奥能登「二三味珈琲cafe」。珈琲豆専門店が作ったおいしいケーキと珈琲が味わえる、とっておきのカフェ

2015.10.17

2001年に珠洲(すず)・木の浦海岸の舟小屋に開店した「二三味(にざみ)珈琲焙煎所」。それから7年後、お客さんからの「この珈琲をゆっくり味わえるお店を」の声がきっかけとなり、オーナーが10代の頃に夢に描いたお店「二三味珈琲cafe」を開店しました。

定番は開店以来変わらない「二三味ブレンド」

「二三味珈琲cafe」の人気NO.1ブレンドは、深煎りで苦味、香りの強い「二三味ブレンド」。深煎りでホットでもアイスでも美味しく飲める、オリジナルのブレンドです。
▲ブラジル、パプアニューギニア、タンザニアの豆をブレンドした「二三味ブレンド」 豆200g 920円(税込)
「豆に力がないと深く煎れないんです」と、オーナーの二三味葉子(にざみようこ)さん。全国にもファンが多く、心落ち着く深い酸味と飲んだ後にも残る芳醇な味わいに、体が温まるような余韻が感じられます。
▲淹れたての二三味珈琲 好きな珈琲一杯500円おかわりは250円(ともに税込)
同じ豆でも季節や年によって、香り・味・酸味は少しずつ変化します。その度に配合を調整しながら作り出す二三味珈琲のブレンドはブレがなく、飲む人の心を落ち着かせ、それは二三味さんの芯のある人柄をそのまま味わうようです。
▲「二三味珈琲cafe」オーナーの二三味葉子さん(焙煎所にて)
二三味ブレンドの他にも「いいなぎ」、「舟小屋」(共に200g税込920円)、「日置き」「てっかまっか」「さいはてにて」(3種とも200g税込1,030円)の5種類のブレンドがあります。
▲煎り立ての「いいなぎ」。コロンビア豆をベースに穏やかな海をイメージして作られたブレンド。中煎りですっきり爽やかな味わい

美味しい珈琲の味わい方

カフェの中に入ると目に入るのが、作家もののインテリアの数々。店内には二三味さんが気に入ったアーティストの置物や絵画が飾られています。
▲白い漆喰壁に梁、ところどころに木を使った暖かみのあるインテリアの店内
▲ドアに飾られた、可愛らしいオブジェ
そしてカップやお皿は全て九谷焼きという、珈琲と共に芸術も味わえるカフェでもあるのです。この日は、やや深煎りの「エチオピアウェテナチュラル」をセレクト。ナッツのような香りとマイルドさが口の中に広がると同時に、ビターチョコレートのような苦みが大人な気分にさせてくれます。
▲九谷焼のカップに注がれた珈琲500円(税込)
家でもここの豆を使っている私は、珈琲から感じるワインのような香味や、シナモンのようなスパイシーな甘み、マンゴーのようなとろりと舌に残る甘みというものを、二三味珈琲と出会って初めて知りました。

それまでは苦い飲み物と思っていた珈琲を飲んで、「鼻に抜ける香りが甘い」などと思うとは、まるで新しい飲み物との出会いでした。
▲もくもくと膨れあがる泡は新鮮な豆ならでは

二三味レシピの日替わりケーキを珈琲とともに

珈琲と一緒にぜひ味わってほしいのが、ケーキ職人だった二三味さんオリジナルレシピの手作りケーキ。この日のケーキは、バナナとパイナップルのココナッツタルト、フルーツロール、珈琲チーズケーキ(全て1カット税込350円)。

ココナッツタルトは人気で、夕方にはなくなってしまうこともしばしば。
▲バナナとパイナップルのココナッツタルト
フルーツロールは、しっとりしたシフォン生地にヨーグルト入りのクリームが爽やかな酸味で、ゴロゴロと入ったキウイやイチジク、桃等の果物と最高の相性です。
▲フルーツロール
そして、珈琲屋ならではの珈琲チーズケーキは、甘さ控えめのこっくりとしたレアチーズケーキ。口に含むと珈琲の香りが甘く広がり、珈琲の風味にも負けない濃いチーズに大満足。二三味さんのレシピはスイーツ好きたちの心をわしづかみにします。
▲珈琲チーズケーキ

パティシエから自家焙煎の道へ

子供の頃に食べたバタークリームで出来たバースデーケーキが嬉しくて「味は美味しくなかったけれどずっと心に残っていた」という二三味さんは、中学2年生の時にテレビで見たケーキ職人が作るウェディングケーキを見て、これだ!とときめいたそう。

高校卒業後、大阪の製菓学校に通い、大阪のケーキの美味しさに衝撃を覚えます。また、授業で初めて飲んだ自家焙煎の珈琲の美味しさにも驚き、「能登ではこんなに美味しいケーキにも珈琲にも出会ったことがない。いつか能登に美味しいケーキと珈琲が飲めるお店を作りたい」とケーキ職人の道へと進みました。

その後、金沢のケーキ屋さんで4年間働くも、やっぱり珈琲をやりたいと上京。日本のスペシャルコーヒー界の草分けである「堀口珈琲」の堀口さんと出会ったのをきっかけに、4年間の修行を経て、2001年に珠洲・木ノ浦の舟小屋で「二三味珈琲焙煎所」を開店しました。
それから7年後の2008年7月、お客さんからの熱い期待に応えてついに、珠洲市飯田町に「二三味珈琲cafe」を開店させたのです。
▲倉庫を改装したカフェは前面がガラス張りでテラス席もある開放的なスペース

珠洲・木ノ浦海岸の朝は、凪いだ海と珈琲の香りに包まれる

カフェから海に向かって車で20分ほどの木ノ浦海岸は、透明度の高い海と入り組んだ岩礁地帯が広がる海域公園です。そして、公園内の海を目の前にした場所にある舟小屋が、二三味珈琲の焙煎所。

ガラガラと舟小屋の木戸を開けると熱気と共に焙煎機の音が鳴り響き、10カ国ほどの国々からやってきた珈琲豆の袋が並び、中から生豆がのぞきます。
▲二三味珈琲焙煎所
選び抜かれた各国のストレート珈琲も、それぞれに柑橘系の酸味や洗練された華やかな味わいがあるので、焙煎が落ち着く午後に行ってその日のおすすめの豆を聞くのもひとつの買い方です。
▲焙煎機は約204度で豆を焼く
実は二三味さん、2015年2月に公開された映画「さいはてにて やさしい香りと待ちながら」で珈琲指導を担当しました。
焙煎所では豆の販売のみで飲食スペースはありませんが、目の前の海を眺めながら、焙煎の香りに包まれて家で淹れる珈琲を思うひとときを過ごすのも、映画のシーンを彷彿とさせます。
▲映画「さいはてにて」の舞台にもなった木ノ浦海岸。映画のセットが今も残っています
能登に来たら、美味しいケーキと珈琲を味わいに「二三味珈琲cafe」へ。そして気分に合った豆を買って帰ることをおすすめします。旅から帰ったら珈琲を淹れて、やさしい香りで能登の旅を思い出すひとときを。
中乃波木

中乃波木

東京に生まれ、幼少期はインドネシア、芦屋と移り住む。13歳の夏に母と二人で能登に移住したことから能登の原風景に魅了される。美大卒業後、広告制作会社amanaに入社。アシスタントを経て独立後2007年に写真集「Noto」を出版(FOIL刊)。2010年より季刊誌「能登」にてフォトエッセイ大波小波を連載中。写真家としての活動を軸にイラストレーター、ライター、ムービーカメラマンとしても活動している。(編集/株式会社くらしさ)

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