茶の湯文化が根付く町・松江の「湯町窯」で民藝デビュー!あたたかみのあるデザインが魅力

2015.11.01

江戸時代から「茶の湯」の文化が根付く、島根県松江市。ここは、かつて松江藩の御用窯だった窯元が点在する、優れた焼き物の産地です。中でも玉造温泉駅の近くにある「湯町窯」は、モダンでありながら親しみやすいデザインで20代~30代の若者にも人気!現代のライフスタイルにマッチする「湯町窯」の器の魅力をご紹介します。

▲様々な柄が楽しい「湯町窯」の器たち

日々の食卓にすっと馴染む、民藝初心者にもおすすめの窯元

「湯町窯」の器は筆者も大ファンで、自宅でいくつか愛用しています。その一番の魅力は、日常生活や、日々の食卓にすっと馴染んでくれるところ。それでいて、味わいと存在感があるので、料理をより美味しく見せてくれるのはもちろん、食器棚に並べているだけでハッピーな気持ちになれます。
▲食卓で大活躍する小皿。色柄が豊富で、コレクションしたくなる

地元・松江では、「湯町窯」のカップでコーヒーを出す喫茶店も多く、町中でもよく見かけます。それもそのはず、「湯町窯」のカップでコーヒーを飲むと、なんだかいつもより美味しく感じてしまうのです。

一言で言うと「コーヒーが似合う!」。肉厚のカップを手で包み込み「ホッ」と一息…。器のかわいさに惚れ惚れしながらのコーヒータイムとなること必至です。
▲飲みものが冷めにくい肉厚のカップ

伝統工芸品でありながら親しみやすい「湯町窯」の器

「湯町窯」の創業は1922年(大正11年)。松江藩7代藩主であり江戸時代を代表する茶人であった松平治郷(はるさと)、通称・不昧(ふまい)公が広めた「布志名焼」(ふじなやき)を継承する窯元の一つです。

島根県内で伝統的な材料や製法を用いて作られる「島根県ふるさと伝統工芸品」にも指定されている由緒ある窯元ですが、堅苦しいイメージはなく、日常生活に馴染む親しみやすいデザインが多いのが特徴。
▲工房併設の店舗はほっこりする雰囲気

「伝統工芸品」と聞くと、高級で普段使いにはもったいないのでは?と感じる人もいるかもしれませんが、「湯町窯」の器は1,000円~3,000円代のものも多く、日常生活に取り入れ易いのも魅力です。

ぽってりとした形のモダンなデザイン、黄・青を主とするやさしい色合いは、どんなライフスタイルにもマッチし易く、買って帰ったその日から毎日活躍してくれます。
▲窯元ならではの品揃え!手仕事の器は一つひとつ表情が違う

地元の粘土・釉薬が生み出す独特の色合い

「湯町窯」の器は、島根県内で産出された粘土と釉薬(ゆうやく)を用いて作られます。県内で採取される石を原料とした黄釉(きぐすり)は、味わいのある黄土色を生み出します。まるで香ばしく焼けたパンのような、美味しそうな色をしています。
青色の元となっているのは海鼠釉(なまこゆう)と呼ばれる釉薬で、藁の灰が原料となっているそうです。深みのある藍色や、クリームがかった水色など、表情豊かな「青」も「湯町窯」の器の顔といえるでしょう。
▲取材時に頂いたお抹茶と和菓子。器が良いと心まで満たされる

バーナード・リーチ直伝の技を受け継ぐ

昭和初期に、民藝運動の中心人物である河井寛次郎氏、浜田庄司氏、バーナード・リーチ氏らが「湯町窯」を訪れました。その際、現在窯主の福間貴士さんは、父・福間琇士さんと共に、イギリスの伝統装飾「スリップ模様(スリップウェアー)」の手法などをバーナード・リーチ氏から直接教わったそうです。
▲店内には当時の写真が飾ってある

「湯町窯」の代表的な器の一つである「エッグ・ベーカー」も、バーナード・リーチ氏のアドバイスから生まれたもの。中に卵を割り入れ、直火やオーブンにかければ、フライパンで作るものとはひと味もふた味も違う、トロッとした目玉焼きが作れます!
▲エッグ・ベーカーは50年以上のロングセラー

自分だけのお気に入りを見つけて!

筆者は「湯町窯」の大ファンということもあり、3か月に一度は訪れますが、その度に並んでいる器が違って見えるのには驚きます。一点モノの宝庫なんじゃないか?というくらい、一つひとつが個性的で、全て表情が違うのです。
▲最近発見した壷。絵本から飛び出してきたようなユニークな形

買った器をSNSにアップすると、決まって女子たちからの反応が良いので、プレゼントやお土産にもきっと喜ばれるはず!(実は筆者もプレゼントとして頂いてからハマりました)

「焼き物とか民藝とか、よく分からないし知識もない」そんなふうに感じている人こそぜひ松江を訪れて、民藝の魅力に出会ってほしいです!日常生活がこれまでよりちょっと豊かに、贅沢に感じられる素敵なアイテムがたくさん。あなたも「湯町窯」で民藝デビューしてみませんか?
賣豆紀有加里

賣豆紀有加里

島根県在住のグラフィックデザイナー。島根県の観光情報サイト、フリーペーパーなどでライターも務める。山陰のおいしいもの・楽しいこと・素敵な場所を発掘するのが趣味。(編集/株式会社くらしさ)

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