絶妙ですね」

こん「じわ~っと味わいが広がる!たしかに、コクというかとろみというかソリッド感がすごいですね」
こん「一般的なカレーうどんと鯱乃家さんのカレーうどんはどういう違いがあるんでしょうね。たとえば横須賀の海軍カレーのように『これとこれが入っていないとだめ』といった定義があったり……?」

井上「大きな特徴としてはオーソドックスなカレーうどんはカツオなどの魚介出汁のみ使用するのに対し、こちらでは鶏ガラ出汁を使っていますよね」

種田店長「はい、うちでは創業当時から魚介系の出汁と動物系の出汁の割合を半分ずつと決めていて、動物系の出汁には鶏ガラのほか野菜と白醤油も使っています」

こん「なるほど、ダブルスープってことですね!」
次に麺。ごらんください、この麺の存在感!1本が太く、見るからに食べ応えがありそうです。
(ズズズッ……)
こん「モッチモチだ~!」

てっきり味噌煮込みうどんに使われるような固い麺を想像していたものだから、ひと口噛んでびっくり! ガテン系の見た目に反し、1本1本噛むごとにムチッと歯に逆らうような優しい弾力があります。伊勢うどんのように柔らかいわけではなく、讃岐うどんのようにプリプリ優先でもなく……人間でいえば寡黙な昭和男といった印象。

ちなみに、その太さゆえ茹で時間は本来20分以上かかるとか。そのため普段は茹で置きしているとのことですが、その手のお店にありがちながっかり感は皆無。主役級の食感です。
具は豚肉と……
かまぼことハスネギ、とシンプルなメンツ。主役は極太麺なので、このくらいがちょうどいいのかも。
井上先生のカレーうどんに乗ったカツも、十分すぎるほどルーを吸収していて魅力的です。

3.アレを入れて2度うまい!

うどんを食べ終わっても「大将ごちそうさま!」はまだ早い。
お腹に余裕があってもなくても、とにかくライス(税込150円)を注文しましょう!ライスをカレーに投入してよ~くかき混ぜれば……
あら不思議、即席カレーリゾットのできあがり~!
こん「出汁が効いてるからお茶漬け感覚でスルスル食べ進められますね~。カレーうどんの締めは即席カレーリゾットで決まり!」

うどん&ライスと2度楽しんだところで……カレー格言のお時間です!
じゃん!

井上「地域にカレーうどん文化あり。カレー×出汁を楽しむべし」

こん「出汁がどどん!ライスをINして2度うみゃー!」

モチモチ食感が特徴的なガテン系極太うどん、それによく絡むダブルスープの深い味わい……。名古屋独自のカレーうどんを味わうなら、ぜひその源流となった「本店 鯱乃家」でご堪能あれ!
それでは、最後は名古屋への愛を込めてシャチのポーズで(気持ちだけ)。「本店 鯱乃家」さん、ありがとうございました!

井上岳久(カレー大學学長/株式会社カレー総合研究所代表)

カレー業界を牽引する、業界の第一人者。横濱カレーミュージアム責任者を経て現職に至る。カレーの文化や歴史、栄養学、地域的特色、レトルトカレーなど、カレー全般に精通。レトルトカレーは全国から2,000種類を収集し試食している。著書に『一億人の大好物 カレーの作り方』『国民食カレーに学ぶもっともわかりやすいマーケティング入門』など多数。

井上こん

井上こん

1986年生まれのフリーライター。「Yahoo!スポーツナビDo」「SPA!」「nomooo」「ウートピ」などのWEBメディアや雑誌「散歩の達人」などで執筆。

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