冷たくても“温麺”。温かな心から生まれた郷土料理「白石温麺」
宮城県白石市は、伊達政宗の重臣・片倉小十郎景綱(かたくらこじゅうろうかげつな)の城下町。徳川幕府から一国一城令が出された後も、白石城は例外とされ、明治維新まで存続した特別な場所です。その白石には、江戸時代から受け継がれる伝統的な麺料理があります。その名も「白石温麺(しろいしうーめん)」。市内には温麺を手がける製麺所、温麺を味わえる食事処があちらこちらに。今回は、マツダ麺業本舗の直営店「奥州街道 うーめん番所」を訪ねました。
親孝行から生まれた、体にやさしい麺

白石の青年、鈴木味右エ門(みえもん)は、胃病を患った父親のため、消化のいい食べ物を探していました。そんなある日、味右エ門は、旅の僧から油を使わない麺があることを聞き、作り方を学びます。材料は、小麦粉と塩、水。この麺を父親に食べさせたところ、食欲が増し、病状も回復していったとか。
この話はたちまち評判になり、温麺は白石城主への献上品にもなったそうです。そして、人を思いやる温かい心からできた麺ということから、「温麺」と名付けられました。ちなみに、なぜ「温麺」を「うーめん」と呼ぶようになったかは定かではありません。
食材を練り込んだ温麺も!多彩なバリエーションに驚き
店内の売店を見てみると、温麺はもちろん、そば、うどんなどの乾麺がずらりと並んでいます。温麺には、モロヘイヤやニンジン、梅じそ、柿の葉など、さまざまな食材を練り込んだ変わり麺も。このバリエーションの豊富さが、うーめん番所の魅力です。


良質の小麦粉と葛粉を贅沢に使った麺は、強いコシがありながら、口当たりはなめらか。ツルッ、モチッとした豊かな食感を楽しめます。タレは、醤油とエゴマの2種類が付いてきます。

献上品に用いられたという少し長めの温麺を使用

「温麺の名の由来になった“温かな思いやりの心”を忘れずに、お客様に接しています。この店で食事をして、楽しんで帰っていただけるのが一番の喜びです」と松田さん。
4種類の変わり温麺を選んで食べ放題を楽しめる「うーめんバイキング(※)」(1,400円[税込])も、白石温麺を楽しく食べてもらうことを目的にスタートしたといいます。
※「うーめんバイキング」は3人以上、14時以降受付
商品やメニューの多さも、お客様を思う気持ちから。アットホームな雰囲気と、さまざまな温麺料理でもてなしてくれるこの店は、何度も通いたくなる温かなお店です。
奥州街道 うーめん番所
宮城県白石市西益岡町2-3
【営業時間】11:00~18:00(冬期は11:00~17:00)※L.O.閉店30分前、【定休日】木曜
0224-26-2621

加藤亜佳峰
編集者・記者。編集プロダクションMOVE所属。仙台を拠点に、企画・編集・取材・執筆を担当。旅行誌を中心に、情報誌やムック、書籍、パンフレットなど幅広いジャンルの印刷・出版物を手がける。
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