岡山のご当地寿司「備前ばら寿司」で瀬戸内海の幸を食べ尽くす

2016.03.03

岡山県の名物「備前ばら寿司」をご存知ですか?ちらし寿司を連想される方が大半でしょう。しかし「備前ばら寿司」と他の地域のちらし寿司は似て非なるもの。瀬戸内海に面した岡山ならではの、味とルーツが詰まった名物寿司なのです。

倹約精神から生まれた「備前ばら寿司」

「備前ばら寿司」の誕生は江戸時代初期に遡ります。備前岡山初代藩主・池田光政(みつまさ)が「食膳は一汁一菜」と倹約令を推進したことに町民が反発。「ご飯の上に乗せても一菜は一菜だ!」と、ごはんの上に魚や野菜を乗せて食べ出したのが由来と言われています。「なんとしてでも美味しいものを食べてやる!」という岡山県民の心意気が表れているエピソードで大好きです。
「備前ばら寿司」は総称で、各地域やお店によって「隠し寿司」「岡山ばら寿司」「まつり寿司」などとその呼び名が変わりますが、瀬戸内海の旬魚と岡山の幸をたっぷり使うところは共通しています。

今回は、岡山の豊かさを象徴するような絶品「備前ばら寿司」が食べられる岡山のお店を3店舗ご紹介します。

まずはスタンダードな「ばら寿司」を食べよう

わたしのおすすめ「備前ばら寿司」その1は「夜寿司」の「岡山ばら寿司」です。「夜寿司」は、創業昭和29(1954)年、60年以上続く老舗のお寿司屋さん。岡山市内の田町と津高に店舗を構える名店です。
こちらは路面電車の新西大寺町筋駅から徒歩5分のところにある田町本店です。カジュアルな雰囲気でとても入りやすいお寿司屋さんです。
これがスタンダード!「岡山ばら寿司」(一人前 税別1,500円)です。
椎茸、干瓢の煮しめなどを切った具を混ぜ込んだご飯の上に、錦糸玉子を敷いて、岡山のご当地魚のままかりをはじめ、蓮根、エンドウ、筍、海老、サワラ、焼き穴子、貝などがひしめき合っています。

味つけは見た目よりもあっさり味。素材の味を重視しているのが特徴です。
▲骨まで食べられるままかり。酢がきつくないので魚の味がひきたつ

「夜寿司」の「岡山ばら寿司」には“岡山で二番目に美味しい”というキャッチコピーがついています。なぜ二番目かというと、「一番は家庭の味」という想いから二番と名乗っているそうです。

少し前まで岡山県民にとって「ばら寿司」はおふくろの味でした。年次行事やお祭りなど、記念日ごとにもてなされたものでしたが、現在ではほとんどその風習は残っていないそうです。

その昔、「ばら寿司」はお弁当であることが多かったそうですが、夜寿司の「岡山ばら寿司」はデパ地下で購入することができます。場所は天満屋(てんまや)岡山本店。天満屋といえば、岡山を代表するデパート。ご当地百貨店でお土産探しもオススメです。
▲岡山といえば天満屋!JR岡山駅前からバスや路面電車に乗って5分の距離にあります。岡山城や岡山後楽園のそばなので観光がてら立ち寄るのがおすすめ
ベテランの職人さんが対面カウンターで「岡山ばら寿司」を作っているので、お弁当とはいえ、できたてのものが食べられます。
賞味期限は1日。生ものは入っていないので、お土産にももってこいですね。一人前1,000円(税別)

「備前ばら寿司」のルーツと呼ばれる「どどめせ」

「備前ばら寿司」はもちろん、全国の“乗っける系寿司”の元祖がここ岡山にあるんです。それが「どどめせ」です。「どどめせ」は黒田、宇喜多などの戦国武将と縁深い「備前福岡(現在の岡山県瀬戸内市)」の郷土料理です。

食酢がなかった鎌倉時代、酸っぱくなったどぶろくを炊き込みごはんに混ぜたところ、「ぼっけぇうめぇ(岡山弁)」と評判になり、それ以来、炊き込みご飯にどぶろくを混ぜて食べるようになったそうです。
えび、鶏肉、里芋、しいたけ、ごぼう、にんじん、ちくわ、かんぴょう、錦糸玉子などたくさんの具材で、見た目にも豪華ですがどこか素朴ですね。そして、どぶろくと出汁で具材とご飯を炊き上げる炊き込みご飯であることが特徴です。お寿司なのに炊きたてでほんのり温かいほうが旨みが口の中いっぱいに広がる珍しいお寿司です。
岡山県下でもめずらしい「どどめせ」は、現在、瀬戸内市長船町の「一文字うどん」でしか食べることができません。うどんももちろん美味しいので備前周辺を観光する際はぜひお立ち寄りください。

これぞ岡山人のすべてを物語る「隠し寿司」

倹約令によって生まれた「備前ばら寿司」ですが、本当の姿はこれ、デス!
玉子だけ!質素過ぎか!!
と、思いきや、ふたを閉じて…
くるりと上下逆さにして\ オープン /
キターーーーーー!!!
底にぼっけぇ(すごい)寿司が隠れていた!!!!

これぞ豪華絢爛。瀬戸内の海の幸が凝縮した「烏城黄金かくし寿司」。食前酒、小鉢、茶碗蒸し、お吸物、デザート付き4,500円(税別)です。

贅沢を禁じられた町民が、豪華なおかずや具材をお重の底に入れて、ご飯で覆い隠して食べたという言い伝えを忠実に再現しています。岡山県民(池田藩民)の食い意地、プライスレス!

具材の山の幸・海の幸は季節によって変わります。取材時には、シャコや穴子、さわら(足が早く、生で食べるのは珍しいとされていますが岡山名産品なので刺身で食べられるのです!)など瀬戸内海の恵みがふんだんに取り入れられていました。
ぜひ味わっていただきたいのが、この「煎り酒」です。その昔、醤油がない時代に調味料として、お酒に梅干しを煮切ったものをタレとして寿司を食べていたそうです。

岡山で「隠し寿司」が食べられるお店は、岡山駅前にあるホテルグランヴィア2階の「日本料理 吉備膳」のみ。1日数量限定なので予約するのがおすすめです。

愛すべきエピソードと岡山県民の心意気を持つ「備前ばら寿司」、岡山を訪れたら一度は食べたい名物料理です。
ココホレジャパン

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