京都で「角打ち」!二条城近くのスタイリッシュな酒屋で、京料理が詰まった弁当とともに楽しむ

2019.06.07 更新

酒屋の店内で、スタンディングでお酒をいただく「角打ち(かくうち)」。京都では、世界遺産の二条城にほど近いセンスあふれる酒屋「SAKE CUBE KYOTO(サケ・キューブ・キョウト)」で、ここでしかいただけない老舗のオリジナル京弁当をつまみながら角打ちが楽しめるという、旅行者にもうれしい特別なプランがあるんです!

こちらのプランは、京都料理界を代表する若主人たちが設立した「京都料理芽生(めばえ)会」と、飲食店情報メディア「ぐるなび」による“本物の京都体験”をコンセプトとした共同プロジェクト「KYOTO365」のオリジナルプラン。あらためて食文化を学ぶ&味わう機会を提供する、「KYOTO365」の持続的な取り組みのひとつです。

酒屋近くの「御金神社」で、金運アップを祈願

酒屋の店内で、店頭に並んだお酒をいただくスタンディングスタイルの「角打ち」が、ここ数年人気を集めています。お酒に囲まれ、「次はどれにしようかな」と考えながら飲み進めていくなんて、とても楽しそうです。
古都・京都で注目されているのが、スタイリッシュな酒屋として若者にも人気が高い「SAKE CUBE KYOTO」(以下、SAKE CUBE)での角打ち。
SAKE CUBEでは通常の角打ちスタイルだけでなく、明治40(1907)年創業の仕出し屋の老舗「御料理 井傳(いでん)」(以下、井傳)のお弁当をいただくという特別な角打ちのプランを11:00~18:00に提供しています。和食と日本酒のコラボレーションは、お酒好きにはたまりません。

SAKE CUBEは、世界遺産の二条城から徒歩5分ほど。市営地下鉄東西線・二条城前駅、東西線及び烏丸線・烏丸御池駅からはそれぞれ徒歩10分の場所にあります。
▲「御金(みかね)神社」は、SAKE CUBEからわずか徒歩3分ほど

角打ちを楽しむ前に、ぜひ参拝しておきたいのが、閑静な住宅街のなかに現れる、金色の鳥居が象徴的な「御金神社」。その名の通り、金運のご利益があるということで有名です。
手水舎にはざるが用意されていて、ここにお金を入れ、手水をかけて清めることができます。お金はいろいろな人の手をわたり、欲がついています。これらの欲をお祓いしたお金は、何倍にも増えていくとか。取材時は小銭だけにしましたが、お札を洗っている参拝者も見かけました。
御金神社の御神木はイチョウの木です。イチョウ型の絵馬がたくさん奉納されていました。ここで必ずやゲットしたかったもの、それは銀杏(ぎんなん)の形をしたお守り(1,000円)です。
「このお守りを持ってから、金運がアップした」という話を何人もの友人から聞いたという今回のモデル山川典子さん。「ぜひご利益にあずかりたいと思っていたんです」と、とうとう手に入れることができました。

コミュニケーションを生みだす新しい角打ちスタイル

念願のお守りを手にして、足取りも軽くSAKE CUBEへ向かいます。現れたのは、白木に縁どられた大きな窓と入口の、まるでカフェのようにおしゃれな店先。一見、酒屋とは思えません。
モダンな白木の扉を開けてみると……。
白い壁と白木の大きなテーブルや棚が配置された、スタイリッシュな空間が目に飛び込んできました。天井の配管をあえて見せているのもおしゃれですね。
店内に見惚れていると、店主の高井大輔さんが登場。スタイリッシュな空間のなかに優しい空気を感じるのは、高井さんの持つやわらかな雰囲気があるからかもしれません。
高井家は代々この場所で、地域に密着した昔ながらの酒屋を営んできました。4代目になる高井さんは不動産開発業を経て家業を継いだのち、2016年に角打ちのできるスタイルにリニューアルしたそうです。
▲特注の、白木の陳列棚

「店内のデザイン原案は自分で考えました。もともと我が家は町家ではなかったので、白壁調の壁と白木を多用することで、京都らしい風情を演出できればと。そして家具はゆったりと配置し、お客様にとって快適な空間を意識しています」(高井さん)
お店の象徴である正方形の大きなテーブルには、時季に合ったおすすめの日本酒が並びます。このテーブルにも、高井さんの願いが込められているとか。

「このテーブルには、上座も下座もありません。一期一会で居合わせたお客様同士が、このテーブルを囲んで語り合っていただきたいですね」(高井さん)
快適な空間づくりは、店外にも。入口の横にはベンチが置かれ、外でお酒をいただくこともできるのです。散策の途中に、ここに座って休憩するだけでもよいとか。「多目的に使ってほしい」と高井さんはおっしゃいます。

仕出し屋と酒屋。4代目同士のコラボレーションを満喫

▲料理の内容は季節や仕入状況によって変更される

高井さんの願いがこもったテーブルに、さっそく井傳のお弁当が置かれました。色とりどりのお料理は、見るからに日本酒との相性がよさそうです。
▲岡持ちでお弁当を届けてくださったのは、井傳4代目若主人の井山和彦さん

「料理は素材が第一です。手をかけすぎることなく、シンプルな調理を心がけています。そうすることで、素材そのものの旨みを活かし、お客様に本当の旬の味を楽しんでいただきたいんです」(井山さん)

井山さんは料理だけでなく、仕出しの配達もご自身でされています。そのことが、このプラン誕生につながったのですが、そのお話はまたあとで。
はやる気持ちを押さえて、まずはお酒選びです。このプランでは2種類の日本酒を味わえます。3杯目以降はキャッシュオンで、日本酒はボトル税込1,000円~、グラス税込500円~で、ほかにも地ビールなどをいただくことができます。
店内の数ある日本酒のなかから、お弁当にぴったりの銘柄を高井さんが選び抜いてくださいました。
▲左/「稼ぎ頭」(増田徳兵衛商店:京都市伏見区)、右/「若竹屋 Debut(デビュー)」(若竹屋酒造場:福岡県久留米市)
「稼ぎ頭はアルコール度数が8%と低いので、お昼に飲むのにぴったりです。食欲を呼び起こし、勢いをつけてくれるでしょう。Debutはワインのようなラベルですが、味のタッチもワインに似ていて、どの料理にも合います。度数と味に変化をつけたセレクトにしてみました」(高井さん)

山田錦で仕込んだ稼ぎ頭は、柑橘の香りがのぼり爽やかな口あたり。甘みもあって食前酒としてもピッタリです。2012年に発売されたこちらは、300年以上の歴史を持つ蔵元による、概念を覆す日本酒として一躍その名を馳せました。

稼ぎ頭によって胃が動き出したようです。さあ、いよいよお弁当をいただきましょう。
「分葱(わけぎ)と京揚げの辛子和え」は、特に春が美味しい分葱と京揚げに、ピリッとからしが効いています。
「白酢和え」は、大根と胡瓜と煮椎茸が豆腐、胡麻、酢などで和えられ、日本の調味料を駆使した深い味わいとなっています。

ここで2種類目の日本酒、Debutをいただきましょう。こちらは明治時代に日本で初めて採取された種麹(たねこうじ)と酵母(こうぼ)を使っているとか。フルーティな味わいのなかに、酸味が強く感じられ、乳酸飲料のような風味があります。ラベルに刻まれた1699とは、蔵元の創業年だそうです。
▲中央部、左奥から時計回りに、花真薯(はなしんじょ)、出汁巻き玉子、鱒幽庵焼き、鶏松風、蕗の葉煮(ふきのはに)、烏賊雲丹焼き(いかうにやき)、蓮根鱈子射込み(れんこんたらこいこみ)、生麩田楽(なまふでんがく)

京風の出汁巻きは、出汁がしっとりと玉子と一体化していて風味豊か。鱒の幽庵焼きは優しい塩味。蓮根鱈子射込みは、シャキッとした食感がたまりません。そして生麩田楽がいただけて、京都のお弁当をいただいている喜びでいっぱいになりました。
▲「南瓜・湯葉・蕗の炊き合わせ」は、やさしい出汁の味わいが素材に染みている

全体的にお野菜が多いのも、女性にはとてもうれしいですね。
「蛍烏賊(ほたるいか)酢味噌掛け」は、酸味がほどよく効いた味噌が、ぷっくりとした蛍烏賊を優しく包みます。
その丁寧な仕事に、うっとりするばかり。どのお料理も、日本酒に合う優しくもしっかりした味つけでした。食事であり、あてでもある、角打ちにふさわしいお弁当は、洗練された和のオードブルのようでもあります。お酒2杯では、とてもおさまりません。

「実は私はお酒は弱いんですが、味は大好き(笑)。和食を食べるときはいつも日本酒をいただきます。季節の風味が詰まった八寸で日本酒を楽しんでいただく、そんなお弁当を意識しました。八寸とは、八寸(約24cm)四方の杉で作ったお盆に盛り付けた、お酒にぴったりの肴(さかな)のことです。そのスタイルを表現したこのお弁当は、時季ごとに変化をつけてゆきます」(井山さん)
さていよいよ、このプラン誕生のお話をしましょう。そこには、井山さんと高井さんの、なんとも素敵なエピソードがあるんです。

「仕出しの配達のために、しょっちゅうSAKE CUBEさんの前を自転車で通り過ぎていたんです。最初は以前の酒屋さんでしたが、工事が始まって“何ができるんだろう?”と思っていたら、とてもスタイリッシュなお店にリニューアルして、とても驚きました。角打ちを楽しんでいらっしゃるお客様の姿が窓越しに見え、なんて素敵な場所だろうと思い続けていたんです。いつか、なんらかの形でお仕事をご一緒できたらな……と思うものの、声をかける勇気もなくて。そんなとき、井傳でプランを考える機会をいただいて、思い切ってアプローチさせていただきました」(井山さん)
▲仕出しで使用する岡持ちには、井傳の屋号が

「歴史ある仕出し屋の井傳さんですから、うちでは役不足じゃないかと思ったのですが」と謙遜する高井さんに、井山さんは「SAKE CUBEさんでなければダメなんです!」と熱くおっしゃる、そのおふたりのやりとりに、こちらも笑顔がこぼれます。

「京都には、冠婚葬祭だけでなく、来客の際には仕出し屋からお料理を取り寄せることが、正式なもてなしとする文化があります。そして屋内でも屋外でも、望まれるところならどこへでもお料理をお持ちします。そうした店にお客様を招き入れる料理屋とはまた違う、仕出し屋の仕事についてアピールしたいという想いをずっと抱いていました。ご自宅ではなく、こうした角打ちでも仕出し弁当を楽しめることを、このプランを通して知っていただけたらうれしいです」(井山さん)
SAKE CUBEには、高井さんが志に共感した蔵元の日本酒が並びます。今日の角打ちの思い出に、購入するのもいいですね。

「多目的にこの場を使ってほしい」とおっしゃった高井さん。その言葉に響くように、このプランを考えついた井山さん。ともに4代目として家業を受け継ぐおふたりの交流が、お互いの魅力を高めあうお弁当と日本酒に酔いしれる、心地よい時間を生みだしました。予定を詰め込んだ観光のなかに、こんなはんなりとした時間を、ぜひ取り入れてみませんか?

撮影:エディオオムラ
竹中式子

竹中式子

フリーの編集者兼ライター。京都・伏見育ち。東京の出版社で16年間、漫画やライフスタイル誌の編集に関わったのち退職。そのまま台湾遊学という、一種典型的なアラフォー女性の道を歩みました。台湾では美味しいもの探しの日々を満喫。帰国後は伏見の水と清酒を飲みながら、久々に身近になった京都の文化を勉強中です。

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