はじめての函館観光で絶対行くべき!元町散策モデルコース決定版
函館観光といえば元町散策は外せません!「八幡坂(はちまんざか)」から見下ろす港の風景をはじめ、「函館市旧イギリス領事館」など歴史的建造物や教会が並ぶ異国情緒あふれる街並はどこも写真映えする場所ばかり。函館には函館山からの夜景や五稜郭など見どころが数多くありますが、今回は歩いて1、2時間ほどで散策できる函館の王道観光スポット、元町エリアのおすすめコースを紹介します。

北海道南部にある函館は、津軽海峡に面した港町。1859(安政6)年に横浜、長崎とともに国内初の貿易港として開港しました。早くから外国文化が数多く流入したため、街中には和洋折衷の建物や洋風の建物が数多く造られました。
それらの多くは港に近い西部地区、なかでも元町周辺に集中。重要文化財の「旧函館区公会堂」や「函館ハリストス正教会」などの周辺地域は文化財保護法に基づく「伝統的建造物群保存地区」に指定されています。観光客や写真家がこぞって訪れる美しい街並のゆえんです。

元町とその周辺だけでも名所は数多くあるのですが、ここでは初の函館観光という方に向けてスポットを厳選。土地勘のない人でも迷いにくく、移動効率のよいルートを紹介します。
函館観光は市電が便利!

元町散策出発地の最寄りとなる電停(停留所)は「末広町」。JR函館駅前にある電停「函館駅前」から「函館どつく前」行に乗って約7分です。

石畳の「基坂」を進み、港町函館を実感


この記念碑は、1854(安政元)年に5隻の艦船を率いて来航した米国海軍ペリー提督の銅像。黒船来航150周年となる2004年を見据えて2002年に建てられました。港町函館の原点に触れられるスポットです。
「旧イギリス領事館」で舶来文化とアフタヌーンティーを満喫


受付で入館料を支払ったら、指定された順路に従いまずは2階の展示室へ。

展示室には、3代目領事リチャード・ユースデンが使用していた当時を再現した領事執務室や家族居室などがあります。見学できるだけではなく、一部の調度品に触れることができ、椅子に腰かけたりして領事気分を体感することもできます。



展示室の次は、隣棟にある「開港ミュージアム」へ。開港前後の歴史や開港後に流入した西洋文化などについて紹介する施設です。展示室と開港ミュージアムは別棟とはいえ館内でつながっているので、雨に濡れることなく移動できます。


西洋人と西洋文化で賑わう函館の街中を紹介するコーナーもあります。



ひととおり見学したら、ちょっと休憩。館内にあるティールーム「ヴィクトリアンローズ」でイギリス伝統のアフタヌーンティーを味わいましょう!


ヴィクトリアンローズ
北海道函館市元町33-14(函館市旧イギリス領事館内)
[営業時間] 4月1日~10月31日9:00~19:00、11月1日~3月31日9:00~17:00
[定休日]年末年始
0138-27-8159

最後に、中庭にある「バラ園」を見学。例年6月下旬~8月上旬が見頃です。なお、中庭とショップは入館料なしで訪れることができます。



舶来文化を体感するとともにアフタヌーンティーも味わい、すっかりイギリス文化にそまった気分。なかなか見応えがある施設。長めに時間をとって正解です。
函館市旧イギリス領事館
北海道函館市元町33-14
[開館時間] 4月1日~10月31日9:00~19:00、11月1日~3月31日9:00~17:00
[休館日]年末年始
0138-27-8159
「元町公園」で港を見下ろす爽快な眺めと歴史を楽しもう


この公園がある場所は、江戸時代には「箱館奉行所」が設置され、その後「北海道庁函館支庁」が置かれるなど、長らく函館の行政の中心だったところ。園内には函館の歴史にまつわるさまざまな史跡があり、眺望とともに歴史に触れられるスポットです。
元町公園
北海道函館市元町12-18
入園自由
0138-27-3333(元町観光案内所)

北海道指定有形文化財の建物は細部まで凝った造りで、遠くからも近くからも写真を撮りたくなります。



元町観光案内所
北海道函館市元町12-18
[営業時間] 7月1日~8月31日9:00~19:00、9月1日~6月30日9:00~17:00
[定休日]なし
0138-27-3333


絶好の記念撮影スポット、「八幡坂」へ



日和坂を過ぎ石畳の道をさらに進むと、左を向いてカメラをかまえている人たちがたくさん集まっている様子が見えてきます。ここが八幡坂。左を向いてカメラを構えるとこのとおり!

海に向かってまっすぐのびる道が印象的な八幡坂。かつて坂の上に「函館八幡宮」があったことが名前の由来といわれています。函館の代表的なビュースポットで、各種観光案内書やテレビCMなどで数多くこの坂から見た風景が使用されています。
坂を下って、違った角度からも坂を眺めてみます。



とても絵になる八幡坂。あまりの景色のよさに車道に出て写真を撮ったり車道を歩いてしまったりしがちですが、車の往来が頻繁にありますのでご注意を。
まるでヨーロッパを訪れたかのような教会が並ぶ風景

この先は左右に教会が立ち並ぶ、異国情緒たっぷりのエリア。右手に「函館ハリストス正教会」と「函館聖ヨハネ教会」、左手に「カトリック元町教会」があります。どの教会も拝観することが可能ですが、観光施設ではなく信者が通う現役の教会ですので、マナーを守り静かに訪れましょう。また、建物内など撮影不可の場所もあるのでご注意を。

八幡坂から歩いて最初に到着するのは国指定重要文化財の「函館ハリストス正教会」。八幡坂から歩いて約2分です。

日本初のロシア正教会聖堂で1860(安政7)年に創立。その後大火で建物を焼失しましたが、1916(大正5)年に現在のロシアビザンチン様式の聖堂が再建されました。
美しい音色の鐘が鳴ることでも知られていて、毎週土曜日の17:00と日曜日の午前中などに、1回あたり3~5分間にわたり、カーン、カーンと甲高い鐘の音色が鳴り響きます。


建物内は撮影禁止ですが、献金200円にて拝観できます。建物内へ入ると空気が一変。十字架や神具、宗教画などに囲まれた館内は、静寂で荘厳なオーラが漂います。まさに聖域、清らかな心になった気分です。
函館ハリストス正教会
北海道函館市元町3-13
[拝観時間] 月~金曜10:00~17:00、土曜10:00~16:00、日曜13:00~16:00※礼拝や教会行事のため拝観不可の場合あり、12月26日~翌年3月中旬までは不定休
0138-23-7387

高台から教会などを見下ろす写真を撮ろうと思っても、この周辺は私有地にて立ち入ることができません。チャチャ登りは絶好の穴場撮影スポットなんです。
次は、右手に見える「函館聖ヨハネ教会」へ行ってみましょう。チャチャ登りを下り、途中右手から教会敷地内へ入ることができます。

1874(明治7)年に創立した英国聖公会の教会で、現在の建物は1979(昭和54)年に建てられました。毎年5月1日~11月3日まで、聖堂内の一部は拝観とともに許可を得て撮影も可能です。



聖堂を出て、建物の裏手に回り階段を下りると敷地の外に出ます。

函館聖ヨハネ教会
北海道函館市元町3-23
[拝観日時] 5月1日~11月3日9:00~17:00※礼拝や教会行事のため拝観不可の場合あり
0138-23-5584

「カトリック元町教会」は、1859(安政6)年にフランス人宣教師が近隣の称名寺(しょうみょうじ)内に住居を設け、外国人のためにミサを行ったのがはじまり。1867(慶応3)年に仮聖堂ができ、1877(明治10)年に聖堂が建立しましたが、その後大火で焼失。現在の聖堂は1923(大正12)年に再建されました。

建物内は撮影禁止ですが、拝観は可能。ローマ法王ベネディクト15世から贈られたという聖堂内の祭壇などは必見です。
カトリック元町教会
北海道函館市元町15-30
[拝観時間]月~土曜10:00~16:00、日曜12:00~16:00 ※礼拝や冠婚葬祭、教会行事のため拝観不可の場合あり
[休館日]年末年始
0138-22-6877
洋と和が溶け込む街


二十間坂を下り途中で左に曲がると「真宗大谷派 函館別院(東本願寺函館別院)」の入口があります。


真宗大谷派 函館別院(東本願寺函館別院)
北海道函館市元町16-15
[拝観時間] 7:00~17:00※仏事や各種行事のため拝観不可の場合あり
0138-22-0134
元町エリアには異国情緒あふれる施設や風景が狭いエリアながら各所に点在しています。今回紹介したおすすめコースを参考に巡ってみてください。映画や絵葉書に出てきそうな美しい風景が360度広がりますよ。きっとカメラを手放せないこと間違いなし!これぞ函館観光の王道スポットです。
さらに「函館山」や「ベイエリア」へ足を延ばしてみても

夜景が有名な「函館山」へ行くならば、二十間坂を上ってさらに進み、函館山山頂へ向かう函館山ロープウェイの乗り場へ。「東本願寺函館別院」から歩いて3分ほどです。

海沿いに並ぶレンガ造りの建物「金森倉庫」などがある「ベイエリア」へは、二十間坂を下って市電が通る大きな通りを渡り、さらに直進すると左手が「ベイエリア」です。同じく歩いて約10分です。
JR函館駅へ向かうなら、市電の通りで右折して「十字街」電停へ。電停まで歩いて約7分、市電に乗って約6分でJR函館駅まで行けますよ。
函館観光を思う存分満喫してくださいね。

川島信広
トラベルライター・温泉ソムリエ・イベントオーガナイザー/横浜市出身、札幌市在住。北海道内の全市町村を趣味で訪ね歩くうちに北海道の魔力に惹かれ、都内での雑誌の企画営業と執筆業務を経て北海道へ移住し独立。紙媒体やweb媒体などで主に観光や旅行、地域活性をテーマにした取材執筆と企画・編集を手がける。スイーツ好きの乗り鉄、日光湿疹と闘う露天風呂好き。
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