200万人以上が集う!雪の祭典「さっぽろ雪まつり」、大雪像誕生の軌跡と見どころを紹介

2017.01.19

「さっぽろ雪まつり」のシンボル、大雪像を1基作るにはどの位の雪が必要だと思いますか?大雪像誕生の軌跡と、国内外から200万人以上の人が集まる札幌の冬の一大イベントの見どころを紹介します。

▲夜には大雪像・大氷像がライトアップされます
※2014年開催「第65回さっぽろ雪まつり」大雪像「スルタン・アブドゥル・サマド・ビル」(C)HBC(写真提供:さっぽろ雪まつり実行委員会)

6基の雪像からはじまった「さっぽろ雪まつり」

「さっぽろ雪まつり」が最初に開催されたのは、昭和25(1950)年。大通公園の西7丁目に、市内の中高生が6基の雪像を制作したのがはじまりです。
▲第1回開催時の雪像「羆(ひぐま)」(写真提供:さっぽろ雪まつり実行委員会)

この時はビルのように大きな雪像はなく、大きいものでも高さ7メートル程度。大雪像はないものの、雪合戦やカーニバルなども同時に開催して好評だったため、札幌の冬のイベントとして毎年開催されるようになりました。

大雪像がはじめて登場したのは、昭和28(1953)年の第4回開催時。地元の高校生が高さ約15メートルの作品を作りました。大量の雪が必要だったため、札幌市がトラックなどを動員して雪を運んだそうです。それ以来、重機を使用した大雪像作りが毎年行われるようになりました。

当時、雪像制作の中心は地元の中高生。しかし、学生にとっては受験シーズンが近く学業に影響があるため、数回開催したのち、雪像制作の中心は学生から市民へと変わっていきました。
▲第6回開催時の雪像「雪を射る者」(写真提供:さっぽろ雪まつり実行委員会)

現在の雪像制作は、札幌市の職員のほか、市民ボランティアや市民グループ、民間団体、国際雪像コンクールに参加する外国人グループなどとともに、陸上自衛隊が担当しています。
自衛隊が?と思う方がいるかもしれません。
陸上自衛隊は野戦訓練の一環として、昭和30(1955)年の第6回開催から毎回、雪像作りに協力をしているのです。
▲陸上自衛隊が制作した大雪像
※2014年開催「第65回さっぽろ雪まつり」大雪像「スルタン・アブドゥル・サマド・ビル」(C)HBC(写真提供:さっぽろ雪まつり実行委員会)

第10回開催の昭和34(1959)年には、約2,500人もの自衛隊員を動員して制作した大雪像がテレビなどで取り上げられ、この時から「さっぽろ雪まつり」が全国的に知られるようになりました。
現在ではアジア圏や欧米など海外でも有名になり、毎年国内外から200万人以上の人が訪れています。

まるでビルの建設現場!? 大雪像ができるまで

現在の大雪像は高さが約15メートルあります。ビルにたとえると、4階から5階位の高さです。

ここで突然ですが、クイズです。
高さ約15メートルの大雪像を1基制作するのに、雪の量はどの位必要でしょうか?
ヒントは、高さ2メートル程度の小雪像を1基作るために必要な雪量は、5トントラックで約2台分です。

さて、どの位の雪量だか、想像つきますか?
▲ライトアップされた大雪像「雪の国のアリス」。近年は大雪像をバックにプロジェクションマッピングやミュージカルなども開催されています。
(C)2015さっぽろ雪まつり実行委員会、Noriyuki Sawa(写真提供:さっぽろ雪まつり実行委員会)

では、正解です。

高さ15メートルもの大雪像では、1基制作するために5トントラック約500台分もの雪が必要なのです。高さ10メートル程度の中雪像でも、1基制作するには5トントラック約300台分の雪が必要です。

しかも、雪像に使う雪は、市内で除雪された雪ではなく、市街地から離れた郊外や山の中などにある綺麗な雪を使います。
そのため、雪像制作の現場は、足場が組まれ、雪を満載したトラックがひっきりなしに出入りします。まるでビルの工事現場のようなのです。
▲足場を組んで大雪像を作っている様子(写真提供:さっぽろ雪まつり実行委員会)

大雪像は次のように制作されます。
まず、会場へ運び込まれた雪を、パワーショベルを使い、木枠で作った仕切りの中へ入れます。雪像として削れるよう雪を氷のように固くするため、制作隊員が木枠の中へ入り、足で踏み固めていきます。雪を入れては踏み固めるという作業を延々と繰り返すそうです。

雪積みと踏み固めが一段落したら木枠を外し、彫刻作業へ。
設計図をもとに、チェーンソーで切れ目を入れ、先端がギザギザになっている特殊なスコップで荒削りをします。
なんとなく形ができてくると、次に「化粧雪」を貼りつけます。
▲雪を練って「化粧雪」を制作(写真提供:さっぽろ雪まつり実行委員会)

「化粧雪」とは、綺麗な雪に少量の水分を加えたもの。雪像の表面をメイクするかのように「化粧雪」を貼りつけていくと、夜間に気温が下がることで「化粧雪」が氷結してツルツルになり、表面が白く綺麗に仕上がります。

最後は、ノミなどで細部を削っていく作業。足場を外し、全体のバランスを見ながら微調整したら完成です。
▲細部の微調整をしています(写真提供:さっぽろ雪まつり実行委員会)

世界中から人が集まるメイン会場「大通会場」

▲2011年開催「第62回さっぽろ雪まつり」大雪像「天壇 祈年殿」(写真提供:札幌市観光写真ライブラリー)

「さっぽろ雪まつり」といえばここ!ニュースや旅行メディアなどで見かける、大雪像や大氷像が並ぶメイン会場、「大通会場」です。
▲さっぽろテレビ塔の展望台から眺めた、「さっぽろ雪まつり」開催中の大通公園(写真提供:さっぽろ雪まつり実行委員会)

札幌の街中を東西に横切る大通公園の西1丁目から西12丁目にかけて、約1.5キロメートルの間が「大通会場」です。地下鉄大通駅もしくは西11丁目駅、または地下街「オーロラタウン」から地上に出たら目の前が会場。札幌の地理に詳しくない方でも、アクセスは容易です。
▲大雪像とともに、薄い青色をした大氷像も見事です!
※2014年開催「第65回さっぽろ雪まつり」大氷像「台湾-伝統とモダン」(C)毎日新聞社(写真提供:さっぽろ雪まつり実行委員会)
▲大氷像は夜になるとライトアップされ、彩が氷に映えます。
(C)毎日新聞社(写真提供:さっぽろ雪まつり実行委員会)

会場には、大雪像をはじめ、大氷像や市民雪像、そして国際色豊かな雪像などが並ぶほか、イベントも数多く行われます。
開催期間中は24時間いつでも見学することができますが、ライトアップは日没前後から22:00まで。近年は大雪像を背景にしたプロジェクションマッピングも実施されています。
▲大雪像に投影されるプロジェクションマッピング。これは生で見たいです!
※2013年開催「第64回さっぽろ雪まつり」大雪像「豊平館」(写真提供:札幌市観光写真ライブラリー)
▲市民が制作した市民雪像も多数並びます(写真提供:さっぽろ雪まつり実行委員会)
▲会場内の一部には、北海道のグルメを楽しめるブースも出店(写真提供:さっぽろ雪まつり実行委員会)

ここはメイン会場だけあり、例年かなりの人出で、海外からの観光客も多数。日中はもちろん、ライトアップを楽しめる夕方から夜にかけてなど、人が多くて歩くのも大変…という場合もあります。
比較的ゆっくり見学できる穴場の時間帯は朝!各ホテルでのチェックアウトの時間よりも前に行くのがベストです。
▲大通会場は毎年多くの人たちで賑わいます(写真提供:さっぽろ雪まつり実行委員会)

見事な大雪像と大氷像ですが、イベント期間が終わると翌日にすべて解体され、ただの雪山になってしまいます。雪像や氷像が崩れて事故が起きないようにするためです。
会場内は立入禁止ですが、解体する様子を歩道から眺めることができます。近年は見学する人も多く、解体見学ツアーが組まれているほど。崩されていく様子はせつないのですが、これも見応えあります!
見学するなら、最終日翌日の午前中!午後から夕方には既に雪山になっているのでご注意を。

氷の彫刻はまるで芸術作品!「すすきの会場」

大通公園から歩いて10分程度のところに、北の歓楽街「すすきの」のど真ん中を南北に貫く「すすきの会場」があります。地下鉄すすきの駅から地上に出たところが、会場の北端です。
こちらの会場には雪像はなく、氷像が60基並びます。
▲繁華街の道の真ん中に、氷像が並びます(写真提供:さっぽろ雪まつり実行委員会)

これらの氷像は、すすきの界隈の飲食店スタッフらが彫ったものが中心。細部までとても丁寧に彫られていて、美術館の作品を眺めているかのようです。
昼間も氷像が光にあたって綺麗なのですが、街のネオンが輝く夜はさらにキラキラと綺麗に!
▲氷像が並ぶと、華やかな街がよりキラキラ輝きます
※2011年開催「第62回さっぽろ雪まつり」(写真提供:札幌市観光写真ライブラリー)
▲壁面が氷でできたアイスバーも登場。ホットドリンクも提供予定です(写真提供:さっぽろ雪まつり実行委員会)

夜は歓楽街へと繰り出す人たちがたくさんいるので、多少の混雑は覚悟。ライトアップは23:00(最終日は22:00)で終わりますが、深夜でも多くの人たちが歩いているほどです。
夜の街だけあり、午前中は比較的静かに見学できますが、夜の風景は一見の価値あり!夕食の前か後に訪れたいです。

雪あそびをするならここ!「つどーむ会場」

札幌の郊外にある「つどーむ会場」。ここは雪像の見学をするだけではなく、雪あそびを楽しみたい方にピッタリな会場です。
▲スリル満点!チューブスライダーにのって、雪の巨大すべり台を疾走!(写真提供:さっぽろ雪まつり実行委員会)

氷のすべり台やスノーラフトなど、子どもはもちろん大人も童心に返って北国の雪あそびを楽しめます。

屋内スペースには、大きな休憩所や飲食ブース、子どもが遊べるファミリー広場などもあります。
▲寒い屋外で遊び疲れた時にも、屋内でゆったりとひと休み(写真提供:さっぽろ雪まつり実行委員会)

「つどーむ」とは、札幌市のスポーツ交流施設で、コミュニティドームの愛称。市街地からは離れていますが、さっぽろ雪まつり期間中の2017年2月6日(月)~12日(日)は大通会場から札幌駅を経由するシャトルバス(所要25~35分程度)が走る予定なので、アクセスは意外と楽です。
駐車場は使用できないので、公共交通機関で訪れましょう。
札幌の冬の一大イベント、「さっぽろ雪まつり」。2017年は2月1日(水)から始まります(1~5日はつどーむ会場のみ開催)。今回は大雪像と大氷像合計7基をはじめ、約200基の雪像と氷像が登場する予定です。

真冬の札幌は日中でも氷点下の日が大半なので、暖かい服装で、かつ靴にすべり止めを装着するか、靴の裏が滑らない雪国用の靴で散策しましょう。
見事な雪像や氷像見学、そして雪あそびを楽しみませんか?

※写真は注記があるものを除き、すべて2015年開催「第66回さっぽろ雪まつり」時のものです。
川島信広

川島信広

トラベルライター・温泉ソムリエ・イベントオーガナイザー/横浜市出身、札幌市在住。北海道内の全市町村を趣味で訪ね歩くうちに北海道の魔力に惹かれ、都内での雑誌の企画営業と執筆業務を経て北海道へ移住し独立。紙媒体やweb媒体などで主に観光や旅行、地域活性をテーマにした取材執筆と企画・編集を手がける。スイーツ好きの乗り鉄、日光湿疹と闘う露天風呂好き。

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