大分県佐伯市の郷土料理「あつめし」。漁師のまかないめしは抜群の旨さ!

2015.11.12 更新

九州一の面積を誇る佐伯市は、海に面したエリアも多く、上浦、佐伯、鶴見、米水津(よのうづ)、蒲江をつなぐリアス式海岸の総延長はなんと、約260km。これらの漁業の盛んな漁師町に根付く郷土料理「あつめし」は、仕事の合間に船上で食べる、新鮮な魚をタレに漬け込んだ漁師のまかないめしです。

簡単、男の料理「あつめし」とは?

漁師たちは海に出ると食事も船上で取りますが、メニューはもちろん魚。釣れたばかりの新鮮なアジやサバ、ブリなどをさばいて海水でさっと洗い、一口大に切ったものを醤油ダレに漬ける。これをご飯に乗っければ、「あつめし」の出来上がり。

なんとも、シンプル。しかし、鮮度抜群の魚をいただく、船上ならではの、贅沢極まりない一皿なのです。

「あつめし」の由来は、炊きたてのあつあつのご飯に、魚の漬けを乗っけることから付けられたそうで、漢字では「温飯」と書きます。

さらなるお楽しみは、ある程度食べたら熱々のお茶を注いで、お茶漬けで食べるというもの。生魚の身が締まり、異なる食感を味わうことができるのです。

ご当地グルメの揃った直売所

そんな漁師めしである「あつめし」を味わえるお店の一つが、「鶴見農水産物直売所」のレストランです。
▲鶴見漁港に近い農水産物直売所。活魚・貝類から加工品まで、佐伯ならではの土産物が揃う

ここの「あつめし丼」は、直売所直結とあってぷりぷりの新鮮なブリがたっぷりと乗っています。味が付いているのでそのまま食べてもよし、添えられたあつめしのタレをかけると、ますます味が濃厚になり、食が進みます。ぷりぷりのブリを楽しんだら、残りはお茶を加えてお茶漬けにすると、サラサラっと一気に完食。ふたつの食べ方を楽しめる、ボリューム満点の丼です。
▲あつめし丼(税込900円)

他にも、ブリカツ丼、車海老天丼、水の子塩ラーメンなど、思わず食べたいと思わせられるメニューの数々に、誰もが頭を悩ませるはず。でも、まずは「あつめし丼」から!そして、何度でも足を運んで、漁師イチオシのうまいもんを食べつくしてみてください。
本場の「あつめし丼」を堪能したら、直売所でお買い物!
▲鶴見農水産物直売所のスタッフの皆さんが笑顔でお出迎え!

鶴見農水産物直売所には、海のまちならではのお土産物や加工品が並びます。一番人気は、1個100円(税込)の「すりみ」で、1日に800個を完売するそう。すりみの揚げたては、午前中には完売するとのことなので、お早めに!
▲直売所に併設された加工場では、毎日800個の「すりみ」が作られる

また、「あつめし丼」の味の虜になった方は、お土産用に「あつめし」の具材やタレを買って帰ることができます。

鮮度の良さをそのまま食卓へ

元が漁師のまかないめしである「あつめし」は、大分県の一般家庭で食べられてきたわけではありません。それが昨今、居酒屋のメニューになったり、加工品として店頭に姿を現したりするようになってから、家庭でも食べられるようになりました。

本来はアジやサバなどを用いた「あつめし」ですが、最近は地元佐伯でも「あつめしは“ブリ”」と思っている人が多いのです。それは、「やまろのあつめし」による影響が大きいと考えられます。
▲「やまろのあつめし」100g×2袋入り(税込1,080円)

「やまろのあつめし」は、新鮮なブリをあつめしのタレに漬けた加工品。ブリの養殖が盛んな佐伯市で年間を通じて手に入るブリを使用した加工品のあつめしとして、初めて商品化されました。養殖ブリは味が安定しているため商品にしやすく、販路拡大に一役買っているというわけなのです。
そして、「やまろのあつめし」の美味しさの秘密がもうひとつ。

漁獲して血抜き後、〆られたブリをタレに漬け真空包装にします。その後、「ブライン凍結」と言われる急速凍結(通常凍結の6倍の速さ!)をすることで食品の品質を最大限に保っているので、とれたての味、作りたての味を味わうことができるのだそうです。

あつめしのタレは万能調味料

「うちの女房が作る『あつめし』は作るたびに味が違うんで、料理長をやってる友達に頼んで、いつも変わらない味が欲しいと、『あつめし』のタレを作ってもらったんよ」

お話を伺ったのは、米水津で水産加工会社を営む「やまろ渡邉」会長の渡邉正太郎さん。「やまろのあつめし」の開発者であり、実は「鶴見農水産物直売所」の運営をしているのも渡邉さんなのです。
幼い頃から漁師の船に乗って、遊びながら漁師の仕事を覚えたという渡邉さんが、幼い頃に船上で食べた「あつめし」の味を再現したいと、「あつめしのたれ」を開発したのが10数年前。

「一升瓶の濃口醤油を三分の一減らして、その分の砂糖を入れて発酵させたものを、いつも船に乗せていたんよな」

九州の醤油は甘いといわれますが、「あつめし」のタレはさらに甘いのが特徴で、熱々の白いご飯には、甘ダレの絡んだ魚がよく合うのです。
▲やまろ「あつめしのたれ」360ml(税込540円)

渡邉さん曰く、「あつめしのたれ」は煮魚や和え物の調味料や、ドレッシングとしても使える万能醤油ダレ。「あつめし」のみならず、どんな料理も美味しくしてくれる優れものなのです。

最後に、お土産で買って帰った際の「あつめし」をより美味しく食べる方法をご紹介。基本の薬味として、ネギ、生姜、海苔を乗せますが、我が家では、季節によってミョウガ、大葉などを入れ、納豆やオクラなどの粘りものを加えることもあります。

直売所レストランで「あつめし丼」を味わうもよし、「やまろのあつめし」を買って帰って自分好みの食べ方を見つけるもよし。佐伯の漁師めし「あつめし」をぜひお試しください!
そめやひろこ

そめやひろこ

大分県在住。ライター、エディター、デザイナー業を経て、現在はオーガニックカフェを営む。大分の自然、温泉、うまいもんと人が好きで、大分の魅力を発掘する日々。 (編集/株式会社くらしさ)

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