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和歌山市加太に現れる1日だけのレストラン!イタリアンシェフ特製の海辺BBQを味わう旅

2022.06.13 更新

紀淡海峡に面し、美しい海岸線が続く和歌山市。なかでも、和歌山市の中心を流れる一級河川・紀の川の北側、大阪との境にある漁師町・加太は、古く万葉の時代から歌に詠まれてきた景勝地です。今回は、加太の魅力を味わいつくすべく、街歩きを楽しみ、漁港のポップアップレストランでイタリアンシェフによる加太の海の幸BBQを味わう旅へ。休日を楽しむファミリーに密着し、新しい加太の魅力を探りました。

加太満喫の旅は、「めでたい電車」が人気の駅からスタート

さまざまな愛らしい魚のデザインがラッピングされた「めでたい電車」が走る、加太さかな線(南海電鉄加太線)。その終着駅、加太駅から旅は始まります。
▲南海和歌山市駅から約25分で着く加太駅

子どもたちに今日の楽しみを尋ねると、すかさず「BBQ!」と元気な答え。ご両親は「ポップアップレストランのBBQは想像がつかないので楽しみ」と期待で心を躍らせている様子です。
▲両親と小学生の兄弟が参加

街歩きのガイド役、「加太語り部くらぶ」の語り部さんと合流し、加太の街の説明を受けます。加太は万葉の時代から「潟見の浦(かたみのうら)」と呼ばれてきた景勝地。修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が修行を積んだ地でもあり、たくさんの寺院や神社が残る、漁業と観光が両立している街です。
▲「加太語り部くらぶ」の皆さんは加太の魅力を精力的に伝えている

それでは、加太駅からポップアップレストランが出店している「加太おさかな創庫」まで、のんびり歩いて散策しましょう。

寺社が並ぶ古い街並みを抜けて海へ向かう

駅から歩き出した一行が最初に足を止めたのは、外観がモダンな「旧加太警察」。
▲大正初期に建てられた洋風の「旧加太警察」は駅から数分の場所にある

警察署として使われていましたが、警察が移転後は民宿などに活用され、現在は個人所有の住宅のため外観のみ見学できます。
▲江戸時代末期に置かれた石の道しるべには、右は和歌山道、左はあわしま道との記載がある

昔の面影を残す路地を海に向かって歩きます。和歌山市出身の参加者も「加太には来たことがあったけれど、こんな小道を歩くのは初めて」と驚いた様子です。車で加太を訪れるとこのような路地は通らないため、歩いて散策するからこそ見られる風景です。
▲細い路地の両側には住宅が立ち並び、港町らしい蔵や道具を目にすることも

駅からほど近い「加太春日神社」に到着。国指定の重要文化財である本殿は、ほとんど霧囲いで覆われているので中から見せていただきました。
▲役行者にゆかりがあり、今も毎年4月に京都から聖護院の門跡と行者が訪れる場所

本殿の構造を始め各所に施された彫刻が雄大豪壮で、これらは桃山時代の特徴をよく表しているものだと教えていただきました。
向拝(こうはい)の彫刻は表と裏で文様が違う透かし彫りだそうです。こちらは雲に龍。伊勢エビがよく獲れたことから漁師町らしくエビの文様がある面もあります。その謂れから5月の第3土曜日に行われる「例大祭渡御祭」は「えび祭り」と呼ばれ、氏子総出で大漁と海の安全を祈願するそうです。古くからの漁師町の伝統を今も引き継いでいます。
路地を抜けると、加太の海沿いにある「淡嶋(あわしま)神社」に到着です。この神社は毎年3月3日に、お雛様を白木の船に乗せて海に流す「雛流し」の神事で知られる場所。
▲人形の奉納で有名な「淡嶋神社」で行われる雛流しは季節の風物詩

この神社までくれば海は目前。神社からはジブリの世界観が感じられると有名になった無人島・友ヶ島が一望できます。
▲瀬戸内海国立公園・友ヶ島は加太港から汽船で渡れる

淡嶋神社は薬の神様とされる「少彦名命(すくなひこなのみこと)」を祭神としており、特に女性の病気回復や安産・子授けに霊験あらたかな神社として、信仰を集めています。
▲拝殿には全国から奉納された人形が所狭しと並んでいる

境内のそばには売店があり、干物や貝、ひじきなど、加太の海の幸がずらり。お土産を求めて、多くの人が立ち寄ります。この日は加太の海苔を購入しました。
駅から淡嶋神社まではゆっくり歩いて約1時間。語り部さんのお話を聞いているとあっという間でした。「海の街らしい雰囲気を感じられる散策で良かったです。港に多くの船があり、漁師さんが海に出て漁をされていらっしゃるのを見て、自然の恵みのありがたみをより感じました。」とお父さんがにこやかに話してくれました。

イタリアン・フュージョンの息吹薫る海鮮BBQコース

語り部さんと別れ、淡嶋神社向かいにある「加太おさかな創庫」へ。ポップアップレストランが開店し、シェフが到着を待ってくれていました。
海に面している「加太おさかな創庫」。普段はイベント会場として地元の方々に愛されている場所です。

海風を受けながら歩いてお腹を空かせたファミリーを迎えてくれたのは、山田直良(ただ
よし)シェフとソムリエの旅田裕士さんです。
大阪市内でイタリアンレストラン「RiVi(リヴィ)」を営む山田シェフが腕によりをかけて、加太の海の幸を使った海鮮BBQでコースを仕立ててくれます。
▲普段イベント会場として使われている倉庫が、大漁旗やクロスでドレスアップ

漁港の倉庫の中に突然現れたポップアップレストラン。シェフの背後には大漁旗が飾られ、BBQコンロや焚火がワイルドさを演出しています。一方、クロスで美しくしつらえられたテーブルや、整然と並ぶワイングラスは本当にレストランにいるかのよう。
▲振る舞うドリンクも、和歌山市出身であるソムリエの旅田さんが和歌山のみかんジュースやワインをセレクト

まずはフュージョンの新風が感じられる、凝った前菜からコースがスタート。
▲マダイの骨から濃厚なだしをとったコンソメスープ

流木のような繊細なオブジェにあしらわれて登場したのは「生ウニとシブレットのチップ」です。「加太は生ウニもおいしいのでそのまま1口でどうぞ」とシェフの説明に、「贅沢~!」と声が揃います。
▲生ウニをハーブの一種であるシブレットと合わせた一品

〆サバは魚醤を効かせたマリネに。周囲には大根のピクルスを型抜きし、カラフルな魚影をあしらって遊び心を表現しています。シェフの心意気でここが海のそばであることを思い出します。
▲「〆サバと彩り大根のピクルス」

加太で獲れたばかりのひじきはフォンドボーと一緒に煮込み、ペースト状にしてパテ型に。クリームチーズを挟むことで、なめらかに味のバランスをとった1品です。ひじきが発酵したフルーツのような濃厚な味わいに仕上がっています。
▲「ひじきのパン」

こちらは、加太で水揚げされた舌ビラメにベシャメルソースとマカロニを合わせ、香草を効かせたパン粉をふって。グラタンが冷めないよう、ヒノキの葉を入れたお湯で湯煎して保温しています。愛らしくあしらわれた花は食べられるエディブルフラワーです。
▲「舌ビラメのマカロニグラタン」

和歌山市産のシラスをすり身にして焼き上げたクネルは「フランスのさつま揚げのようなもの」とシェフ。ふんわりと燻製の香をまとうよう、器の中にスモークを焚き込めてある、マジックのような1皿です。
▲「シラスのクネル」

ひじきやシラスなどの日常的な素材が、美しく芸術的な一皿となる様子を目の当たりにし、新鮮な驚きに酔いしれた一行。次は何が出てくるのだろう、とメニュー表とシェフの手元を見比べ、ワクワクした気持ちが止まりません。

ここからが本番!味わったことのないBBQメニューが目白押し

いよいよメインのBBQ。思い浮かべていたみんなで囲うスタイルとは一線を画した、スペシャルなBBQです!グリルでは着々と海の幸が焼き上げられ、香ばしい匂いが前菜で整った胃袋をさらに刺激してきます。
▲グリルで出番を待つ、足赤エビとコウイカ
▲音を立てて貝汁が沸くサザエ。加太はサザエも名産

メインのBBQは、イタリアンなソースでいただきます。真ん中の黄色のソースは、ノイリー酒と生クリームなどを煮詰めた「ソースノイリープラット」。まろやかで魚介類との相性抜群です。緑色のソースはイタリアンパセリとアンチョビなどで作った「サルサヴェルデ」で、味に爽やかな変化を付けてくれます。
▲ソースのみが盛り付けられた一皿。お皿は加太の陶芸家によって手掛けられた器を使用
▲身が厚く、味わい深いコウイカ
▲和歌山市産の足赤エビをグリルで旨味と甘みを凝縮

「エビが香ばしいね」「剥いてくれているから、そのまま食べられる」と、いつにない優雅なBBQに感心しきりのファミリー。「BBQといっても今日はビールではなくワインだね」と、イタリアンなソースでいただくBBQに、ソムリエの旅田さんのおすすめの和歌山産白ワインがすすみます。
▲贅沢素材、アワビのやわらか煮は、ソースノイリープラットとの相性が抜群
▲コリコリ心地よい食感のサザエ。美しくカットされ、自分で身を取り出す苦労もありません
▲目の前で食材を次々と焼いてくれるシェフ。その繊細な焼き方に魅了されます
加太と目と鼻の先にある友ヶ島周辺ではマダイがよく獲れ、年間を通して水揚げされます。この日は新鮮な大ぶりのマダイがテーブルに登場。さばいたタイを豪快に串焼きにし、イタリアンのエッセンスを効かせた温かい鍋メニューに仕上げてくれました。
▲加太といえばタイ!
タイと野菜のだしが優しく深いハーモニーを奏でるイタリアン鍋が完成。野菜はイタリアのサヴォイキャベツやシイタケ、ジャガイモなど。タイの串焼きには塩とわさびが添えられ、味わい方は自由自在。ふっくらとした身に上品な脂がのっていて、どんどんお箸が進みます。
〆にはクリーミーなタイだしのリゾットを。こちらにも生ウニをたっぷり載せていただきました。こんなに海の幸を贅沢に味わえるのは、漁港町ならではですね。
▲生ウニの鮮やかなオレンジ色を、加太の陶芸家が手掛けた器が引き立てます

ここまでのコース料理でお腹はいっぱいです。それでもデザートは別腹!デザートは和歌山の「ゆらわせみかん」を使ったパウンドケーキ。BBQの場にふさわしく、ワイルドにいこった炭を押し当てて、キャラメリゼしていきます。甘い香りの煙があがる瞬間を見届けようと、皆がシェフの周りに集まりました。
▲デザートもBBQの手法でアレンジ
爽やかな由良早生ミカンの香りとほろ苦いキャラメリゼの風味が、華やかに広がるパウンドケーキ。幸せな一口です。

山田シェフの感性と加太の食材が出会い、作り上げられたイノベーティブなコースに、こんな新しいBBQの形があったとはと、感嘆と満足のため息をつくファミリーでした。
▲メニュー表と和歌山県産のレモンを使ったクッキーがお土産に

メニュー表を持ち帰るための封筒にはその日の消印が入っていて、クッキーが入れられているのはRiVi特製の巾着袋。一つひとつの心配りから特別な日を感じます。家に帰ってもおいしく楽しかった思い出話に花が咲きそうです。
▲シェフとソムリエと記念にパシャり

スペシャルな1日を終え、「和歌山市の魅力、特に加太の魅力をしっかり味わえて感動した」と振り返ります。「訪れたその土地のことを知ってから、土地ならではのグルメをいただくのは、こんなに愛着がわくものなのだなと思いました」と皆で顔を合わせてしみじみ。

「手の込んだコースをいただいて非日常を堪能しましたし、いい食育の機会になりました」と大満喫した様子のお母さんは眩しい笑顔です。子どもたちは「タイが大きかった!」と、海辺のBBQの豪快さが印象に残った様子です。「今日はせっかくだから温泉に入って帰ろうか」「次は釣りをしてみたいな」と、続く和歌山旅への期待が膨らんでいました。

街歩きと特別なグルメで加太を味わいつくした今回の旅。素材を活かしながらも斬新さを感じさせた料理のスタイルと同じく、新しい加太の魅力に触れた1日となりました。
本ツアーは「令和3年度 観光庁 地域の観光資源の磨き上げを通じた域内連携促進に向けた実証事業」の一環として実施されたモニターツアーになります。

【ライター情報】株式会社Crop

和歌山で記事や映像など制作業務をしている女性中心のチームです。和歌山取材ならグルメ、観光、スポーツ、医療など何でもお任せ。ネタ出しから行います。

ぐるなび ふるさと納税のお知らせ

大阪市内から電車で1時間ほどの和歌山市は、『ミシュランガイド京都・大阪+和歌山2022』掲載店も数多くあり、美味しい海鮮が味わえる町です。
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ぐるたび編集部

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