はじめての函館観光で絶対行くべき!元町散策モデルコース決定版

2019.06.13 更新

函館観光といえば元町散策は外せません!「八幡坂(はちまんざか)」から見下ろす港の風景をはじめ、「函館市旧イギリス領事館」など歴史的建造物や教会が並ぶ異国情緒あふれる街並はどこも写真映えする場所ばかり。函館には函館山からの夜景や五稜郭など見どころが数多くありますが、今回は歩いて1、2時間ほどで散策できる函館の王道観光スポット、元町エリアのおすすめコースを紹介します。

▲函館観光の定番撮影スポット、八幡坂

北海道南部にある函館は、津軽海峡に面した港町。1859(安政6)年に横浜、長崎とともに国内初の貿易港として開港しました。早くから外国文化が数多く流入したため、街中には和洋折衷の建物や洋風の建物が数多く造られました。

それらの多くは港に近い西部地区、なかでも元町周辺に集中。重要文化財の「旧函館区公会堂」や「函館ハリストス正教会」などの周辺地域は文化財保護法に基づく「伝統的建造物群保存地区」に指定されています。観光客や写真家がこぞって訪れる美しい街並のゆえんです。
▲石畳の道と教会が見えるこの界隈は、異国情緒たっぷり

元町とその周辺だけでも名所は数多くあるのですが、ここでは初の函館観光という方に向けてスポットを厳選。土地勘のない人でも迷いにくく、移動効率のよいルートを紹介します。

函館観光は市電が便利!

函館の街中で観光を楽しむには、市電(路面電車)を利用するのがベスト。
▲日中は6~12分ごとに走っているので便利です

元町散策出発地の最寄りとなる電停(停留所)は「末広町」。JR函館駅前にある電停「函館駅前」から「函館どつく前」行に乗って約7分です。
▲乗車料金は後払い。Suicaなどの交通系ICカードも使えます

石畳の「基坂」を進み、港町函館を実感

末広町で下車したら、乗ってきた市電と同じ方向へ進み、1つ目の信号で左折。「基坂(もといざか)」を上ります。基坂とは、明治時代に里数を測る基点となる里程元標(りていげんぴょう)が立っていたため、名付けられたそうです。
▲基坂で振り返ると港が見えて雰囲気よし!

まずは坂の途中右手、公園の一角にある「ペリー提督来航記念碑」へ行ってみましょう。末広町電停から歩いて約5分で行けます。
▲函館夜景の観賞スポット、函館山を背に函館港を眺めるように立つペリー提督の銅像

この記念碑は、1854(安政元)年に5隻の艦船を率いて来航した米国海軍ペリー提督の銅像。黒船来航150周年となる2004年を見据えて2002年に建てられました。港町函館の原点に触れられるスポットです。

「旧イギリス領事館」で舶来文化とアフタヌーンティーを満喫

記念碑を見学したあとは、基坂を挟んで向かい側にある「函館市旧イギリス領事館」へ行ってみましょう。ここはしっかり時間をとって過ごしたい施設。歴史と趣を感じられる館内をじっくり見学できるうえ、本格的なアフタヌーンティーを楽しめます。
▲1913(大正2)年築。1934(昭和9)年までイギリス領事館として使用され、1992(平成4)年に改装のうえ開港記念館として一般開放されました
▲入館料は大人300円、学生・生徒・児童150円(ともに税込)

受付で入館料を支払ったら、指定された順路に従いまずは2階の展示室へ。
▲かつての西洋文化の趣を感じる階段や窓枠がとても素敵!いい雰囲気

展示室には、3代目領事リチャード・ユースデンが使用していた当時を再現した領事執務室や家族居室などがあります。見学できるだけではなく、一部の調度品に触れることができ、椅子に腰かけたりして領事気分を体感することもできます。
▲領事執務室。窓辺には港を眺めるリチャード・ユースデン像があり、テーブル前には記念撮影用の三脚が据えられています
▲三脚にカメラを取り付け、椅子に座ってパシャリ。顔をすませば領事に見える!?
▲家族居室。気品の高さと優雅さを感じます

展示室の次は、隣棟にある「開港ミュージアム」へ。開港前後の歴史や開港後に流入した西洋文化などについて紹介する施設です。展示室と開港ミュージアムは別棟とはいえ館内でつながっているので、雨に濡れることなく移動できます。
▲こちらにもペリー提督像。開港前後の歴史や文化をパネルなどで紹介しています
▲2階まで吹き抜けの空間には、開港当時の函館を中心とした巨大な世界地図(鳥瞰図)が描かれています

西洋人と西洋文化で賑わう函館の街中を紹介するコーナーもあります。
▲当時の西洋人のパネル
▲人物の顔に穴があいているところに自分の顔を入れ、近くにある小さな穴にカメラを入れると…!?
▲パネルの裏にも絵が描かれていて、正面の鏡を利用してこんな写真が撮れますよ♪

ひととおり見学したら、ちょっと休憩。館内にあるティールーム「ヴィクトリアンローズ」でイギリス伝統のアフタヌーンティーを味わいましょう!
▲イギリスのアンティークの調度品に囲まれて、優雅なひとときを過ごせます
▲アフタヌーンティーセット(1名分税込1,500円※写真は2名分)
▲ティールーム隣にあるショップでは、紅茶やティーセットのほかイギリスの伝統と文化が感じられる輸入雑貨などを販売しています

最後に、中庭にある「バラ園」を見学。例年6月下旬~8月上旬が見頃です。なお、中庭とショップは入館料なしで訪れることができます。
▲バラのトンネルを通って中庭へ
▲ガゼボの中のベンチなどに座って優雅な気分でバラ観賞を楽しめます
▲約60種類ものバラが咲き誇ります

舶来文化を体感するとともにアフタヌーンティーも味わい、すっかりイギリス文化にそまった気分。なかなか見応えがある施設。長めに時間をとって正解です。

「元町公園」で港を見下ろす爽快な眺めと歴史を楽しもう

次は、函館市旧イギリス領事館から歩いて約1分で行くことができる「元町公園」へ。
▲函館の港や街並を見下ろす高台にある眺めのよい公園
▲公園は高台の斜面にあるため、公園内の階段やスロープを上がるにつれ眺望がよくなります

この公園がある場所は、江戸時代には「箱館奉行所」が設置され、その後「北海道庁函館支庁」が置かれるなど、長らく函館の行政の中心だったところ。園内には函館の歴史にまつわるさまざまな史跡があり、眺望とともに歴史に触れられるスポットです。
元町公園内には歴史を感じる建物や碑などもあります。
▲現在は「元町観光案内所」として使用されている旧北海道庁函館支庁庁舎

北海道指定有形文化財の建物は細部まで凝った造りで、遠くからも近くからも写真を撮りたくなります。
▲観光案内所内。扉の形状などに趣を感じます
公園の奥、一番高い場所の隣には、国指定重要文化財「旧函館区公会堂」があります。1910(明治43)年に建てられた左右対称のコロニアルスタイルが特徴の建物です。2021(令和3)年春(予定)まで保存修理工事のため休館のうえ外壁が囲まれて見えませんが、公開時にはぜひ訪れたい施設です。
▲旧函館区公会堂は元町公園周辺のランドマーク的な施設(工事前の写真です)
▲館内には貴賓室や130坪の大広間などがあり、見ごたえあります(工事前の写真です)

絶好の記念撮影スポット、「八幡坂」へ

元町公園を後にし、函館観光定番の記念撮影スポット「八幡坂」へ向かいます。左右に並ぶ土産物店や坂の風景などを眺めつつ、寄り道をしなければ5分ほどの散策です。
▲石畳の散策路。時折車が通行するので歩く際はご注意を
▲基坂と八幡坂の間にある日和坂(ひよりざか)
▲日和坂の山側は北海道最古の神社「船魂(ふなたま)神社」があります。西洋文化とともに日本文化がすぐ近くにあるのがこのエリアの特徴

日和坂を過ぎ石畳の道をさらに進むと、左を向いてカメラをかまえている人たちがたくさん集まっている様子が見えてきます。ここが八幡坂。左を向いてカメラを構えるとこのとおり!
▲函館港に係留・展示されている青函連絡船記念館「摩周丸」が正面に見えます

海に向かってまっすぐのびる道が印象的な八幡坂。かつて坂の上に「函館八幡宮」があったことが名前の由来といわれています。函館の代表的なビュースポットで、各種観光案内書やテレビCMなどで数多くこの坂から見た風景が使用されています。

坂を下って、違った角度からも坂を眺めてみます。
▲歩道は坂道とともに緩やかな階段もあります
▲坂の下のほうまで来ると、坂の上では坂の傾斜で隠れて見えにくかった市電が横切る様子も見え、これも絵になります
▲坂の下から上を眺めると、正面に函館山がよく見えます

とても絵になる八幡坂。あまりの景色のよさに車道に出て写真を撮ったり車道を歩いてしまったりしがちですが、車の往来が頻繁にありますのでご注意を。

まるでヨーロッパを訪れたかのような教会が並ぶ風景

八幡坂の上まで戻り、再び石畳の道を進みます。
▲八幡坂を背にして進むと、正面左手に「カトリック元町教会」の大鐘楼が見えます

この先は左右に教会が立ち並ぶ、異国情緒たっぷりのエリア。右手に「函館ハリストス正教会」と「函館聖ヨハネ教会」、左手に「カトリック元町教会」があります。どの教会も拝観することが可能ですが、観光施設ではなく信者が通う現役の教会ですので、マナーを守り静かに訪れましょう。また、建物内など撮影不可の場所もあるのでご注意を。
▲教会が見えるこの一区画は5月1日~8月31日の10:00~16:00に歩行者専用道路となるため、車を気にせず散策や記念撮影を楽しめる絶好のポイントです

八幡坂から歩いて最初に到着するのは国指定重要文化財の「函館ハリストス正教会」。八幡坂から歩いて約2分です。
▲階段を上がって敷地の中へ入ってみましょう

日本初のロシア正教会聖堂で1860(安政7)年に創立。その後大火で建物を焼失しましたが、1916(大正5)年に現在のロシアビザンチン様式の聖堂が再建されました。
美しい音色の鐘が鳴ることでも知られていて、毎週土曜日の17:00と日曜日の午前中などに、1回あたり3~5分間にわたり、カーン、カーンと甲高い鐘の音色が鳴り響きます。
▲階段を上り、聖堂を反時計回りに90度回ったところが正面。絵になります!
▲聖堂外周をぐるりと一周できます

建物内は撮影禁止ですが、献金200円にて拝観できます。建物内へ入ると空気が一変。十字架や神具、宗教画などに囲まれた館内は、静寂で荘厳なオーラが漂います。まさに聖域、清らかな心になった気分です。
聖堂正面の反対側から敷地の外へ出ると、左側から右側へ向かって石畳の上り坂の「チャチャ登り」に出ます。この坂を少し上って振り返ってみましょう。
▲左右の教会を見下ろせ、遠くには津軽海峡もチラリと遠望できます

高台から教会などを見下ろす写真を撮ろうと思っても、この周辺は私有地にて立ち入ることができません。チャチャ登りは絶好の穴場撮影スポットなんです。

次は、右手に見える「函館聖ヨハネ教会」へ行ってみましょう。チャチャ登りを下り、途中右手から教会敷地内へ入ることができます。
▲茶色の十字形をした屋根と、十字架をあしらった白壁が印象的

1874(明治7)年に創立した英国聖公会の教会で、現在の建物は1979(昭和54)年に建てられました。毎年5月1日~11月3日まで、聖堂内の一部は拝観とともに許可を得て撮影も可能です。
▲お祈りをささげる場。祭壇の手前まで立ち入ることができます
▲白壁に刻まれた十字架は、聖堂内から見ると美しいステンドグラスになっています
▲聖堂内には教会の歴史や聖職者を紹介する写真や掲示物もあります

聖堂を出て、建物の裏手に回り階段を下りると敷地の外に出ます。
▲十字形が木に隠れてしまいますが、聖堂を見上げる構図も美しいです
教会を背に左へ進むと、すぐ十字路に出ます。左が「チャチャ登り」、正面が八幡坂方面から続く石畳の道。右は海に向かってまっすぐ下る「大三坂(だいさんざか)」です。この付近で記念撮影をしたら、右折して「大三坂」を下り「カトリック元町教会」へ。
▲大三坂を少し下ったT字路交差点の左手に「カトリック元町教会」の入口があります

「カトリック元町教会」は、1859(安政6)年にフランス人宣教師が近隣の称名寺(しょうみょうじ)内に住居を設け、外国人のためにミサを行ったのがはじまり。1867(慶応3)年に仮聖堂ができ、1877(明治10)年に聖堂が建立しましたが、その後大火で焼失。現在の聖堂は1923(大正12)年に再建されました。
▲正面に立つと建物の全景が見えます。荘厳なゴシック様式の建物の美しさに感嘆!

建物内は撮影禁止ですが、拝観は可能。ローマ法王ベネディクト15世から贈られたという聖堂内の祭壇などは必見です。

洋と和が溶け込む街

「カトリック元町教会」正面のT字路交差点で教会を背にしてまっすぐ進みます。左手には斜面の下に「真宗大谷派 函館別院(東本願寺函館別院)」の黒光りする大きな瓦屋根が見えます。教会から歩いて2分ほどで、左手へ下る大きな坂「二十間坂(にじゅっけんざか)」に出ます。ここからの眺めもよし!
▲道幅が二十間(約36m)ある二十間坂。かつて大火が多かった函館で防火帯として整備されました
▲今歩いてきた道を振り返ると、教会とお寺が一緒の構図に収まります。洋と和が入り混じる函館ならではの風景です

二十間坂を下り途中で左に曲がると「真宗大谷派 函館別院(東本願寺函館別院)」の入口があります。
▲国指定重要文化財の「真宗大谷派 函館別院」。「東本願寺函館別院」とも呼ばれる
1668(寛文8)年に函館の別の場所で創建し、大火での焼失を経て明治時代に現在地へ移転。再び大火で焼けたのち、1915(大正4)年に日本初の鉄筋コンクリート造りの寺として建立されました。
和洋さまざまな風景と教会やお寺などに触れたところで散策はここで一区切り。末広町電停からここまで約1.5km、かなり見応えがあり充実した散策ルートです。

元町エリアには異国情緒あふれる施設や風景が狭いエリアながら各所に点在しています。今回紹介したおすすめコースを参考に巡ってみてください。映画や絵葉書に出てきそうな美しい風景が360度広がりますよ。きっとカメラを手放せないこと間違いなし!これぞ函館観光の王道スポットです。

さらに「函館山」や「ベイエリア」へ足を延ばしてみても

この先さらに函館観光を楽しみたい方は、定番スポット「函館山」か「ベイエリア」へ行ってみては?
▲函館山の山頂からは函館市街地や津軽海峡を一望!山頂まではロープウェイや路線バス(春~秋運行)で行くことができます

夜景が有名な「函館山」へ行くならば、二十間坂を上ってさらに進み、函館山山頂へ向かう函館山ロープウェイの乗り場へ。「東本願寺函館別院」から歩いて3分ほどです。
▲ベイエリアの「金森倉庫」と「函館山」

海沿いに並ぶレンガ造りの建物「金森倉庫」などがある「ベイエリア」へは、二十間坂を下って市電が通る大きな通りを渡り、さらに直進すると左手が「ベイエリア」です。同じく歩いて約10分です。
JR函館駅へ向かうなら、市電の通りで右折して「十字街」電停へ。電停まで歩いて約7分、市電に乗って約6分でJR函館駅まで行けますよ。
函館観光を思う存分満喫してくださいね。
川島信広

川島信広

トラベルライター・温泉ソムリエ・イベントオーガナイザー/横浜市出身、札幌市在住。北海道内の全市町村を趣味で訪ね歩くうちに北海道の魔力に惹かれ、都内での雑誌の企画営業と執筆業務を経て北海道へ移住し独立。紙媒体やweb媒体などで主に観光や旅行、地域活性をテーマにした取材執筆と企画・編集を手がける。スイーツ好きの乗り鉄、日光湿疹と闘う露天風呂好き。

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