青森の秘境、世界自然遺産・白神山地の「青池」

2015.10.06 更新

イタリアのカプリ島「青の洞窟」やモロッコの青い街「シャウエン」など。世界には美しい“青”で人々を魅了する景色が数々ありますが、世界自然遺産・青森県の「白神山地」にもそんな“青い”秘境があります。

「白神山地」は青森県南西部から秋田県北西部にかけて広がる山岳地帯の総称。そこには、世界で最大規模といわれるブナの原生林が広がっています。原生林の全体面積は13万ヘクタール。そのうち1万7千ヘクタールが、1993年に世界自然遺産に登録されました。東京を走る山の手線内側の約3個分の広さです。
▲秋田県と青森県にまたがる「白神山地」(写真提供:深浦町)
白神山地は広大なエリアに複数の入口とさまざまな観光ルートがあり、滝や森といった見どころがたくさんあります。今回は、なかでも神秘的な雰囲気で人気の高い青森県の日本海側、深浦町に位置する「青池」を目指します。
「青池」観光の起点となるリゾート施設「アオーネ白神十二湖」までは、青森市から車で約3時間。海沿いの道をひたすら南西に進みます。道中にはコンビニがなければ信号機もほとんどありません。青森県内でもへき地にあると言えます。
▲青池まで続く海沿いの道
「アオーネ白神十二湖」に到着したら、「青池」までもう少し。さらに車で約10分かけて白神山地の奥地へ。特産品販売や軽食が食べられる休憩所を備えた「森の物産館 キョロロ」に向かいます。
▲「森の物産館 キョロロ」

「青池」の青さをこの目で見る

ここから「青池」観光が始まります。周辺には大小33個の湖があり、「青池」はその中の1つ。33個の湖があるにも関わらず、この一帯が十二湖と呼ばれているのは、北西に位置する崩山(くずれやま)から見えた湖の数が12個だったから。

33個の湖を回るにはさまざまなトレッキングコースがありますが、今回は約1時間かけて「青池」周辺を散策します。
▲歩きやすいように舗装されている散策コース
「キョロロ」を出発して、10分ほど歩くと「青池」が見えてきました!

「青い!」
初めて見た人は、きっと誰もが口にしてしまいます。想像以上に青いんです。湖の縁はブナの葉の緑が反射してエメラルドグリーンのように見えます。
▲「青池」の看板
▲湧水がたまってできているという「青池」
神秘的、まさにそんな言葉がぴったりな空間。季節によって見え方が変わるそうで、太陽の日照角度が高い4~8月が見頃。一番綺麗に見えるのは6月頃だとか。ただ、「青池」がなぜ青く見えるのかは科学的にも証明されていないようです。
▲水深は9メートルもあるのに底まで見えます

ブナの自然林、湧き水で淹れた抹茶

「青池」のさらに奥には、ブナの自然林が広がっています。木々の幹の太さが違うのが自然の証だとのこと。人の手が加わっていない貴重な自然を体感することができます。
▲ブナの森を歩く散策道
自然林を抜け、「青池」の次に青いと言われる「沸壺(わきつぼ)の池」を越えて、戻るように向かった先には休憩スペース「十二湖庵」があります。ここはトレッキングのひと休みに最適。「沸壺の池」の湧き水を使って無料の抹茶を淹れてくれます。
▲のどに引っかかることなく、すうっと飲めてしまう湧水
▲苦味は少なく、子どもでも飲みやすいのでは
ひと休みの後、「キョロロ」に戻ると予定通り約1時間。今回、案内をしてくださったアオーネ白神十二湖・営業課長の斎藤智晴さんは仕事柄、日本各地の自然に触れてきたと言います。その中でも、手つかずの自然がしっかりと残っているのは白神山地くらいだとのこと。
▲アオーネ白神十二湖・営業課長の斎藤さん

岩肌むき出しの景色に、青池スイーツ!?

「青池」観光の帰りに立ち寄ってほしいおすすめの場所が2つあります。1つ目はグランドキャニオンならぬ「日本キャニオン」。
▲崖下から見上げた「日本キャニオン」
緑の山肌の間から白い岸壁が見えます。まるで映画のワンシーンに使われてもおかしくないような景色です。日本キャニオンは遠くから眺めるだけでなく、近づいてそのファンタジー世界のような空間を味わうこともできますが、その道のりはまだ整備中。詳細は地元のガイドさんに聞いてみてください。

さらに、もう一つ立ち寄ってほしいのがJR五能線の「十二湖駅」です。ここでは、薄っすらと青く色付いた「青池ソフト」なるソフトクリームを食べることができます。ヨーグルト味でほんのりブルーハワイシロップのような香りが口の中に広がります。
▲青色が綺麗な「青池ソフト」
目で「青池」の青を楽しみ、全身でブナ林の自然を感じる。季節によっても楽しみ方がさまざまな白神山地。青森県内でも遠い秘境ではありますが、ぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。
▲紅葉シーズンの「白神山地」(写真提供:深浦町)
くどうたける

くどうたける

東京でウェブライターを経験し、2012年に青森へ移住。地域新聞や地域の情報を発信するお仕事をいただきながら、田舎でせっせと暮らしてます。(編集/株式会社くらしさ)

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