鳴門の渦潮を間近に体感!天然鯛グルメに、時空を越えた迫力のアートも

2016.01.23

徳島県の東北端に位置する鳴門市は、本州と徳島を結ぶ四国の東玄関。そして、世界三大潮流の一つ“鳴門の渦潮”で知られる景勝地でもあります。潮流にもまれ身のしまった「鳴門鯛」や「鳴門わかめ」、ミネラル豊富な土壌で育った「鳴門金時」など食材も豊富。そんな鳴門市へパワーをもらいに出かけてきました。

「とにもかくにも、まずは渦潮でしょう!」と訪れたのは「大鳴門橋」。橋の向こう側は兵庫県淡路島、本州へと続いています。この橋桁部分に「渦の道」という遊歩道があり、海の上から渦潮を観察できるんです。
チケットを購入して、展望室まで約450メートル続く長い長い廊下をひたすら進みます。両サイドの壁は金網になっていて、太平洋と瀬戸内海の雄大な風景が一望できました。そして、この長い廊下には数十メートルおきにガラス床が!
「ひゃーーーーっ!高いっ!」私は平気…というか、逆にテンションが上がるタイプですが、高所恐怖症の人ならばすくみ上ってしまうような高さです。潮風に吹かれながら海上散歩を楽しみ、いよいよ展望室に到着!
広い展望室には、畳一枚ほどの大きさのガラス床が8枚も。45メートル下で激しく渦巻く海面を覗き込めます。潮流同士がぶつかり合い、いろんなところで渦ができては次第に消えていきます。
ゴウゴウと激しく渦巻く潮流を夢中で覗き込んでいると「あと1時間ほどで大潮の時間。これからどんどん渦が大きくなってきますよ」と案内の女性がにこやかに教えてくれました。
鳴門公園のコンシェルジュをしているという三木精子(せいこ)さんは、「渦の道」の案内を7年ほどつとめるベテランさん。

「この橋の計画段階では、新幹線が四国まで通る予定だったんですよ。今、私たちがいる橋桁のスペースにね。その空きスペースを有効活用して15年前にできたのがこの『渦の道』なんです。2年に一回、淡路島まで橋を歩いて渡るウォーキングイベントもあるんですよ。去年、私もお友達と参加したの」とにっこり。渦のしくみや大鳴門橋の構造など、いろいろとお話をきかせてもらいました。
▲展望台から淡路島に向かって伸びる橋を眺める

鳴門海峡は、鳴門市の孫崎と淡路島の門崎との間、約1,300メートルの狭い海峡。この海峡を境に、潮の干満によって瀬戸内海側と紀伊水道側に潮位の差ができて、それがはやい潮流を起こします。その潮流と、複雑な海底の地形から渦潮ができるんだそう。

「もっと詳しく知りたい!」という人には、「渦の道」のすぐそばにある「大鳴門橋架橋記念館エディ」がおすすめ。鳴門の渦潮と大鳴門橋をテーマにしたミュージアムで、アドベンチャー・シミュレーターや、鳴門海峡に生息する魚介類を集めたミニ水族館などがあります。
▲大鳴門橋架橋記念館エディ
▲鳴門海峡に生息する魚介類を集めたミニ水族館
無心になって渦を眺めていると、渦のすぐそばを一隻の船が通り抜けていきました。「あれは観潮船。渦潮のすぐそばまで連れてってくれるのよ」と三木さん。乗り物好き(怖ければ怖いほど良し!)な私、すぐさま観潮船が出港する港へと向かいました。

世界三大潮流に挑むも、自然には勝てず…

意気揚々と港に乗り込んだ私を出迎えたのは、「高波により午後から欠航」の文字。「こんなに海が荒れることは、そうそうないですね…(苦笑)」。そう話してくれたのは「うずしお観潮船」の若山さん。これは私の日ごろの行いの悪さが出たのでしょうか…。
せっかくなので、読者の皆さんは天候の良かった別の日の出航風景をどうぞ。
鳴門大橋を海面から見上げるという、最高のロケーション。そして、目の前にはゴウゴウと音をたてて渦巻く潮流!潮流は通常、時速13キロから15キロですが、大潮時には時速20キロにもなり、大きな渦は直径20メートルにも達するそうです。
船は大型(予約不要)と小型があり、「小型水中観潮船 アクアエディ(要予約)」は、船底にある船室の窓から渦潮が見えます。水中から渦潮を眺められることなんて、なかなかないですよね。絶対リベンジせねば!

とれたての鳴門鯛を使った贅沢バーガーにかぶりつく

気を取り直して…お待ちかねのランチタイム!今回訪れたのは「ルネッサンス リゾート ナルト」の「テラスカフェ オーゲ」。海側が一面ガラスになっていて、美しいオーシャンビューを眺めながら食事がいただけるんです。
こちらでぜひ食べていただきたいのが、1日10食限定の「鳴門鯛カツバーガー」。使用するのは、その日にあがった鳴門鯛のみというのが料理長のこだわり!

「とれたての鯛は旨みや風味が濃く、身も引きしまっていてカツにしても負けないんです。ナイフとフォークでいただくのも良いですが、豪快にかぶりつくのがオススメ」と話してくれたのは、PRマネージャーの菅村典子さん。
▲「鳴門鯛カツバーガー ソーセージ添え」(1,544円/税金・サービス料込)

では失礼して…ガブッ!
ふんわりパンに、地元でとれたシャキシャキの新鮮野菜、サクサクの衣に包まれた鯛はキュッと身が締まっていて旨みが濃い!自家製のタルタルソースも美味しい!これはピクルス?

「タルタルソースに使っているのは、目の前の大毛島(おおげじま)で収穫された鳴門らっきょなんです。実は、鳴門わかめも入っているんですよ」と菅村さん。

鳴門わかめのふんわりとした磯の香り、シャキッとした歯ごたえがクセになる鳴門らっきょ、肉厚な鳴門鯛…、鳴門の恵みがギュギュっと詰まったバーガーは一食の価値アリ!!これだけの手間隙がかかっているので、一日10食しか提供できないというのも納得です。
そして、食後はお楽しみのスイーツタイム。「テラスカフェ オーゲ」の一番人気、「鳴門金時タルト」(税込534円)は、鳴門金時のペーストをたっぷり使って焼き上げた逸品。芋の上品な甘みとしっとりとした食感がたまりません。間にはさまれたスポンジ生地のふわふわ食感がアクセントになっています。
美しい景色を眺めながらのティータイムは、日々原稿に追われるあわただしい日常を忘れさせてくれました。

世界で類をみない陶板名画美術館でアートに浸る

鳴門旅の締めくくりはアート鑑賞へ。「大塚国際美術館」は大塚グループが、創立75周年記念事業として設立した世界最大級の常設展示スペースをもつ陶板名画美術館です。「陶板名画」とは、陶器の大きな板に原画に忠実な色彩・大きさで作品を再現したもののこと。紙やキャンバス、土壁に比べ色が経年劣化しないのが特徴です。
「原画じゃなくて、陶板かぁ…」と思っている方は、一度観に来ていただきたい!!こちらに飾られている陶板は、大きさも原寸大に再現されているため、実際の名画を見ているかのような迫力や臨場感を味わうことができるんです。また、原画を転写しただけでなく、レタッチで“筆の跡”まで再現しているので、斜めから見ると油絵の具のボコボコとした筆の跡がわかるのもポイント。

「世界最大級の常設展示スペース」というのもダテじゃありません。世界25ヶ国、190余の美術館が所蔵する西洋名画1,000余点の陶板名画が、地下3階から地上2階まで、約4キロメートルにわたって展示されているんです。訪れる人によっては「一日あっても観きれない」という人もいるほど。

今回は中でも有名な作品をいくつかご紹介しましょう。
地下3階は古代~中世の作品を展示しています。「スクロヴェーニ礼拝堂壁画」は、イタリア・パドヴァにある礼拝堂を再現。ジョットの名画に囲まれた堂内は、厳かな教会の雰囲気です。実際にここで結婚式を挙げるカップルもいらっしゃるそうですよ。
そして、こちらは皆さんご存知!ヤン・フェルメールの「真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)」。手を伸ばせば触れられるような距離で、緻密に再現された名画を鑑賞できるのもこの美術館の魅力です。
地下2階はルネサンス~バロックの作品を展示。レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」や「最後の晩餐」が鑑賞できます。「最後の晩餐」は修復前と修復後の絵が向かい合って展示されており、前後の違いが見比べられるんです。美術教科書の写真で見たことはありましたが、原画ってこんなに大きいんですよ。ウェブや図版で観ただけでは分からなかった発見が多数ありました。
また、この地下2階にはモネの晩年の大作「大睡蓮」も環境展示されています。雨や日差しにも退色しない陶板だからこそできる屋外展示に思わず大興奮!展示横の池には6月下旬~9月中旬、彼が愛したとされる「青い睡蓮」も咲き誇るそう。庭を望む「カフェ・ド・ジヴェルニー」で休憩しながら眺めたいですね。
▲モネの「大睡蓮」と睡蓮の池
▲モネが愛したという青い睡蓮

地下1階はフィンセント・ファン・ゴッホの「ヒマワリ」など、バロック~近代の作品を展示。1945年の戦禍により日本で焼失した、ゴッホの幻の「ヒマワリ」が再現・展示されています。背景がロイヤルブルーで描かれた、通称“芦屋のヒマワリ”がみられるのはこの美術館だけとのこと。
▲ゴッホの展示コーナー
▲ゴッホの幻の「ヒマワリ」
お土産は、地下3階のミュージアムショップにて。ミニサイズの陶板名画やポストカード、クリアファイル、オリジナルのスイーツなども販売しています。私は、ユダがイエス・キリストを裏切った報酬でもらったといわれる銀貨を模したチョコレートをチョイス!
スタッフさんによるポップには、名画を模したチョコレートの渡し方のレクチャーも(笑)。こちらのチョコレートは期間限定です!
世界中の名画が原寸通りに、そして忠実に再現された陶板の数々。移動不可能な美術作品をはじめ、こんなに多数の名画を一堂に見られる美術館は、他にはないのではないでしょうか。作品や作者にまつわるお話を聞きながら回れる「定時ガイド」もあるので、ぜひ活用してみてください。
伊藤秀美

伊藤秀美

愛媛生まれ、愛媛育ちの編集者。地元の出版社でタウン情報誌、女性誌の編集を経て、旅雑誌「四国旅マガジンGajA」の編集長に。食べること・飲むこと・自然の中で遊ぶことが大好きで、不便さや田舎っぷりもひっくるめて四国を愛している。リサーチ(仕事)と称し、年中、四国中をふらふらしている。

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