下呂温泉に行くなら絶対に寄るべし!滝を楽しむトレッキングの聖地「小坂の滝めぐり」へ

2019.09.27 更新

御嶽山(おんたけさん)の西に広がる飛騨小坂(ひだおさか=下呂市小坂町)は、200以上の滝のある町として知られています。その滝を楽しむことができるのが「小坂の滝めぐり」です。夏にはシャワークライミングや滝めぐりもできますが、今回はのんびり山歩きをしながら、いろいろな滝を楽しめるトレッキングコースをご紹介します!

▲轟音と水しぶきを体感できる「からたに滝」

まずは「飛騨小坂ビジターセンター」で情報をGET!

下呂市小坂町は、霊山として知られる「御嶽山」の麓にあり、国内でも有数の滝の多さを誇る町です。豊かな水と急峻な地形が生む滝の数は落差が5m以上のものだけでも200以上!形状や大きさも多彩な「小坂の滝」は、平成20(2008)年には「岐阜の宝もの」第一号にも認定され、「小坂の滝めぐり」というガイドツアーも行われています。

今回は、初めて「小坂の滝めぐり」を楽しむのに一番おすすめという「三ツ滝コース」を歩くことにしました。さっそく山歩き開始!といきたいところですが、その前に「小坂の滝めぐり」事務局のある「飛騨小坂ビジターセンター」に立ち寄って、周遊に必要な情報をうかがうことにしました。
▲「飛騨小坂ビジターセンター」。前日のシャワークライミングの装備一式が干されていた

「飛騨小坂ビジターセンター」は、名古屋から車で約2時間30分の場所にある「道の駅・南飛騨小坂はなもも」内にあり、「小坂の滝めぐり」のパンフレット等を取り揃えている情報発信基地兼、ガイドツアーの集合場所にもなっています。
▲ガイドの米野(こめの)さんからアドバイス

「“三ツ滝コース”は初めての方でも3時間あればひと回りできるのでおすすめです。足下はスニーカー程度でも大丈夫ですが、トレッキングシューズだと岩場でも滑りにくくて良いと思います。天候の急変や寒暖差に備えた雨具や防寒具、あと水や行動食などがあれば安心ですよ」と米野さん。

「三ツ滝コース」はガイドなしでも気軽に歩けると聞き安心した筆者。念のため持参した荷物も確認してもらいました!
リュック、雨具、タオル、水、スマホ、トレッキングシューズ、帽子を持参。「これならOK!」と米野さんのお墨付きを頂きました!

ということで、「三ツ滝コース」のスタートになっている「がんだて公園」へ向かいます。「飛騨小坂ビジターセンター」からは車で約5分です。

滝と森のマイナスイオンに癒される山歩き!

▲「がんだて公園」では「巌立(がんだて)」と呼ばれる断崖をバックに記念撮影ができる!

「がんだて公園」の駐車場に着くと、いきなり目の前に「厳立」がそびえていて、度肝を抜かれます!そもそも「厳立」とは、約5万4000年前の御嶽山の噴火時に流れ出た溶岩が水の浸食によりできた自然のオブジェ。高さ72m、幅120mの柱状節理の大岩壁は、岐阜県の天然記念物に指定されています。
▲紅葉シーズンの「厳立」(写真提供:小坂の滝めぐり事務局)
▲駐車場の横には「小坂の滝めぐり案内所」があり「飛騨小坂ビジターセンター」に寄らずにこちらで話を聞くこともできる
▲まずはスタート地点にある受付で、環境維持協力金として300円を払って……
「三ツ滝コース」のトレッキングスタートです!
▲スタートしてすぐはウッドデッキになっていて、歩きやすく渓流のせせらぎが耳に優しい!
▲続いて石畳の遊歩道
▲紅葉シーズンの遊歩道(写真提供:小坂の滝めぐり事務局)
川沿いに作られた足場を通って行くと、滝の音が聞こえてきて、赤い橋が見えました!地図で確認すると、どうやら「滝見橋」のようです。
▲「滝見橋」から見た景色。奥に見える滝がコースの名前にもなっている「三ツ滝」
▲「滝見橋」を渡って階段を上っていくと……
「三ツ滝」の真横に出られます!

「三ツ滝」はその名の通り、落差6mの上段、落差11mの中段、落差5mの下段と、3つの滝が連なっています。いずれの滝壺も水深が3~5mあり、特に一番広く深い上段の滝壺は陽光によりエメラルドグリーンに輝くんだそうです。取材した日は曇りだったのでその様子を見られませんでしたが、スタート地点からほんの数分歩いただけで神秘的な滝を見ることができて驚きました。
「本日のマイナスイオン」表示板もありました。数値は一般的な家庭の部屋の100倍以上です!
「三ツ滝」を右手に見ながら、さらに階段を上っていくと……。
分岐地点になっていました。「三ツ滝コース」は、看板や案内が各所にあるので初心者でも安心です。この二股の分岐を左に行くと、少しだけ上り坂になりますが……。
「一合目」と書かれた看板。ここから先はほぼ平坦な道です。
▲平坦で歩きやすい「原八丁(はらはっちょう)」と呼ばれる溶岩台地は、広葉樹と針葉樹が混じった森
足下に目をやると苔の生えた溶岩と柔らかい土が。木漏れ日も心地よいと思っていたら……。
熊に注意の看板が!「カモシカやクマなど、野生動物が住んでいるエリアです」という米野さんの言葉を思い出しました!
▲気を引き締め、クマよけを鳴らして通行!

そして一合目から歩くこと数十分……。
▲「どんびき平」と呼ばれる「中崎台湿原」に到着!

湿原は、多彩な植物が群生していて、春から秋まで自然の美しさを楽しめる場所。ちなみに“どんびき”とは蛙のことで、初夏になると蛙が産卵のために群れをなしてこの湿原に集まることから付いた名前だそうです。
▲湿原をぐるっと回って反対側から見た「どんびき平」

この日は蛙は見つけられませんでしたが、オニヤンマやアカトンボ、キイトトンボなどがたくさん飛び交っていました。しかもトンボの羽音が聞こえるほど!街での生活ではありえない自然の音だけに囲まれていると、かなり心が落ち着きます。
▲ひと休みできる小屋もあった!
「どんびき平」でひと休みした後、数分歩くと「しもべり橋」に到着。
▲「しもべり橋」を渡ると、次の滝「あかがねとよ」と「からたに滝」まであと少し!
▲コースから川までの階段を下っていき……
▲川を渡ると……
大きな看板が出ています!右に「あかがねとよ」。左に「唐谷(からたに)滝」。まずは「あかがねとよ」に向かいます。
看板の隣りにあった「あかがねとよ」の説明によると、岩が雨樋(とよ)のような“とよ状”になっていて、その岩が銅のような「あかがね」色に見えたことから付けられた名前だそうです。
▲滝壺のグリーンがきれいな「あかがねとよ」

滝の落差は約14m。説明通り雨樋状に流れ落ちる水が巻き起こす風と水しぶきのおかげで、トレッキングで火照った体がクールダウン!
ちなみにこの滝は、水量が減ると枯れることもあるそうで、滝が枯れた時にだけ見ることができる滝壺も美しいそうです。
▲スイカを冷やしたくなるほど水が冷たい!

「あかがねとよ」を十分に満喫した後は、来た道を戻って「からたに滝」へ!
▲左右に広がる柱状節理が美しい「からたに滝」

「からたに滝」は落差15m。「あかがねとよ」より水量が多く、音と水しぶきの迫力も違います。

何か記念になる写真を残せないかと考えて……。
瞑想のポーズをしてみました!ただ、あまりの水しぶきに肌寒くなり、雨具を着ている時点で煩悩を捨て切れていませんね……。
ちなみに「からたに滝」は、天気が良い日の午後に陽光が射し込むと虹が見られることもあるそうです。見たかった……。
▲「あかがねとよ」と「からたに滝」を見た後は、車も通れる道を下ってスタート地点の「がんだて公園」まで戻る

帰りは右手に渓流の音を聞きながら、ゆるい下り坂。途中、「三ツ滝」を上から見られる場所もあり、カメラマンと会話しながら歩いていたら、気付けば「がんだて公園」に到着していました!
▲帰り道の至るところに、かわいいタマアジサイが咲いていた。7~9月が見頃

体力や足腰に自信がなかった筆者でしたが、想像以上に楽々のトレッキングで、3種類の滝もそれぞれ違った美しさがあって大満足。滝と森のマイナスイオンに癒された3時間ほどの道のりでした。

トレッキング後の空腹を癒す「がんだて茶屋」

「がんだて公園」に戻り、軽く何か食べたいと思い「小坂の滝めぐり案内所」の隣りにある「がんだて茶屋」に立ち寄ることに。
▲「がんだて茶屋」はお土産と軽食のお店
▲飛騨小坂特産のえごま油(45g入り瓶・税込1,800円)やあまご甘露煮(税込840円)など、ここでしか買えないお土産の種類も豊富

小腹の空いた筆者は「飛騨小坂鉱泉肉まん」(税込350円)を注文!「がんだて公園」近くにある「湯屋温泉」の鉱泉が生地に練りこまれた肉まんです。
▲豚の焼印がかわいい「飛騨小坂鉱泉肉まん」
▲鉱泉でふわふわの皮に仕上がっている

肉まんのあんには、納豆の粉末を飼料に加えて育てた「納豆喰(なっとく)豚」のお肉と「小坂のぶなしめじ」を使用。「納豆喰豚」は豚肉特有の臭みもなく、口どけのよい脂身は旨みが強いのが特徴。「小坂のぶなしめじ」も苦みが少なく老若男女が食べやすい味でした。
▲さらに手作りの五平餅(左・税込250円)とえごまタルト(右・税込200円)も!

五平餅は、えごまとクルミの効いた味噌と柔らかめのお餅が特徴。えごまタルトは、えごまたっぷりのタルト生地の上に枝豆の入ったクリームチーズがのっていて、えごまの香りと相性抜群でした。

軽くお腹がふくれたところで、「飛騨小坂鉱泉肉まん」に使われている鉱泉に入浴できる温泉施設「ひめしゃがの湯」へ行くことにしました。

浸かって飲んで食べられる、全国でも珍しい天然炭酸泉

▲「がんだて公園」から車で約5分の「ひめしゃがの湯」は、2019年にリニューアルオープンしたばかり!

飛騨小坂にある温泉は、炭酸を含んだ天然の温泉で、含有する炭酸濃度が高く全国でも希少な高濃度天然炭酸泉です。なかでも「ひめしゃがの湯」は日帰り入浴ができるとあって、「小坂の滝めぐり」を楽しんだ後にぴったりの温泉施設。入浴料は中学生以上700円、小学生350円(ともに税込)です。
▲左が露天風呂。そして右の茶色いのが「源泉そのまんま風呂」

「源泉そのまんま風呂」は、地下から湧く約24度の源泉をそのまま利用しており、正直いきなり入ると冷たいです。ただ、しばらく浸かってから上がると体がポカポカしてきて、かなり不思議!
▲内湯には泡風呂、サウナ、薬湯、ハーブスチームバスもある

写真一番奥に見える内湯の炭酸泉は、炭酸ガスがお湯に最も溶け込みやすい38度前後に温められ少しぬるめですが、肌にまとわりつくようなシュワシュワがかなり新鮮な体験でした。10分程度ゆっくり浸かることでリラックス効果や美肌効果が期待でき、心臓に負担をかけずに血行促進作用もあるとのこと。さらに湯冷めもしにくいそう!
▲ゆっくり浸かればトレッキングの疲れも癒される
▲「ひめしゃがの湯」副支配人・西森さん

「炭酸泉は、入浴だけでなく料理にも使っています。炭酸泉グルメはレストラン“ひめ亭”で食べられますよ。お食事の後は、当館の玄関横にある飲泉所で、ぜひ源泉も飲んでみてください。美味しくはないですが(笑)」と西森さん。

ということで、少し遅いランチにすることにしました。
▲ひめ亭の店内。窓の外には美しい山々の緑が
▲早速、炭酸泉を使った「鉱泉粥」(税込350円※2019年10月以降は税込400円)から!
黄色がかったお粥は、お米と源泉のみで炊かれており、口にしてみるとほんのりとした温泉の香りが優しくて、お腹にじんわりと沁みる美味しさでした。そもそも小坂の天然炭酸泉は、江戸時代から湯治に使われてきており、“胃薬”と呼ばれるほどの効果が期待できるんだそうです。

続けてお待ちかねの「ひめしゃがまるごと鉱泉膳」(税込1,300円※2019年10月以降は税込1,400円)です!
▲納豆喰豚の他、地元の野菜やキノコ、木綿豆腐などを使用

こちらの特徴は、炭酸泉を使った豚しゃぶです。しかも炭酸泉には豆腐が入っていて、温泉の成分のために熱していると豆腐がだんだん溶けてきて、トロリとしてくるんです。
▲もともと柔らかい納豆喰豚がさらに柔らかくなった!
▲肉と野菜を食べ終えたら、ご飯を入れて卵を流し込み、ダシで味をととのえたら雑炊のできあがり。鉱泉をすべて残さず食べられます!

お粥も鍋も食材の柔らかさや味のまろやかさが格段に上がると感じた炭酸泉料理。ぜひ一度体験してほしい美味しさでした。
食後、「ひめしゃがの湯」の玄関横にある飲泉所にやってきました。
神社の手水舎のように並ぶ手桶で源泉を汲んで飲んでみます!
▲ゴクッとした途端「マズッ!」と吐き出してしまった筆者

源泉を飲む際は勢いよく飲まず、チビリチビリと飲むことをオススメします。筆者は鉄の味がして苦手でしたが、もしかしたら癖になる方がいるかもしれません……。

ちなみに地元の人はこの源泉を使って、自宅で湯豆腐や料理に使うそうです。観光客も容器を持参すれば持ち帰りOKなので、湯豆腐好きの筆者としては料理用としてぜひ試してみたいと思いました。
▲「小坂の滝めぐり」ガイドツアーのひとつ「カフェトレッキング」(税別6,200円/ガイド料・軽食・環境維持協力金/写真提供:小坂の滝めぐり事務局)
トレッキングに滝と温泉、グルメと盛りだくさんでお届けした「小坂の滝めぐり」、いかがでしたでしょうか?今回は8月末のトレッキングでしたが、春夏秋冬いずれの季節でも豊かな自然を堪能できるので、お暇ができたら気軽に訪れてみてください。もし山歩きに不安があれば、「小坂の滝めぐり」ガイドツアーのメニューも充実しているので利用してみるのもおすすめですよ。
澤井敏夫

澤井敏夫

愛知県・清須市在住のライター。情報誌の編集制作、音楽事務所でのマネジメント業務を経て独立。読書と落語鑑賞とヨガが趣味。

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