“湖のくに=滋賀”が生んだ新名物「湖のくに生チーズケーキ」

2015.09.23 更新

利き酒ならぬ“利き酒粕”を楽しめる逸品があります。滋賀県東近江市にある「工房しゅしゅ」が作る「湖のくに生チーズケーキ」は、日本酒づくりの過程で生まれる「酒粕」を使ったスイーツ。6つの酒蔵の「酒粕」が使用され、蔵ごとの風味が凝縮されています。

▲湖のくに生チーズケーキ【プレミアム】お猪口入り6蔵セット 3,910円(税込)
日本最大の湖、琵琶湖を有する滋賀県。琵琶湖から立ち上る湿気は“発酵”に適した環境をつくり、ふなずしや地酒が特産品として有名です。そんななか、新たな特産品として注目されているのが、2012年に誕生した「酒粕」を使ったスイーツ。

クリームチーズと酒粕の相性が抜群で、芳醇な風味を存分に楽しめる「湖のくに生チーズケーキ」です。

酒粕とチーズの発酵コラボレーション

酒粕とは、お酒を造る時にできる米麹の搾りかすのことで、甘酒や漬物などに利用されますが、量が多く、その使い道に頭を悩ます酒蔵も多いといいます。
しかし、酒粕は栄養分に富んでおり、その価値が見直されているのも事実。そこに目をつけたのが、「社会福祉法人あゆみ福祉会」の大野眞知子さんでした。

「社会福祉法人あゆみ福祉会」は福祉作業所を運営。もともと織物を作っていましたが、新事業としてスイーツづくりを始めました。

「最初はお父さんのためのスイーツを作りたいと思って。そこで酒粕にたどり着きました。酒粕との組み合わせは、ガトーショコラなど色々試したんですが、お酒の香りが一番残るのがレアチーズケーキだったんです。酒粕もチーズもどちらも発酵食品だからでしょうか」
▲「社会福祉法人あゆみ福祉会」の大野眞知子さん
当初、酒蔵からは「できる訳がない」と否定されていたそうですが、1年半の開発期間を経て商品化。途中、滋賀で活躍するデザイナーとの出会いもあり、滋賀県全域にある6つの酒蔵の異なる酒粕を使って“利き酒粕”を楽しめるようにと、6種類の生チーズケーキをセットにすることに。

そして、2012年8月に「工房しゅしゅ」を設立し、「湖のくに生チーズケーキ」の販売をスタートさせました。

蔵元による風味の違いを楽しむ

豊かな伏流水に恵まれた滋賀は、各地域によって水質も異なるそう。琵琶湖の東側にある鈴鹿山系はまろやかな超軟水、北側に位置する伊吹山系はカルシウムを含んだ硬水、西側の比良山系では甘みを持った軟水など。

そして、その水は各地で作られるお米やお酒、もちろん酒粕の味にも大きく影響を与えています。個性豊かな6つの酒蔵の酒粕を贅沢に使ったチーズケーキは、その風味の違いが明らかです。
自然の甘さと後味がすっきりとした「萩乃露(はぎのつゆ)・福井弥平商店」、ブランデーのような味わいを楽しめる「浪乃音(なみのおと)・浪乃音酒造」、華やかな香りの「松の司(まつのつかさ)・松瀬酒造」。

濃醇なコクで日本酒好きにおすすめしたい「七本鎗(ななほんやり)・冨田酒造」、さっぱりした香りと口当たりの「喜楽長(きらくちょう)・喜多酒造」、米の粒を感じられるほど甘い酒粕が特徴の「美冨久(みふく)・美冨久酒造」。

「歴史ある酒蔵のロゴを使わせてもらうことに最初はプレッシャーがありましたが、覚悟を決めました(笑)このお菓子を通じて、滋賀の酒蔵巡り気分を楽しんでもらえたらいいですね」と大野さん。

一つずつ食べるのももちろんですが、パーティーなどでまさに“利き酒粕”をするのもオツですよね。

裏に秘められた開発ストーリー

“湖のくに=滋賀”の豊かな自然とそこで育まれてきた文化のなかで、滋賀ならではのお菓子づくりができないか、という想いのもと生まれた「湖のくに生チーズケーキ」。その裏には実はもう一つの目的がありました。

スイーツづくりはもともと、福祉作業所で働く利用者の工賃アップを目指す中で始まったプロジェクトだったのです。
福祉作業所で働く利用者の賃金は、全国的にみて月平均1万3,000円といわれており、障がい者年金と合わせてもとても自立できる金額とはいえません。少しでも彼らの自立につながればと、「工房しゅしゅ」の売上は利用者一人ひとりのために活用されています。

それぞれのお気に入りを

2015年5月に、ショップ併設の新しいファクトリーがオープンした「工房しゅしゅ」。名前の由来は、フランス語で「お気に入りのもの」という意味の「chou-chou」、そして日本語の「酒酒」にも通じているといいます。

製造スタッフの一人はもともと日本酒が苦手だったところ、酒粕を扱い、チーズケーキを食べるようになって、今では日本酒が大好きになったとか。

また、「酒粕は生きている」と蔵人が話すように、酒粕は日ごとに熟成を増し、出来立てと少し時間が経ってからだと、チーズケーキの香りや味わいに変化があり、それを楽しむことができるそう。

2012年に誕生し、翌年には観光庁主宰の「世界にも通用する究極のお土産」にも認定された「湖のくに生チーズケーキ」。これに加え、現在では、ふっくらとした生地の食感となめらかな口どけの両方を実現した「湖のくに焼チーズケーキ」、噛みしめるほどに味わいを増す「湖のくに酒粕ビスコッティ」を展開しています。
▲湖のくに焼チーズケーキ【ながいのん】(6個入り) 1,620円(税込)
▲湖のくに酒粕ビスコッティ(12本入り) 1,327円(税込)
日本酒が好きな方も、そうでない方にもオススメしたい滋賀の絶品酒粕スイーツ。手にした際には、酒蔵と食べるタイミングのお気に入りをぜひ見つけてみてください!
長谷川浩史・梨紗(株式会社くらしさ)

長谷川浩史・梨紗(株式会社くらしさ)

広告出版社を退職後、世界一周、日本一周を経て「くらしさ」を設立。全国各地のモノ・コト・ヒトを伝え、つないでいく活動に尽力している。全国の仕事人に会いに行ける旅「Life Design Journey」も運営。http://lifedesign-j.com/

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