浅草ですだれ作り体験/クリエイター女子が行く!Vol.9

2015.11.27

こんにちは。フリーでイラストレーターをしています五島です。「ものづくりに興味はあるけどどこで体験できるのか分からない、なかなか行動に移せない……」この企画は、そんな悩めるあなたのために、クリエイター女子を代表してわたくしが全国各地で「ものづくり」を体験しまくります。そして、ものづくり体験の思い出を描き下ろしのイラスト付きでお送りします!前回は浅草で飴細工を体験してきました。さてさて、今回はどんな体験ができるのかな…?

▲じゃん。朝顔のツルがにょきにょき

前回に引き続き、今回も浅草が舞台です!
浅草というと雷門や仲見世通りなど、古き良き日本を身近に感じることのできる街として有名です。
そんな場所で今回は、すだれのランチョンマット作りを体験しちゃいます。

この香り、竹の香り

皆さん「すだれ」はもちろんご存知かと思いますが、どうやって作られているかと聞かれると答えられない方が多いのでは?
かく言う私もその内のひとりです。

なんとなくのイメージだと、竹を切って、並べて、なんかこう、でっかいミシンみたいなものでガーッと編んでいるみたいな、そんな感じだと思っていました。(漠然としすぎ)


百聞は一見に如かず!ということで、本日は浅草にある「田中製簾所」さんにお邪魔いたします。
体験施設というよりは本格的な職人さんの工房そのものです。どきどき。
▲窓にもすだれ発見!

中に入ると、まず感じるのは竹の良~い香り。
今まで意識して竹の匂いを嗅いだことが無かっただけに、ああ、これが竹の香りなのか!となんだか衝撃を受けました。
木とも藁とも違う、竹だけの香りがあるんですね。

そして壁面や床には積み上げられた大量の竹!竹!竹~!!
▲様々な太さに割られた竹
▲色にも微妙な違いがあります

稚拙な表現ですが、渋くてめっちゃかっこいい……。
こんな私がふらっと足を踏み入れて良かったのでしょうか。

見学もほどほどに、今日お世話になる師匠の田中さんにご挨拶です。
▲お邪魔します、よろしくお願いします!

ザ・職人!といった風貌の師匠。

師匠「はい、どうぞよろしく。今日はランチョンマットを一枚作っていただきますよ。ちょっと大変だけどね、まあとにかくやってみましょう」

作り方も知らずに来てしまいすみません……。
師匠のお手本をしっかり見て、がんばります!

トンカントンカン、リズム良く

▲馴染みのない道具が
▲見本の作りかけすだれランチョンマット

師匠「すだれは、糸を巻き付けた重りを使って作ります。この糸の上に竹を置いて、一本一本編み込んでいく。使う竹は大体70本くらいかな。作業としては単純だよ」

へえ!すだれって手作業で一本ずつ編み込んでいたのか!それを70本分繰り返すって……あれ?これものすごい手間のかかる作業なのかもしれない。察してしまったぞ。

まずは師匠が、少しだけお手本を見せてくれます。
▲トンッ、カンッ、トンッ、カンッ

片手で竹を押さえながら、もう片方の手で勢いよく重りを前後交互に投げていきます。
重り同士のぶつかる音が均等に鳴り響き、手作業とは思えない速さで竹が編み込まれていく。
師匠が、「危ないから少し離れていて」と言った理由が分かりました。
この重りがぶつかったら絶対痛い!そのくらいのスピード感なのです。

いやはや、これぞ職人芸……。

師匠「最初からスピードは出せないよ。いきなりぶん回さなくていいから、自分のやり方が見つかるまではゆっくりやってみてください。さあ、はじめましょうか」
▲レッツ、チャレンジ(不安)
▲えっと、竹を置いて、重りを……

私、気づきました。これ明日筋肉痛になりますね、間違いない。
まず竹を押さえる左手にはしっかりとした力が必要で、右手にはずっしりとした重りの感触。さらに立ちながらの作業。

師匠の身体がものすごくたくましいのは、そういうことだったのか!

何より緊張によって全身に力が入りっぱなし。
はじめは重りを使うリズムもバラバラで、少しずつ竹がずれてしまいます。
▲くうう~! むずかしいぜ

師匠「均等に編んでいるつもりでも、慣れないうちは竹がななめになっちゃったりするんだよね。あまり考えすぎずに、大体の感覚をつかんでいきましょう」

一見ちょっぴり怖い人に見える師匠(すみません)ですが、実はとても優しくて、困っているとすぐに声をかけてくださいます。

そうだ、はじめから簡単にこなせちゃうなんて、つまらない!
少しづつコツをつかんでいけばいいんですね。

わたしのペースを崩さずに

▲ゆっくりしっかり真剣に

10本くらい編んだあたりから、なんとなくリズムが分かってきました。
すると力を入れすぎていた部分が見えてきて、徐々に効率良く作業が進んでいくんですよね。人間って学ぶ生き物だ……と改めて実感。

この繰り返しの地道な時間は、パズルを組み立てていくような気持ちよさがあります。
じんわりかく汗が心地よい。

実際に体験しないと、こんなに一本一本の竹を見つめることも無かったんだろうなあ。
今日この時間を境に、これからすだれを見かける度、なんだか嬉しくなるんだろうなあ。

ものづくり体験は、もので溢れるこの時代の在り方やありがたさを教えてくれるような気がします。

あーだこーだ考えているうちに、どんどん形になってきました。
▲ずらーっと並ぶと圧巻です
▲すっかり日も暮れました

師匠「ここの良いところは、実際に職人が作るのと同じ道具、同じ過程を体験できることだと思うよ。体験用に用意したものじゃなく、本当の仕事の苦労や楽しさを感じることができる。同じ作業の繰り返しになるけれど、なかなか経験できることじゃないからね」

どんなものにも、できあがるまでにドラマがある。
いやあ~かっこいいなあ。

トンッ、カンッ、トンッ、カンッ。
ゆっくりではありますが、一定のリズムで編めるようになりました。
▲ああ、肩凝ったー!あともう少し
▲ラスト2本デース

大事にするのが大事なこと

最後の最後まで丁寧に、を心がけ、しっかりと編み終わりました。
時折師匠にじーっと見つめられ、的確なアドバイスをいただいたお陰で、かなり綺麗な仕上がりになったのではないでしょうか。
▲ぱんぱかぱーーーん!

どうですか? 竹の風合いも相まって、なかなか渋くてかっこいいでしょう!
この上に陶器のお皿と和菓子なんて乗せたら、それはそれは素敵な時間が過ごせそうです。

最後に両脇の長さを、びっくりするほど大きなハサミで整えます。
▲定規で線を引いて、ジョキッ

ザクザクザクザク!快感。
おせんべいを食べているみたいな音がして、切れ味抜群で、永遠に切り続けていたい。ハマりそう。
にしても、こんなに大きくて重いハサミはじめて持ちました。
▲細かいズレは師匠が修正してくれます

師匠はフリーハンドで簡単そうに切っていきます。さすがとしか言いようが無い……。

こうして、ついについに、完成!
じっくり時間をかけたかいあって、大満足の出来です。
▲あーもう絶対に大切に使う!

師匠「お疲れさまでした。作り方もなにも知らなくても、逆に先入観が無い分、のびのびと作業を楽しめましたかね。こうして実際に体験することで、若い人達もものづくりに親しみを持ってもらえると嬉しいですね」

師匠がたまーに見せてくださった笑顔を、私は忘れません!
▲師匠、ありがとうございました

食べ過ぎ注意

翌日早速、いただきもののケーキを乗せてみました。
▲麗しいーーーー

ひゃー!洋風なケーキにもとっても合う。
一気に大人っぽく、華やかな雰囲気になりました。
和食はもちろん、どんな食材でも美味しさを引き立ててくれそうです。

「このランチョンマット、手作りなんだよ!」って、言いたい。
誰かに言いたい。言わせてくれ。
▲いただきまーす!

なんてことないお茶の時間も、手作りランチョンマットで幸せ倍増。

たくさん食べ過ぎないように気をつけなくっちゃ……。

きょうのいちまい

五島夕夏

五島夕夏

桑沢デザイン研究所卒業。学生時代ロシアの絵本に大きく影響を受け、絵本画家を志す。現在はサロンのレセプションをしながら、イラストレーターとして活動中。

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