奇跡の床もみじを堪能できる「宝徳寺」は、御朱印も必見のパワースポットだった!

2019.06.15 更新

床にもみじが映り込むことで、目の前いっぱいに幻想的な景色が広がる“床もみじ”。逆さ富士ならぬ、この驚くべき光景が見られるのが群馬の名刹「宝徳寺(ほうとくじ)」です。こちらは床もみじの名所としてだけでなく、ユニークな御朱印をいただけるパワースポットとしても注目されています。今回はそんな「宝徳寺」で、絶景の床もみじを堪能しつつご利益をたっぷりいただいてきました。

▲本堂の床にもみじが映り込む床もみじ。全国でも数カ所でしか見られない貴重な絶景です

室町時代に創建された歴史ある禅寺

赤城山や足尾山地などの山々、「わたらせ渓谷鐡道」で有名な渡良瀬川など風光明媚な自然が広がる群馬県桐生(きりゅう)市。その山深い場所にありながら、年間を通して多くの参拝者で賑わっているのが臨済宗の禅寺「宝徳寺」です。その歴史は古く、室町時代の宝徳年間(1450年頃)、桐生地域の領主だった桐生佐野正綱公によって創建されました。

宝徳寺へのアクセスは、東武鉄道・相老(あいおい)駅もしくは赤城駅からタクシーで約15分。バスを利用する場合は、JR桐生駅(北口)より「おりひめバス」に乗車し、約25分ほどの「宝徳寺入り口」で下車します。
▲バス停留所から徒歩1分ほどで、正面入口へ到着します。取材時はちょうど新緑シーズン!自然の恵みを身体いっぱいに浴びながら石段を上って境内へ
▲境内に入るとすぐに6体のお地蔵さま(六地蔵)がお出迎えしてくれます。宝徳寺の墓所を守っていらっしゃるので、手を合わせてから進みましょう

宝徳寺は床もみじが見られる本堂、お参りの際に休憩場所として利用できる客殿、御朱印所、そして美しいお庭などで構成されています。
まずは境内奥にある本堂で参拝しましょう。
▲本堂の拝観入口。左手では広島原爆の残り火から分火された「原爆の火」が灯っています

宝徳寺の本堂は、禅宗方丈様式で建てられています。室町時代に京都の臨済宗を中心に盛んに造られた様式ですが、関東では数ヵ所でしかみられません。一見すると質素な造りのようですが、堂内には壮大な襖絵が飾られています。また、正面には枯山水の石庭を設えており、周りを囲む緑と調和して美しい景観を生み出しています。
▲平成14(2002)年に新築された本堂には、釈迦牟尼如来(しゃかむににょらい)像をはじめとした3体の菩薩が祀られています
▲祈願料200円を納めると、護摩木に願い事を書いて祈願もできます
▲本堂の襖に水墨画で描かれた見事な双龍にも注目。作者は、宝徳寺の本山である「鎌倉建長寺」の襖絵(非公開)でも知られる白浪(はくろう)画伯
▲本堂の真正面に広がるのが石庭「枯山水庭園」。省略できるもの全てを省略し、石と砂だけで自然の美を表現しています
▲本堂・拝観口の左手に備わった、飾り窓越しに眺める枯山水庭園も風情たっぷり

山間の緑に囲まれた場所に建つ禅寺だけあって、本堂周辺にはとても静かな時間が流れていました。見事な襖絵や石庭を眺めながら、自分を見つめ直すにはぴったりの場所です。

風光明媚な景観が生み出した、奇跡の床もみじ

ここ宝徳寺では春の「ぼたん祭り」、秋の「紅葉まつり」開催に合わせて、特別な情景が公開されます。それが床もみじです。床もみじとは、もみじなどの風景が床に映り込む現象のこと。普段は入ることのできない本堂の内部に入って、この床もみじを眺めることができるのです(2019年ぼたん祭りは4月27日~5月6日で終了)。
▲湖に富士山が映る“逆さ富士”は有名ですが、お寺の床に映る“床もみじ”は大変珍しい光景なのだそう

約28畳ある大きな床のキャンパスに現れる、床もみじ。初めて見た人は誰しもが、その壮大さに圧倒されることでしょう。本当に美しい光景で、時が経つのも忘れてしまうほど。SNS受けも抜群です。
▲右手に90度振り向くと、右側の襖に描かれている龍の画も床に映り込み、美しい“双龍”が出現!

宝徳寺の金子住職に、この珍しい光景が生まれた背景を伺ってみると、 
「本堂中央は御本尊をお祀りする場所で、室中(しっちゅう)と呼ばれています。ここは聖域の中の聖域で、禅宗寺院では床張りにしている所も少なくありません。宝徳寺の場合、その床に石庭の外側に植えられたもみじが偶然に映り込んだのです。本堂前に住宅や景観を損ねるものがあれば不可能なので、奇跡の現象と言えるかもしれませんね」とのこと。
▲宝徳寺があるのは住宅地から一線を画した小高い丘の上。周囲を木々で覆われているからこそ生まれた奇跡に納得です

2019年春の「新緑の床もみじ特別公開」は終了してしまいましたが、次回は毎年11月中旬の紅葉シーズンに開催される「秋の紅葉まつり」の期間中に公開されます(2019年の紅葉まつりは11月9日~23日に開催予定)。そこで一足早く、紅葉まつりの光景もご紹介しましょう。
▲こちらが秋の宝徳寺。艶やかさをまとった秋の境内は写真に映えますね(写真提供:桐生市役所)
▲新緑シーズンと打って変わって、鮮やかさを増す紅葉シーズンの床もみじ。まるで芸術作品のような美しさです(写真提供:桐生市役所)

例年、床もみじの公開期間中は数万人もの参拝客が訪れ、秋の紅葉シーズンは長蛇の列が出来ることも多々あるそう。午前中が混むそうなので、午後を狙っていくと比較的観覧しやすいかもしれません。

床もみじの公開期間中は、特別にお寺カフェも営業

床もみじの特別公開がある「ぼたん祭り」「紅葉まつり」の開催期間中は、高崎市にある焙煎珈琲店によるカフェをはじめ、フード屋台なども境内に多数出店します。参拝しながらお腹も満たされますね。
▲その優雅で可憐な見た目から、百花の王ともいわれるぼたん(例年の見頃:4月下旬~5月上旬)。和傘が良く似合いますね(写真提供:桐生市役所)
▲地元の「珈琲工房リバティ」によるお寺カフェもオープン。こだわりの一杯がついた「お団子セット」(税込600円)や「カステラセット」(税込700円)などをいただけます(写真提供:桐生市役所)
▲お寺カフェ「喫茶処」が設けられる客殿。入口には禅の始祖である達磨大使のイラストが。こちらはなんと住職の手描きです!
▲フードのお店のほか、物販のお店も出ています。ギフトを探したり、小腹を満たしたりするのもいいですね(写真提供:桐生市役所)
▲客殿内では各種おまもりの他、宝徳寺オリジナルのスパークリング清酒「不老美酒」(税込1,000円)も販売しています。こちらは床もみじの特別公開期間以外でも購入可能

まるでアート作品のよう。一味違う有難い御朱印の真相とは⁉

宝徳寺の人気の秘密がもう1つ。それが御朱印です。筆者も御朱印集めが趣味で、全国各地の寺社で御朱印をいただいていますが、宝徳寺の御朱印はひと味もふた味も違うもの。
大きく分けて「基本の御朱印」と「月替わり御朱印」の2種類があり、時季によって特別な御朱印も不定期で登場します。いただける御朱印の数は、書き置き(貼るタイプ)含めて全部で約40種類もあるのだそう!

御朱印は火・金曜(祝日以外)を除く、毎日9時~16時にいただくことができます。
▲これはいただける御朱印のごく一部。そのバリエーションの多さにびっくり!しかも住職やお寺のスタッフが1枚1枚心を込めて、その場でイラストを描いてくれるのです

まずは御朱印所に御朱印帳を預け、いただきたい御朱印の番号を伝えます。整理番号の記された札を渡してくれるので、番号が呼び出されるまで待ちましょう。取材時にいただけた御朱印は1人2点まででしたが、混雑状況により異なります。
▲取材時は平日11時にもかかわらず、すでに139番目…。開門から2時間ほどで100名以上が御朱印を求めに来ているのだから、その人気ぶりが伺えますよね!

本来ならば本堂で参拝した後に御朱印所に行くのがマナーですが、宝徳寺では御朱印の待ち時間が長いため、参拝前に御朱印所で受付することを推奨しています。参拝を終えても番号が呼び出されるまでに時間がある場合は、撮影スポット満載の境内を、カメラ片手にゆっくり散策してみてくださいね。

そして、待つこと……約2時間。ようやく番号が呼び出されました!
▲新元号制定の特別御朱印「令和鳳凰舞い降りる」(1,000円)をいただきました!2019年5月1日~6月30日の期間限定。鮮やかな色が美しい!
▲もう1つ、「達磨大使の御朱印」(800円)もいただきました。こちらは帳面を4ページも使うタイプです。受け取った瞬間、その迫力に圧倒されますよ

御朱印が誕生した背景を金子住職に伺うと、
「宝徳寺では思い出に残る御朱印をコンセプトにしています。手描きのイラストが入った御朱印であれば3年後、7年後に御朱印帳を改めて開いた時に、禅寺にお参りしたんだとか、秋や梅雨頃にお参りしたんだなと、その時の光景が思い出されると思ったからです」と語ってくれました。
▲全国でも珍しいかも!?住職自らが御朱印を手描きしてくれます(写真提供:宝徳寺)
▲他にも、お誕生日祝いの御朱印(1,000円)や、塗り絵のできる「こども限定御朱印」(300円)や…
▲月替わり御朱印(1,000円、2019年6月は「梅雨を楽しむお地蔵さん」)など、大人も子どもも楽しめる御朱印が揃っています

御朱印帳を持参してない方は、宝徳寺オリジナルの御朱印帳をあわせて購入するのもオススメですよ。
▲新元号制定記念の「令和」の文字が入ったものや、福を呼ぶお地蔵さんが書かれた可愛らしいものなど全6種類(各2,000円)

住職のおもてなしの心がつまったイラスト御朱印の数々。遠方からこの御朱印を求めて多くの参拝客が訪れている理由に納得でした。御朱印の完成を待つ時間のない方向けに、後日自宅に配送してくれる便利なサービスも用意されています(来寺参拝客のみ受付、送料は参拝者負担)。

御朱印を待っている間に、境内を散策してみた

人気の御朱印を待っている間、境内を散策してみました。境内には見どころが盛りだくさん。特に御朱印のモチーフになっている事でも知られている可愛らしいお地蔵さまがいっぱいいるので、1つ1つ見つけながらたっぷりとご利益にあやかりましょう。
▲例えば、ふと撫でたくなってしまう「なで地蔵」を見つけたり…
▲子どもを抱っこした「親子地蔵」にほっこりしたり…
▲見ているだけで幸せになれる「しあわせ地蔵」など様々なお地蔵さまに出会えます

境内の一角には、鐘を吊るした鐘楼(しょうろう)もあります。大みそかに除夜の鐘を鳴らすために多くの参拝客が訪れるのだそう。
▲宝徳寺の除夜の鐘は、12月31日(大みそか)の朝10時から鳴らしはじめる “日本一早い除夜の鐘”。こちらも鳴らして御祈願しましょう
▲本堂の庭には池もあるので、池に泳ぐ鯉を眺めながら時間を過ごすのもオススメですよ

早朝坐禅に参加して、自分を見つめ直すきっかけに

これまで宝徳寺の様々な楽しみ方をお伝えしてきましたが、最後にご紹介するのが「早朝坐禅会」です。こちらは毎月第一日曜の6時半から本堂のタタミの間で開催されているもの。15分の坐禅を3回実施した後、読経、粥座(お粥の朝食)、日天掃除などを行う、約1時間半のプログラムとなっています(事前申し込み不要・参加費は賽銭志納)。
▲坐禅には自分を見つめ直して、心の軌道修正をするという意味が込められています(写真提供:宝徳寺)

いかがでしたか?絶景の床もみじで四季を感じたり、住職が描くありがたい御朱印をいただいたりと、見どころ満載のパワースポット「宝徳寺」。さらに2019年7~8月には、「風鈴まつり」を初開催する予定もあるのだそう。東京都心部からアクセスするには多少距離がありますが、訪れる価値のあるお寺です。ぜひ四季折々の楽しみ方ができる「宝徳寺」を参拝してみては。
takeko

takeko

普段はIT系ディレクター、時々ライター。趣味は美味しいお店開拓(でも方向音痴で、いつも目的地に着くまで一苦労)。学生時代は一人海外旅行が大好きで、現地ですぐ友達を作っちゃうタイプでした。社会人になり、全国各地へ出張に行く度に、その土地の美味しいグルメと人に会う楽しみを覚え、現在も休みがあればどこかしらに旅に出ます。最近のブームは日本酒。いつかマイボトル酒が作りたい!と思う30代女子です。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
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