常滑焼の窯元が仕掛ける新たなチャレンジ「TOKONAME」。ティーファミリーと体験型ストアの誕生。
知多半島の西海岸に位置する、焼き物の街・常滑(とこなめ)。900年を越える伝統ある産地で、2014年、用途をお茶に限定しない、ティーポットを中心とした新しいタイプの茶器「ティーファミリー」が生まれました。2015年4月にはティーファミリーを扱う体験型スポットもでき、常滑の街は盛り上がりを見せています。

新しい常滑焼の発信基地で陶芸体験
天井の高い空間には3つの小屋があり、常滑焼の器を販売する「STORE」、陶芸体験を楽しむことのできる「WORKSHOP小屋」、軽飲食を提供する「STAND」に分かれています。


型からはみ出た部分は、木ベラでカットします。



改めて知る、産地の現状
「TOKONAME STORE」を手掛ける、有限会社山源陶苑(やまげんとうえん)の鯉江(こいえ)優次さんにお話を伺いました。
常滑市出身の鯉江さんは、大学卒業後に東京の陶器総合商社に就職。その後、2004年に常滑焼の窯元である実家に戻ります。そこで感じたのが「市場と産地の圧倒的なスピード感の違い」だったといいます。市場がF1カーのスピードだとすると、産地は軽自動車のスピードだと。
そして、鯉江さん曰く、全盛期300軒近くあった常滑焼の窯元は、現在1/3ほどに減少。ここ3~4年で大きなメーカーも3軒なくなり、このままいくと10年後にはさらに減ってしまうという危機感を募らせます。

「こんなにすごい技術を失くしてしまってはもったいない…」
現代のくらしに合わせた、新しい常滑焼
「メンバー全員で『常滑焼の、何を守って、何を刷新するか』ということを徹底的に話し合いました」
その結果、これまで茶器を作るために蓄積されてきた産地の技術と素材を活かして、新しいタイプの茶器が誕生。ティーポットを中心とした「ティーファミリー」です。

丸みを帯びたフォルムとほんわかとしたパステルカラーは、なんだかマシュマロのよう!確かにこの器だと用途が広がりますね。自宅用にはもちろん、大切な方へのギフトにもオススメです。
ちなみに「TOKONAME STORE」のSTANDでは、実際にTOKONAMEの器を使ってドリンクが飲めます。口当たりがとても滑らかで、器を手にした時のすべすべ感もたまりません。

常滑の未来へ向かって
「産地における親から子への技術継承は、残念ながらほぼなくなっています。そんななか『TOKONAME』プロジェクトをやったことで、若い地元の人たちにも興味を持ってもらえていて。これで茶器の技術継承が少しでも行われていけば本望ですね」
そう微笑む鯉江さんの眼差しは、しっかりと常滑の未来を見つめていました。
TOKONAME STORE
愛知県常滑市原松町6-70-2
[営業時間]11:00~19:00
[定休日]水曜日
0569-36-0655
TOKONAME STOREを訪れるイベント
Life Design Journey
TOKONAME STOREほか
2015年8月29日(土)、9月26日(土)、10月24日(土)
※各日ともに13:00~18:00

長谷川浩史・梨紗(株式会社くらしさ)
広告出版社を退職後、世界一周、日本一周を経て「くらしさ」を設立。全国各地のモノ・コト・ヒトを伝え、つないでいく活動に尽力している。全国の仕事人に会いに行ける旅「Life Design Journey」も運営。http://lifedesign-j.com/
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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