かき氷ホットスポット静岡/小池隆介のかき氷あっちこっち食べ歩きvol.3
日本にはかき氷屋さんが密集する地域がいくつかある。 鹿児島・愛知・沖縄などが有名で、他にも京都・愛媛・長崎などではかき氷を提供している店が多く存在する。静岡もその一つで、名産のお茶を使ったかき氷や温暖な気候で育った地物のフルー ツを使ったかき氷など、バラエティーに富んだかき氷を楽しむことができるのだ。

ガソリンスタンドの中の楽園「沖縄cafe果報」
「沖縄cafe果報(カフー)」はガソリンスタンドの中にある沖縄料理とかき氷のお店だ。

「コンデンスミルクと一番あうフルーツってメロンだと思うんですよ」という店主の話を聞きな がらひとさじ口にはこぶと、メロンの香りが口いっぱいに広がり、追いかけるように トロッとしたコンデンスミルクが溶けてゆく。味わううちに店主の言葉に同感し、うんうんと相槌をうつ。完全にピューレにせずに食感を残したというメロンの小さめの果肉が舌の上で潰れる感触が心地よく、その瑞々しさにスプーンが止まらない。(7~8月限定)

かき氷は、マンゴーの味をそのまま味わってほしいと加糖せずに作ったマンゴー丸ごとのシロップ。(7~9月限定)これもコンデンスミルクがよく合う。

最初は少なかったメニューも今では定番と期間限定を加えると10種類を超えるほどになったという。静岡名産のいちご「紅ほっぺ」を煮込んだいちごのかき氷も、金時豆を煮込んで作る沖縄の郷土料理「沖縄ぜんざい」もガソリンスタンドのスタッフみんなで力を合わせて研究し、お客さんに喜んでもらおうと提供して来た。


沖縄cafe果報(カフー)
静岡県浜松市西区古人見1089 古人見SS内
[かき氷提供期間]4月29日~10月12日(2015年予定)
[提供時間]10:00~17:00(月曜のみ11:30~)
[定休日]第2火曜日、第4木曜日(不定休、ブログをご確認ください)
053-485-1830
エスプレッソに恋したかき氷「カフェトスカ」

イタリア料理店のデザートとして考えられたかき氷は、食事のフィニッシュを飾る役割もある。だからこそ重すぎず、強すぎず、前に出すぎない味。
しかしデザートとしての役割を果たしながら、単体で食べてももちろん大満足だ。

多くは語らない店主が、静かに運んできた氷をみてびっくりした。氷の上にたっぷりのっているのは、まるでコーヒーのクレマのような泡の固まりなのだ。
エスプレッソシロップをクレマにのせるようにかけてみるが、力強いクレマは簡単には溶けない。ひとさじすくって味わえば、氷とシロップとクレマが一瞬混じってスッと溶けた。口の中にはエスプレッソの香りが、強く余韻として残っている。
「高級なアイスコーヒーのイメージなんです」と、寡黙な店主もエスプレッソに関しては熱がはいる。香り、軽さ、エスプレッソの美味しさが余すところなく盛り込まれたかき氷。

通年通しての提供なので、浜松旅行の締めくくりに美味しい料理とかき氷というのもなかなか良いじゃないかと思う。

カフェトスカ
静岡県浜松市中区板屋町104-1
[かき氷提供期間]通年
[かき氷提供時間]11:30~19:00(曜日によって異なる事があり・詳しくは店舗へ問い合わせ)
[定休日]火曜日・年末年始
053-452-8300
静岡産の抹茶を産地で味わう「おさだ苑本店」(今期提供終了)

ここで食べてみたかったのが、お茶専門店ならではの「雪ふわ森の抹茶のかき氷」。
静岡のお茶の生産量は日本一と言われているが、抹茶に関してはあまりその評判を聞いた事が無かった。かき氷を食べていると「京都宇治の抹茶」や「西尾の抹茶」とは良く聞くが、「静岡の抹茶を使っています」という話をあまり聞いた事が無い。だからこそ、おさだ苑自慢の森の抹茶「野乃」を使ったかき氷を、以前から食べてみたかったのだ。

お抹茶は店内の石臼で挽いた挽きたての抹茶を使用しているとのこと。
よく「地元で出来た米を生産地のお水で炊くのが一番旨い」という話を聞くが、この地で育った茶葉を店内の石臼で挽き、引き立ての抹茶を削りたての氷に合わせているのだから、期待は高まる一方だ。
柔らかな抹茶の甘さがふんわりと広がった。これが静岡の「おさだ苑」が誇る抹茶だ。

小豆ではなく、スッキリとした甘みの楽しめる甘納豆を添えてあるところが心憎い。この組み合わせ、実によく合うのだ。お茶が甘納豆を、甘納豆がお茶と引き立て、あっという間に完食。最後は溶けかかった氷を、お抹茶のように飲み干した。
店主の長田夏海(おさだなつみ)さんはかき氷について「お茶の入り口として楽しんでくれたら嬉しい。これからもお茶の美味しさを伝えていきたい。」と語る。
お茶の専門店が作るかき氷を食べて、日本茶の世界を垣間見てみるのもまた一つの縁。お茶の話を教えてもらい、美味しいお茶を頂き、楽しい訪問となった。
おさだ苑本店
静岡県周智郡森町森1522-10
[かき氷提供期間]夏~秋
[かき氷提供時間]9:30~17:00
[定休日]無休
(今期提供終了)
0538-85-1500
古き良きカキゴオリ…「みどりや」
夏はいつも大繁盛。昔からこの店のかき氷を食べていた人たちが、子供や孫を連れて行列にならび、夏の思い出を刻んでいく。
浜松の「みどりや」は、静岡の夏の風物詩だ。

この店で提供されるのは、ご主人が手作りしたイチゴやレモンなどの鮮やかなシロップに、フルーツやアイスクリームをのせた昔ながらのかき氷。
無果汁のシロップと缶詰のフルーツ、そのかき氷がお世辞ではなく抜群にうまいのだ。
氷をちょうどいい温度にもどし、かき氷の機械と息を合わすようにして薄くふんわりと削る。単純なようだが、氷の削り方、蜜のかけ方、そこにはご主人にしか出来ないコツが沢山あるのだろう。たくさんのかき氷を食べ歩いてきたが、このかき氷を食べたとき「そうそう!これこれ!!」と心の中で叫んでしまった。

職人気質のご主人は黙々とかき氷を削り、愛嬌の良いお母さんが接客をする。毎年毎年繰り返された日常が、歴史となっていまの「みどりや」となっているのだ。
かき氷を求めて旅すると、たまにこのようなお店に出会う。
かき氷を愛し続けて来た「みどりや」は、日本のかき氷屋の原点のような気がしていつまでも、頑張ってほしいなぁと心から望んでいる。

みどりや
静岡県浜松市中区元浜町84
[かき氷提供期間]5月1日~10 月10日
[かき氷提供時間]10:00~20:00(日曜~19:00)
[定休日]月曜日
053-471-3388

小池隆介
かき氷のフードイベント『かき氷コレクション』実行委員会代表。かき氷専門ガイド本『かきごおりすと』の編集・発行者。一般社団法人日本かき氷協会代表。日本中のかき氷を食べ歩いて取材し、日本古来の食文化で伝統食でもあるかき氷を広く伝える為に活動。かき氷にとどまらず、氷雪業(氷の卸しや販売、製造)全体にも精通している。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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