紅葉に染まる!祈りの聖地・吉野山で、錦秋の空中さんぽ

2017.10.20

全国屈指の桜の名所であり、山岳信仰の聖地、奈良・吉野山。10月中旬に桜の葉が赤く色づきはじめた後、11月に入ると、追いかけるようにモミジが色鮮やかに染まり、山全体が赤や黄、オレンジに彩られます。山で愛でる紅葉は、町中で見るよりも清々しくて荘厳。天気によっては山肌に沿って霧が立ち込め、幻想的な風景と出会えることも。清浄な土地だからこそ、特別な紅葉狩りが楽しめるのかもしれません。さぁ、秋の吉野山へ出かけましょう。

▲奥千本から望む吉野の町並み(写真提供:吉野山観光協会)

古くから愛される歴史深い信仰地

豊臣秀吉が総勢5,000人もの家来を連れて、豪華な花見宴を催したというエピソードが残るほど、昔から多くの人々に愛されてきた吉野山の桜。一般的によく見るソメイヨシノではなく、シロヤマザクラという品種を主に、約200種3万本もの桜が山の斜面を覆い尽くすように植えられています。秋には、それら桜の葉とモミジが色づき、山全体が紅葉一色に。

吉野山の桜の木は、山の下から山上に向かって、下千本(しもせんぼん)、中千本(なかせんぼん)、上千本(かみせんぼん)、奥千本(おくせんぼん)と呼ばれ、毎年春になると下から順に桜が開花していきますが、紅葉は桜の開花とは反対に、奥千本から下千本へと順に色づいていきます。
そのグラデーションが美しく、雄大な眺めを見ているだけで心が落ち着きます。

山上へは紅葉に囲まれたロープウェイで

▲夜はライトアップされ一層美しく。2017年のライトアップ期間は11月3日~26日(写真提供:吉野山観光協会)
紅葉をまるごと体感しようと、自分の足で山を登るハイカ―も多いですが、おすすめはロープウェイ。この「吉野ロープウェイ」、昭和4年(1929年)に運行開始した現存する日本最古のロープウェイなんです。黄色と青の配色がレトロでかわいいゴンドラに乗りこめば、わずか3分で山上へ到着。グングンと登っていくしばしの間、紅葉のカーテンに囲まれた景色に見惚れ、空の旅を楽しみましょう。

信仰の中心で蔵王権現にお参りを

ロープウェイを降りたら、吉野地方の郷土食・柿の葉寿司や吉野葛の名店が立ち並ぶ参道を上がっていきます。すると、目の前にどーんと現れたのは、世界文化遺産・金峯山寺(きんぷせんじ)の仁王門!

金峯山寺は、修験道の開祖・役行者(えんのぎょうじゃ)が開いたとされる金峯山修験本宗の総本山。役行者が、霊山とされる大峯山山上ヶ岳(おおみねさんさんじょうがたけ)で感得した蔵王権現を、山桜の木に刻んで祀ったのが始まりとされています。以来、山岳修行する修験者や信者らがご神木として桜を吉野山に植えたことで、桜の名所となったそうです。
▲蔵王堂の柱などは自然木をそのまま使用しているそうです
境内に建つ本堂の蔵王堂(ざおうどう)は、東大寺の大仏殿に次ぐ日本で2番目に大きい木造古建築。中に安置されているのは、高さ約7mもある大迫力の本尊・蔵王権現像三体です。秘仏ゆえ通常はその姿を拝むことができませんが、不定期で特別開帳が行われます。
▲室町時代に再建された蔵王堂。国宝に指定されています
▲上千本から紅葉越しに望む蔵王堂(写真提供:吉野山観光協会)

露天風呂で絶景をひとり占め!

金峯山寺を後にし、さらに参道をてくてく。目指すは吉野山でも人気の高い温泉宿「湯元 宝の家(ほうのや)」。人気の秘密は、なんといっても眺望のすばらしさ!
お風呂からも客室からも、山一面に染まる木々を愛でることができます。時間をかけてじっくり紅葉を楽しみたい人には断然、宿泊がおすすめです。
▲こんな絶景そうそうありません。誰にも邪魔されず紅葉狩りを(写真提供:湯元 宝の家)
特に、温泉につかりながら紅葉を楽しめる露天風呂からの眺めは、うっとりするほど。街中で紅葉を見るときは見上げることが多いですが、こちらでは目の前、眼下にも紅葉が広がっているので、上から紅葉を望む、なんてこともできます。

眼前に見えるのは中千本、右手には上千本、その奥には奥千本へと続く壮大な紅葉のグラデーションを大パノラマで鑑賞できますよ。湯けむり越しに紅葉狩りができるなんて、とても贅沢な体験。「ふぅ~、いい湯だぁ」と、思わず声が出てしまいます。
▲露天風呂×絶景=極楽です!(写真提供:湯元 宝の家)
日帰り入浴だけの利用もできますので、歩き疲れた体のコリをほぐすのにもピッタリ。
普段とは違った紅葉の楽しみ方、ぜひここで体感してください。
▲旅情気分が高まる温泉宿
※紅葉の画像は2017年のものではありません。
白崎友美

白崎友美

奈良の編集制作会社EditZ(エディッツ)の編集者。大阪、京都で雑誌や通販カタログなどの制作を行い、現在は居住する奈良県に軸足を置き、奈良の観光関連のガイドブックやホームページなどを制作。自社媒体の季刊誌『ならめがね』にて、「ユルい・まったり・懐かしい」奈良の魅力を発信している。

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