オリーブの島・小豆島。オリーブの恵みで心身を癒す贅沢時間

2015.11.07

国内のオリーブ栽培発祥の地、香川県の「小豆島」。島民のたゆまぬ努力が実り、小豆島のオリーブといえば今では世界でも高い評価を得ているけれど、希少でなかなか口にすることができないもの。それならばと、採れたての新鮮なオリーブオイルの良さに触れるため小豆島へ行ってきました!

瀬戸内海に浮かぶ小豆島に船で渡り、港からしばらく車を走らせていると、早速あちらにもこちらにもオリーブの木が並んでいます。穏やかな海のそばで風になびくオリーブの葉は、銀色にキラキラと輝き、眺めているだけで優しい気持ちになります。
向かう先は「島宿 真里」という旅館。小豆島の歴史、自然、営み全てが宿の中に凝縮されていて、1泊2食付きで23,500~34,000円/1名(1室2名様利用の場合)と少々高級ですが、数ヶ月先まで予約が埋まっている人気の宿です。
実は小豆島に来たらオリーブ料理があちこちで食べられるだろうと思いがちだけれど生憎…。小豆島産のオリーブオイルは200mlで3,500円以上とこちらも高級。さらに発売1ヶ月で在庫切れになることも珍しくないほど希少で、島内の飲食店や宿でもなかなかお目にかかれない食材です。そんな小豆島産オリーブオイルを、「島宿 真里」では思慮深い料理やエステで楽しませてくれるのです。
▲オリーブご飯。10月半ばから5月までと、オリーブが特に美味しい時期に限定して出している
▲エステでは小豆島産オリーブオイルをふんだんに使用

心身をリセットする癒し時間

「真里」でオリーブ料理が出るのは朝食。今宵はゆるりと真里時間を。まずは小豆島産オリーブオイルを贅沢に使ったエステを体験してみましょう。

オイルを使ったエステはフィリピンの伝統的なトリートメント療法「ヒロット」と、主に島で育成されるハーブの精油をオリーブオイルにブレンドしたアロマオイルで施す「アロマ」の2種類が用意されています。どちらも身体の冷えや詰まりを整え、施術後はお肌の潤いが続きます。また、オイルを使わずにタイ古式の技術をベースに疲れを癒す「ラクサ」も。
なお、「真里」は全室わずか7室。全て趣が異なり、お客様の好みや目的などに合わせて選ぶことができます。館内はどこも趣深く、建材一つにも「これは側の醤油蔵で実際に使われていたもので」、「これは建てる前に僕の夢に共感してくれた友人と海岸に拾いに行った流木で」と、物語が詰まっています。
▲特別室「お」の居間
▲「自家源泉」の天然温泉が全室についているほか、内湯が2つ、露天が2つあり、貸切風呂も可能(写真は特別室「お」)

小豆島の食を活かす真里の料理

「真里」の料理は小豆島の食材を活かしたもの。使うだけでなく、小豆島の生産者に寄り添い、食材の可能性に迫ります。

「オリーブご飯のお米も、肥土山に住む生産者3人から声をかけてもらい、真里専用に作ってくれています。そのお米を生産者の希望の価格で買い取って、ありがたく調理をする。そうすることでモチベーション高く作ってくれたら嬉しいですから」と店主・眞渡康之(まわたりやすゆき)さんが話してくれました。
▲自家製の野菜を収穫する店主・眞渡康之さん

「オリーブも、『高尾農園』の高尾君がオリーブ農家を始める時に意見を求めてくれて、そこから高尾君1人で育てて、真里の要望にも気持ち良く対応してくれて」

側にいた仲居さんも「高尾さんはオリーブを渡す時に『真里さんの料理に似合うクオリティにしました!』って堂々と言ってくれて」と嬉しそう。
▲「高尾農園」のオリーブ果実を、「真里」で新漬け(塩漬け)にしている

いよいよ真里の人気料理「オリーブご飯」とご対面!

一夜を過ごし、いよいよ朝食。竹籠に入ったお料理と土鍋が運ばれてきます。土鍋の蓋を開けると、宝石のように輝くオリーブがころんと中央に並び、しゃもじでかき混ぜるとお出汁の香りが鼻をくすぐります。
▲オリーブご飯を楽しみに泊まりに来る人も多い

お茶碗によそってもらったオリーブご飯を頬張ると、オリーブの味わいがふわりと口の中に広がります。おこげが良いアクセントに。

側に高尾農園のオリーブオイルが置かれていて、「かけてお召し上がりください」と仲居さん。香りも味わいもマスカットのように甘く華やかで、果実味溢れた素晴らしいオリーブオイルです。これをひとかけするとぐっと風味が華やかに。見た目も艶やかになって食欲を誘います。
▲まずはオリーブオイルをかけずに食べ、その後でオリーブオイルをかけて風味の変化を楽しもう。10月半ばから11月半ばまでは無ろ過、11月半ばからは、ろ過済みのオリーブオイルが出てくる

炊きたてご飯にオイルをかけるとこんなにも美味しいとは!この味わいは、オリーブオイルそのものが良いからこそ。

オリーブ生産者を訪ねて、搾りたてオリーブオイルを味比べ

オリーブご飯を堪能したところで、このオリーブを育てる「高尾農園」へ。一週間以上前に連絡し、当日に雨が降らなければ見学ができます。見学にお勧めの時期は何と言ってもオリーブの収穫時期。今年は10月10日から11月中旬を予定しています(毎年変動)。
▲オリーブを収穫する「高尾農園」の代表・高尾豊弘さん

オリーブは収穫後すぐに採油作業に入ります。選別、洗浄、粉砕、練り込みと、いろんな工程を経て、収穫の1~2時間後にはオリーブオイルになります。

収穫が終わったと連絡を受けて採油場へ向かいます。
▲採油場。採油している様子をガラス越しに見ながらオリーブオイルを味比べすることができる

扉をあけた瞬間に爽やかなオリーブの香りが出迎え、中では「高尾農園」の代表・高尾豊弘さんが真剣な眼差しでオリーブオイルを採っていました。片時も採油機から目を離すことなく、細やかに調整しています。
▲採油は品質を大きく左右させる重要な工程
▲オリーブオイルを入れる容器は全てステンレス製という徹底ぶり。品質を保ち、異物混入を防ぐことができる。「容器全部合わせると、採油機より高いよ(笑)」

数分後、高尾さんが朗らかな笑顔で絞り出したばかりのオリーブオイルを持ってきてくれました。まだ濁っていて、香りからもピリッとした辛味を感じます。口に含むと濃厚な辛みと旨み、そしてほろ苦さと蜜のような甘みが広がり、後味はさっぱり。
▲採れたてのオリーブオイル。味わい深くて後味すっきり。ジュースと言える美味しさに感動!

「このルッカという品種をろ過したのがこれ。別のミッションという品種は…」と、高尾さんが様々なオリーブオイルの違いを説明してくれました。それぞれ香りも味も違っていて、持ち込んだアイスにかけると味わいの違いが明らか。まさに調味料です。そして何より油というより搾りたてのジュース!なんて美味しいのだろう。
▲見学当日に採油場にある様々なオリーブオイルを味比べすることができる。パンや生ハム、アイスなどの持ち込みも可能

「採れたてのオイルを味わって、買いたいという人には、特別にろ過をしていないオリーブオイルを詰めて渡しているよ」と高尾さん。採油後にろ過をしていないものは、オイルの中に微粒子(果肉のかけら)が含まれていて、より豊かな味わいを楽しむことができます。ただし、本当に美味しい無ろ過のオリーブオイルはなかなか出回らないものなので、このスペシャル感が嬉しい!
▲採ったオリーブオイルはわざわざイタリアで理化学検査と官能検査(パネルテスト)にかけ、正式にIOC(International Olive Council:国際オリーブ理事会)基準を満たしたエキストラバージンオイルを販売している

ちなみに、「高尾農園」のエキストラバージンオリーブオイルは、ニューヨークの品評会で2015年、世界中から集まった約700点のオリーブオイルの中でBEST IN CLASS(金賞の上)に選ばれているんです。

なお、農業なので見学当日に採油ができるかどうかはお天道さま次第。商品がない時もあれば、高尾さんの手が離せない時もあります。ご了承の上で、ぜひ訪ねてください。これまでのオリーブオイルのイメージを覆すほどの感動は、はるばる来る価値がありますよ!
黒島慶子

黒島慶子

醤油とオリーブオイルのソムリエ&Webとグラフィックのデザイナー。小豆島の醤油のまちに生まれ、蔵人たちと共に育つ。20歳のときに体温が伝わる醤油を造る職人に惚れ込み、小豆島を拠点に全国の蔵人を訪ね続けては、さまざまな人やコトを結びつけ続けている。 (編集/株式会社くらしさ)

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