京都で人気のおばんざいを作ろう!「すまや京おばんざい教室」で和食の基本を楽しく学ぶ

2015.12.16

京都で人気のグルメ「おばんざい」。旬の食材を使い、出汁や旨みを生かして作る料理の数々は、こころがほっと和む味。「すまや京おばんざい教室」は、そんなおばんざいを作って味わえる料理教室です。和食の基本も学べると聞き、さっそく参加してきました。

「すまや京おばんざい教室」は、「京料理すまや」の4代目女将として京料理の魅力と伝統を伝えてきた藤田博子さんが、2007年に開講しました。おばんざい作りを気軽に学べるとあって日本全国から参加者が訪れます。

月1回からのレッスンのほかに、京都へ旅行する機会を利用して参加できる「ビジター参加」もあると聞き申し込んでみました。
▲京都・地下鉄「四条(しじょう)駅」、または阪急「鳥丸(からすま)駅」から徒歩3分。真っ赤なのれんが目印

身近な食材を使って作るのが「おばんざい」の基本

そもそも「おばんざい」とはどんな料理なのでしょう?

「おばんざいとは、決して特別な料理ではありません。食材は、スーパーマーケットでも買える身近なものでOK。旬の食材を選び、素材の味を生かしてていねいに作る。日々の食卓に並ぶそんなおかずが、おばんざいなのです」(藤田さん)

盆地である京都は、新鮮な食材が手に入りにくく、昔はどの家の戸棚にもひじきや切干大根、昆布などの保存食が必ずあったそう。京都のひとたちは、そんな食材を上手に使い、おいしいおかずを作る知恵を自然と身につけていったのです。
▲藤田博子さん。ユーモアをまじえながらやさしく教えてくれる

体験してこそ、本当の味が分かる

「いまはインターネットで、レシピをすぐに検索できますよね。でも、一人で作ると味見をしたときに、その味が正解かわからないことがありませんか?料理教室で一度体験すれば、本当の味が分かる。家でもう一度作ったときに味が違っても、“本当の味”に近づけていくことができますよね」

この日の参加者は、私も含めて計8名。「お出汁の味を生かすレシピを学びたくて」「両親が共働きなので、レパートリーを増やしたい」など、参加理由はさまざまです。北海道や福岡から来たという方もいました。

この日の献立は4品
・鴨ロース
・芋まんじゅうのカニあんかけ
・金時豆の甘煮
・わかめとキノコ汁

まずは藤田先生から、食にまつわる話や、調理ポイントの解説があります。
▲食の大切さを改めて感じられるお話がたくさん

「日本は出汁文化ですよね。昆布やしいたけのお出汁など、本当においしい。でも、いまは化学調味料がたくさん使われています。忙しい毎日には便利なものですが、ぜんぶ同じ味になりがちです。食材だけでなく、調味料にもこだわっていただきたいですね。それが、自分や家族の健康をつくるのです」

調理に入る前に、食の話をしっかり聞くことで、これから作る料理について、理解と関心が深まりました。
▲調理ポイントをメモしておこう

チームワークばっちり!わいわい楽しいクッキングタイム

調理場へ移動し、さっそく料理開始です。

「切り方はこれでいいかしら?」「わたしが鍋を見ておくから、じゃがいもをつぶして~」など、初対面とは思えないチームワークのよさにびっくり。
この日は、主婦の方が多かったこともあり、料理上手なみなさんに囲まれて心強かったです。藤田先生も、全体の状況を見ながらサポートしてくれます。
みんなでわいわい、活気に満ちた空気にテンションも上がります。
▲4品を同時に作り進める
▲ホワイトボードに貼られたレシピシートで、分量などを随時チェック
▲鴨肉

鴨肉が登場すると、「鴨肉っていくらくらい?買ったことがないから値段がわからないな」「300gで2,000円くらいかな」「京都ではけっこう売ってありますよ」など、参加者同士の情報交換もあって勉強になることばかり。
▲旬の野菜もたっぷり使う

自宅でも活用できる料理のポイントが満載!

今回学んだ調理法には、ほかの料理にも使えるポイントがたくさんありました。例えば、「煮豆を作るとき、砂糖は豆がやわらかくなってから入れると皮がやぶけにくい」「ジャガイモの皮むきは、レンジで加熱し布巾で包みながら行うとむきやすい」など。

ほんのちょっとの工夫や知恵を知るだけで、料理の腕がぐんと上がった気分に。体験して学べば理解しやすく身につきやすいと思いました。

日本の発酵食品である、みそやしょうゆなどを上手に使うのも、おばんざい作りの大切なポイントです。
「発酵食品には体の老化を防ぐといわれる酵素がたっぷり入っています。こうした日本の調味料を使うことは、体にとてもいいんですよ」
▲ジャガイモはレンジで加熱して皮をむく。里芋にも応用できる
▲雑談しならがも、集中して仕上げていく
▲鴨肉もおいしそうに焼けてきた!
▲熱湯に入れて余分な脂を抜く
▲鴨肉に金串を刺し血抜きする。一度体験すれば、次からは一人でできそう
▲芋まんじゅうを作り、油でカラリと揚げる
▲食器は自分たちで選ぶ。器との組み合わせや、食卓に並んだときの色合いを考えるのも楽しい時間
▲鴨肉のロースト。ほどよいミディアムに仕上がった
▲芋まんじゅうにはとろみをつけたカニあんをかける
▲すでに何度も参加しているというベテランメンバー


どの料理も、作り方はシンプルなものばかり。煮る、焼く、揚げる……などの調理法と、しょうゆ、みそ、みりんなどの調味料を上手に使えば、食材を生かした見た目にも華やかな料理ができる和食のすごさを体感しました。

「おばんざい教室をはじめた当初は勢い込んでいて、プロの味を作れるようにと、特別な素材やむずかしい調理法を入れていました。でもそれだと、料理教室では楽しめても家では作ってもらえないとわかった。こんなむずかしいことしてたらあかんわ!と、家でもできる献立や調理法を伝えていこうと切磋琢磨してきました」と、藤田さん。

みんなで食べる時間もごちそう

すべての料理を作り終えたら、お待ちかねの食事タイムです。と、その前に写真を撮るのをお忘れなく。撮影スペースが用意されているので、記録もバッチリです。写真に撮ってSNSで自慢しちゃいましょう!

「いただきま~す!」
▲写真にとってSNSにアップしても楽しい
▲みんなそろって食事タイム!


まずは、芋まんじゅうとキノコ汁をひと口……。いつもの食事よりも、少し薄味に感じました。でも、物足りなさは一切ありません。やさしい味でありながら、満足感もちゃんとあります。
鴨ロースは、やわらかくてプロの味!自分で作れたことがとっても嬉しかったです。

そして、手作りだからこそ出せた味に改めて気づくはず。例えば、金時豆の甘煮は、市販のものだと甘すぎることがありますが、手作りだと甘さひかえめで、しつこくありません。
▲ふっくら仕上がった金時豆。「金時豆や鴨ロースなどは、お正月のおせち料理にも取り入れることができますよ」(藤田さん)

参加者したみなさんからも、「見た目に高級感があって家でも作りたいと思います」「ボリュームも栄養もたっぷりで大満足です!」などの声が。

旬の食材で季節の訪れを感じて

「スーパーマーケットに行った時、見るコーナーがいつも同じになっていませんか?ぜひ、季節の食材が売ってあるコーナーで、ちょっと足を止めてみてください。春の菜の花や、秋のサンマ、冬のクワイなど、旬の食材から季節の訪れを感じるのも楽しいですよ」

日本人が大切にしてきた出汁文化や、和食のおいしさに改めて気づくことができた「すまや京おばんざい教室」。みんなで作ることで、京都の楽しい思い出も増えました。

「いつでも勉強と思って、食べることに興味、関心を持ってほしい。今日だけではすべてをお伝えすることはできませんが、みなさんひとりひとりが、日々の食について考えるきっかけになったらうれしいです」

ぜひ、京都旅のプランに入れてみてはいかがでしょうか。
▲食後にいただいたマンゴーティーと粟ようかん。コーヒーカップは藤田さんの陶芸の先生が焼いたものだそう

撮影 祐實知明
齋藤春菜

齋藤春菜

編集者、ライター。出版・編集プロダクションデコ所属。女性の美容・健康・ライフスタイルに関する書籍、雑誌を多数編集・執筆。文芸、料理、アート本の編集も行う。全国各地へと取材に訪れたさいには地元のおいしいお店を必ずチェックする。編集を担当した本に『お灸のすすめ』『瞑想のすすめ』(ともに池田書店)、『足もとのおしゃれとケア』『わたしらしさのメイク』(ともに技術評論社)、『はじめてのレコード』(DUBOOKS)、『顔望診をはじめよう』、『月の名前』、『健康半分』などがある。

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