夏場の食卓に欠かせない!沖縄生まれの「赤瓦コースター」

2015.08.11 更新

暑くてじめじめする日本の夏。冷たい飲み物を入れたコップが結露して、机がビチャビチャに…、なんて経験のある方も多いのではないでしょうか?そんな煩わしさを解決してくれる逸品が沖縄にあります。

「赤瓦コースター」は、その名の通り沖縄の赤瓦を使ったコースター。高温多湿で、コップの結露が激しい沖縄で生まれたアイデア商品です。吸水性、速乾性抜群で、お土産としてももちろん、沖縄のカフェや居酒屋でも使用するところが増え、今や沖縄の定番アイテムになっています。

ウチナーンチュのくらしに欠かせない赤瓦

「沖縄に来たなぁ」という気分を高揚させてくれる、赤瓦で彩られた家々。古くから、赤瓦は台風や塩害から沖縄人(ウチナーンチュ)のくらしを守ってきました。うつろいやすい沖縄の気候において、突然の雨も吸収し、晴れたら蒸発させ、気化熱によって室内を涼しく快適に保つ効果があるといいます。
もともと、朝鮮半島から沖縄に伝わった瓦は、灰色でした。灰色の瓦は、窯に空気を入れずに焼く焼き方で、技術的に難しく、当時の沖縄ではどうしても生産された瓦の3割ほどは、空気が入って赤い瓦に仕上がってしまったそうです。

「逆にそれが希少と捉えられたんでしょう。首里城に代表されるように、沖縄の王族や権力者がこぞって赤瓦を選んだんです」

赤瓦コースターの生みの親「新垣瓦工場」の新垣拓史(あらがきたくじ)さんがそう話すように、やがて沖縄では赤瓦が主流になっていきます。産地も、やんばる(沖縄県北部)から那覇へ向けて、焼成用に必要な木材が船で運ばれてくる途中に経由する港町、与那原(よなばる)に集まっていきました。

偶然の発見から生まれた赤瓦コースター

そんな与那原の一角に、新垣瓦工場も構えられています。創業60年以上の老舗瓦工場ですが、3代目の新垣拓史さんが家業を継ごうと戻ってきた2000年頃には、赤瓦そのものの需要が大きく落ち込んでいたといいます。

「当時は、ジリ貧の家業を悶々とした気持ちで手伝っていましたね」
そう振り返る拓史さんが、ある日、仲間を呼んで、工場で飲み会を催していたときのことでした。泡盛を割る水の入ったアイスピッチャーが、結露でビチャビチャになっていることに気が付きます。

「沖縄では、結露を抑えるため、コップにおしぼりを巻いて飲むことが多いんです。ただ、その時は工場なので、おしぼりなどありません。仕方なく、近くにあった赤瓦を敷いたんですね。すると、水滴がぐんぐん赤瓦に吸い取られていったんです」

この時、これだ!と感じたという拓史さん。赤瓦コースターのアイデアが生まれた瞬間でした。

沖縄定番のアイテムに!

ただ、開発の道は平たんではありませんでした。はじめは単純に瓦を薄く小さくすればいい、と試作を試みるも、薄くすると乾燥時に曲がってしまうという問題に直面します。さらに、焼き方によって吸水性も変わってしまうため、制作工程は繊細を極めました。
周囲からも反対されるなか、試作を重ねること2,000枚以上。5か月の歳月を経て、ようやく商品化に成功したのです。今では赤のみならず、6色ものカラーバリエーションを揃え、デザインも沖縄らしいセンスを感じるものばかり。
現在では、島内でも採用するカフェや居酒屋が増えつつあるほか、沖縄定番のおみやげとして定着してきています。
▲【柄:レース】1個864円(税込)
さらに、瓦を焼くときよりも小さい窯で済むようになり、エネルギーの省力化にも成功。かつての窯は、自分オリジナルのコースター作りが体験できるスペースとして生まれ変わっています。
「これからは沖縄みやげというよりも、自然とくらしのなかに取り入れられて、それがたまたま沖縄産だった、というものづくりを目指したい」

そう話す拓史さんの目標は、着実に現実となりつつあるようです。

赤瓦コースターが買えるお店

長谷川浩史・梨紗(株式会社くらしさ)

長谷川浩史・梨紗(株式会社くらしさ)

広告出版社を退職後、世界一周、日本一周を経て「くらしさ」を設立。全国各地のモノ・コト・ヒトを伝え、つないでいく活動に尽力している。全国の仕事人に会いに行ける旅「Life Design Journey」も運営。http://lifedesign-j.com/

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