地球岬や室蘭夜景など絶景揃い!「室蘭八景」をめぐるドライブコース決定版
北海道室蘭(むろらん)市は製鉄業で栄えた工業都市。工場夜景が楽しめる室蘭港の夜景が有名ですが、「地球岬」や「トッカリショ」などの大自然が広がる景勝地や絶景スポットもたくさんあります。そんな数ある名所の中から一般市民の投票などで選んだベスト8が「室蘭八景」。登別温泉や洞爺湖に比較的近いながら意外と知られていなかった室蘭八景が観光名所として近年注目され、写真愛好家が数多く集っています。今回は絶景8スポットを効率よく巡るドライブコースを紹介します。

室蘭市は北海道南西部にあり、新千歳空港やカーフェリーが発着する苫小牧西港からは、ともに車で1時間15分前後で行くことができます。

太平洋に突き出したかぎ型をした陸地、「絵鞆(えとも)半島」の内海側の港湾部と半島付け根周辺に市街地があり、半島の外海側は断崖絶壁の海岸が続く大自然の風景が広がります。

「室蘭八景」は、半島中央にある「測量山(そくりょうざん)」からの街と港の眺めや、断崖絶壁の海岸にある地球岬の眺望など、以下の8つのスポットやテーマからなります。
1.トッカリショの奇勝(きしょう)
2.金屏風・銀屏風の断崖絶壁
3.地球岬の絶景
4.測量山の展望
5.マスイチ浜の外海展望
6.黒百合咲く大黒島(だいこくじま)
7.絵鞆岬の景観
8.室蘭港の夜景
各スポット間はそれほど距離が遠いわけではありませんが、1つのテーマで複数スポットあるものがあるうえ、各場所を把握して計画的に回らないと行ったり来たりすることになり大変。そこで、それぞれの眺望や見るべきポイントとともに、アクセスしやすい筆者おすすめの巡り方を紹介します。
1.スタート地点は「トッカリショの奇勝」

車ならJR室蘭駅から約12分、JR東室蘭駅から約15分で行くことができます。絵鞆半島各所に点在する室蘭八景の中で半島の付け根側に一番近いスポットなので、ここを起点にすると回りやすいですよ。
トッカリショ
北海道室蘭市母恋南町3丁目
散策自由
0143-23-0102(室蘭観光協会)
2.「金屏風・銀屏風の断崖絶壁」は2カ所の総称
「金屏風」と「銀屏風」は実は別々の場所。金屏風は海辺の崖が黄金色に輝き、銀屏風は海辺の崖が白銀に輝くことから、室蘭八景では双方を合わせて1つとしています。銀屏風は後ほど紹介しますね。

金屏風の見学スポットは道路上で、駐車場がありません。案内板を頼りに場所を見つけたら、道路が広くなっている部分に車を停めて見学します。


金屏風
北海道室蘭市母恋南町4丁目
見学自由
0143-23-0102(室蘭観光協会)
3.室蘭観光の代表格「地球岬の絶景」



海抜約130mの断崖上にある灯台を見下ろす高所にある展望台。天気がよく空気が澄んだ日には、津軽海峡越しに青森県の下北半島まで見えることもあるそうです。



地球岬の名前の由来は、アイヌ語で「断崖」を意味する「チケプ」。チケプからチキウに転じ、地球岬というようになりました。市街地が至近にあるにもかかわらず雄大な自然の風景を眺められるスポットとして有名で、観光バスのツアー客も多数訪れる観光名所です。また、初日の出の観賞スポットとしても有名で、元旦はかなり賑わいます。
地球岬
北海道室蘭市母恋南町4-77
散策自由
0143-23-0102(室蘭観光協会)

1箱に6個入ったまんじゅうのうち、1個が唐辛子入りの激辛まんじゅうなのです。これぞロシアンルーレット!誰が“当たり”を引くか、みなさんでお試しを。

素朴な味わいで美味しいまんじゅう。でも1個だけは……。食べたことを激しく後悔するその辛さ、言葉で言い表せません。あなたもぜひ、大当たりを引いてみてください!
地球岬売店シナダ
北海道室蘭市母恋南町4-76
[営業時間] 9:00~17:00
[定休日] 11月下旬~3月下旬、不定休
0143-24-0267
4.眺め爽快!「測量山の展望」

地球岬から測量山の駐車場までの移動時間は車で約15分。山道を進んだのち一度市街地へ出て、再び山道に入ります。駐車場はそれほど広くないため、大型のキャンピングカーなどで訪れるのは困難かもしれません。

測量山という名前の由来は、ズバリ測量をした山だから。1872(明治5)年に測量のためこの山へ登って道路計画の見当をつけたことから「見当山」と呼ばれるようになり、その後「測量山」に改められたそうです。

展望台へ行って眺望を楽しみましょう!



室蘭市のシンボル的な山で、電波発信の基地であり、自然豊かな憩いの場であり、大パノラマを眺められる絶景の地でもあります。昼間の眺望も素敵なのですが、夕暮れ時や夜の風景も格別!時間をあけて再び訪れて眺めてみるのもいいですよ。改めて後ほど、「室蘭港の夜景」を紹介する際に案内しますね。
測量山
北海道室蘭市清水町1丁目
散策自由
0143-23-0102(室蘭観光協会)
5.神秘の空気を感じる「マスイチ浜の外海展望」

マスイチとは、アイヌ語で「ウミネコの家」という意味の「マスイ・チセ」。ウミネコをはじめこの界隈にはさまざまな野鳥が営巣し、希少なハヤブサの姿を目にすることもある自然豊かな場所です。



マスイチ浜は、海辺で先住民族が狩猟生活をしていたことをうかがわせる遺跡が発掘されたことから、一帯は「名勝ピリカノカ絵鞆半島外海岸」として国の名勝に指定されています。ピリカノカとは、アイヌ語で「美しい形」という意味。太古の歴史と自然が宿り、心なしか神秘的な空気を感じる場所です。
マスイチ浜展望台
北海道室蘭市増市町2丁目
散策自由
0143-23-0102(室蘭観光協会)
「銀屏風」はクルージング船から眺めるべし

金屏風とともに室蘭八景とされている銀屏風も道路沿いから眺めることは可能ですが、ここからではちょっと迫力に欠けます。

実は銀屏風は海から眺めるのがベストなんです。4~11月に白鳥大橋付近から出航している「地球岬遊覧」のクルージング船に乗れば、銀屏風の見事な風景をはじめ、マスイチ浜や地球岬、金屏風、トッカリショなど断崖絶壁の眺めを海上から楽しむことができますよ。

銀屏風
北海道室蘭市増市町2丁目
見学自由
0143-23-0102(室蘭観光協会)
地球岬遊覧
北海道室蘭市祝津町1ー127-12(スターマリン株式会社)
[乗船場所]季節と天候により異なります。要問合せ
[運航日時]4~11月10:00発、14:00発(各所要約90分)
[乗船料]大人4,000円、4歳~小学生2,000円、4歳未満無料 ※すべて税込
[運休日]運航期間中はなし
0143-27-2870(9:00~18:00)
6.「黒百合咲く大黒島」を望む、7.「絵鞆岬の景観」

帆掛け船の船首をイメージした展望台があり、沖合に浮かぶ大黒島をはじめ、内浦湾越しに羊蹄山や有珠山、昭和新山などを望むことができます。

大黒島は陸地とつながっていないうえ公共の船などがないため、一般の人は上陸することができません。ここ絵鞆岬展望台などから眺めて楽しみましょう。
絵鞆岬展望台
北海道室蘭市絵鞆町2丁目
散策自由
0143-23-0102(室蘭観光協会)
三面ガラス張りの絶景カフェ「宮越屋珈琲 MUTEKIROU」

絵鞆岬展望台から車で3分ほど進んだところにある「宮越屋珈琲 MUTEKIROU」(以下、宮越屋珈琲)は、ぜひとも訪れたい絶景カフェ。建物の扉をあけて店内に入った瞬間、あまりに素敵な空間に驚くこと間違いありません。
室蘭八景のラスト、「室蘭港の夜景」が始まる日暮れまでの待ち時間にもおすすめです。


2015(平成27)年にオープンした珈琲店。1,000万円以上する高級スピーカーから流れるジャズを聴きながら、本格的な珈琲やチャバタサンドなど軽食を楽しめます。

音楽とガラス越しの風景を楽しめる店内も快適なのですが、天気のよい日は心地よい潮風を肌で感じるテラス席もおすすめです。


あまりのロケーションのよさに、いつまでもここで佇んでいたくなるようなお店です。このあと市内各所で夜景観賞に出かけようと思いつつ、珈琲をおかわりしてこのままお店にいたくなるほど、夕景や夜景も綺麗なんです!



時を忘れ、このまま居ついてしまいたくなるお店。優雅なひと時を過ごせます。
宮越屋珈琲 MUTEKIROU
北海道室蘭市絵鞆町2ー11-1
[営業時間] 4~9月11:00~20:00(L.O.19:30)、10~3月11:00~19:00(L.O.18:30)
[定休日] 12月29日~1月1日、イベントなどで不定休あり
0143-27-0001
8.「室蘭港の夜景」は必ず観賞すべし!
1カ所目は、宮越屋珈琲から車で5分ほどで行ける「祝津(しゅくつ)公園展望台」。ライトアップされた白鳥大橋とオレンジ色の道路灯が照らすループ橋が絵になる場所です。

祝津公園展望台
北海道室蘭市絵鞆町1丁目3-26
散策自由
0143-23-0102(室蘭観光協会)

白鳥大橋の後ろに見える工場夜景も素敵!ただし、2019(令和元)年夏に工場が閉鎖されるため一部の明かりを除き消灯される予定です。
白鳥大橋展望台
北海道室蘭市祝津町3丁目
散策自由
0143-23-0102(室蘭観光協会)
「測量山」は、できれば夕方から山頂で粘り、夕景と夜景を両方観賞したいところ。宮越屋珈琲など素敵な風景が見られる他のスポットとどちらをとるか、非常に悩ましいです。





空がトワイライトブルーに染まるのはほんのわずかな時間。15分も経つと真っ暗な夜を迎えます。夕景と青く輝く夜景はビュースポットをハシゴするには時間的に少々厳しいので、どこで楽しむか本当に悩みどころです。お好みの場所でどうぞ!
大自然と都市景観が織りなす絶景の数々を楽しめる「室蘭八景」。手短に訪れるなら半日、じっくり巡っても一日あればじゅうぶん見て回ることができます。観光名所として有名な登別温泉や洞爺湖などとともに、カメラを携え、時間の許す限り各所を巡ってドライブしてみませんか?

川島信広
トラベルライター・温泉ソムリエ・イベントオーガナイザー/横浜市出身、札幌市在住。北海道内の全市町村を趣味で訪ね歩くうちに北海道の魔力に惹かれ、都内での雑誌の企画営業と執筆業務を経て北海道へ移住し独立。紙媒体やweb媒体などで主に観光や旅行、地域活性をテーマにした取材執筆と企画・編集を手がける。スイーツ好きの乗り鉄、日光湿疹と闘う露天風呂好き。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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