土佐の鍋の決定版!フグよりも美味なる幻の高級魚クエを食らう

2016.01.18 更新

南国土佐といえども、冬はやっぱり鍋料理が恋しくなる。そこでぜひとも味わいたいのが高級魚クエを使った鍋。たっぷり脂がのったクエの身は、弾力ある食感と濃厚な甘みで「フグより旨い!」と評判だ。天然クエは値段も少々張るが、その味は期待を裏切ることはない。

冬を迎え旨くなる天然クエを求めて

クエはスズキ目ハタ科に属する海水魚。体の模様が九つの絵のように見えることから「九絵」と表記することもあり、それが呼び名の由来になっている。古くから高知はクエの漁場として知られているものの、その漁獲量は極めて少なく、旬は短い。そのため地元高知でもなかなか口にできない高級魚として知られている。

高知県沿岸で釣り上げられるものの中では、30キロを超えるものもあり、その姿は迫力満点だ。ふてぶてしいとも思える表情とは裏腹に、身は甘く上品な味わいで、多くの人が一度食べたら魅了される。

クエを味わうには、なんといっても鍋料理が一番魅力を堪能できる。念願のクエ鍋で失敗したくない!そこで今回は仕入れルートがしっかり確保されている老舗郷土料理店を選んだ。
今回クエ鍋をいただいたのは、高知市内に大正14年(1925年)に開業した鮮魚店がルーツの郷土料理店「本池澤(ほんいけざわ)」。創業者は女手ひとつで店を立ち上げた、まさに「はちきん(土佐弁で男勝りの女性を指す)」だ。同店がある大橋通は鮮魚店、乾物店、八百屋などが並ぶ高知市民の台所。そんななかで長年料理店を営んできたのだから間違いない。
▲三代目社長の小笠原晃男さん

予約なしでもクエ鍋が楽しめる!老舗郷土料理店のこだわり

郷土料理店としては比較的リーズナブルな同店でも、クエ鍋は一人前8,000円(税込。3人前から注文可能)。ほかの鍋料理と比べると安くはない。だが、「この値段でもシーズンになると予約がひっきりなしですよ」と小笠原さんは語る。
味が良い20キロ以上の天然クエにこだわり、3人前でクエ800g(上写真)というボリューム。天然クエの旬は11~2月と短い。「入荷があると丁寧にさばいて、その日使用しないものはすぐに冷凍保存します。その在庫がなくなり次第、クエ鍋のシーズンも終了です」。

だからこそなんとしてでも一度は味わっておきたいと思うのだ。タイミングが良ければ生のクエにもありつけるかもしれない。

同店のクエ鍋は、昆布とクエのアラでダシを取る。アラの骨のまわりにはまだ身が残っているものを使う。「実はこの身がうまいんですよ」と小笠原さん。通はこのアラをしゃぶり尽くすのだそう。

そして鍋が沸騰したら昆布を取り出し、丁寧にアクを取っていく。鍋の味付けはこれだけ。あとは野菜から入れていき、最後に湯引きしたクエの身を入れる。
▲シンプルな味付けがクエのうまさを引き立てる

クエに火が通ったら、同店創業以来の特製ユズポン酢をつけていただこう。口に運べばプルンとした食感ののち、口のなかでとろけるような甘さが広がり、他の白身魚にはない上質な味に魅了される。もちろん特製ユズポン酢との相性もバッチリだ。

クエのダシの旨みがしみた野菜も美味。仕上げはご飯を入れて雑炊に。もう箸が止まらず何杯もおかわりしてしまう。カツオのタタキと並び、高知県民が愛してやまないクエ鍋。この冬はちょっと奮発して、フグよりはるかに旨い鍋の王様を堪能してみてはいかがだろうか。
本池澤ではクエ鍋のほかにも、カツオのタタキをはじめとした皿鉢料理(さわちりょうり)など、あらゆる高知の郷土料理が楽しめる。全国発送対応の料理もあり、贈答品として喜ばれている。気軽に楽しめるランチ営業も好評だ。

昼も夜も土佐の知覚を楽しむには最適なお店。ぜひ旅の途中に立ち寄りたい。
藤川満

藤川満

清流・仁淀川流れる高知県いの町在住。出版社勤務を経て「撮って書く」フォトライターに。カヌーやトレッキングなど自然と親しむ一方で、利酒師の資格を有する日本酒党。またジャズライブの撮影はライフワークのひとつ。

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