日本のクリスマス発祥の地、山口市の12月は毎日がクリスマス!
日本のクリスマス発祥の地が山口市だということをご存じですか?毎年12月になると、山口市は「クリスマス市」へと名を変え、約50ものイベントやワークショップが繰り広げられます。イブと当日だけでは物足りない!というみなさん、12月は“毎日がクリスマス”の山口へぜひおいでませ!

460年以上前の歴史的事実、日本で初めてのクリスマスミサ
天文20(1551)年、山口を訪れたフランシスコ・サビエル(山口ではザビエルと濁らないのが正式)は、守護大名・大内義隆にキリスト教の布教を許され、その拠点として大道(だいどう)寺(廃寺/名称についても諸説あり)が与えられました。この大道寺こそが、日本で最初の常設教会といわれています。

宣教師たちの書簡集「耶蘇(やそ)会士日本通信」や宣教師ルイス・フロイスが著した「日本史」には、天文21(1552)年12月、大道寺にてキリストの誕生日を祝う降誕祭が初めて行われたという記述があります。
また、平成18(2006)年には、サビエルの故郷スペイン・ナバラ州政府より「クリスマスの日本発祥地」として山口市へ公認書も贈られました。

ゾクゾクするほど感動的なオープニングセレモニー

セレモニーでは300人を超える人たちが集結し、1552年の降誕祭でも歌われたクリスマスを祝う聖歌などが披露されます。音楽を中心に繰り広げられるこの式典は、アーティストとともに会場全体で合唱する楽曲「きずな」で盛り上がりは最高潮に達します。

「ゾクゾクするほど感動的なセレモニーです。イベントの華やかな面も楽しんでもらいたいですが、クリスマス発祥の地として、クリスマス本来の『厳粛さ』やキリスト教を寛容に受け入れた大内文化の素晴らしさも体感してもらいたいです」と「日本のクリスマスは山口から実行委員会」の広報担当・杉本理恵子さんは話します。
「サビエルは、山口の地にキリスト教だけでなく、音楽や芸術などさまざまな西洋文化をもたらしました。室町時代に繁栄を見せた大内文化と西洋文化との融合が現代の山口にも息づいており、『12月、山口市はクリスマス市になる』は、平成に開花した大内文化の一つとわたしたちは考えています」
クリスマス市セレモニー
[日時]12月1日 18:00~
[会場]山口サビエル記念聖堂(山口県山口市亀山町4-1)
旧山口サビエル記念聖堂に対する市民の愛着

なぜ、シンボルは現聖堂ではなく旧聖堂なのか――。
旧聖堂は、昭和27(1952)年、フランシスコ・サビエル来日400年を記念して、市街地中央にあり全体が公園となっている「亀山」の中腹に建てられました。
彼の生誕地であるスペイン・ナバラ州に現存するハビエル城をモデルとする秀麗な姿は、市民に大変親しまれてきました。地元小学校や幼稚園の遠足の定番スポットとして、また多くのカップルが結婚式を挙げた記念の場所としてなど、市民の誰もがいろんな形で聖堂との思い出を持っています。
しかし、残念ながら、平成3(1991)年に火災により焼失。近代的なデザインへと姿を変えた現聖堂が同じ場所に再建されましたが、焼失から20年以上が過ぎた今でも市民には旧聖堂に対する深い愛着が残っています。

日本のクリスマスは山口から点灯式
[日時]12月2日 16:30~
[会場]一の坂川交通交流広場(山口市中河原12-1)
また、シンボルモニュメントの隣には、高さ約8mの「ちょうちんツリー」も出現。約600年続く「山口七夕ちょうちんまつり」(毎年8月に開催)に使用されるちょうちんを用いたもので、サビエルと山口の絆が演出されます。

さらに、広場の横を流れる一の坂川は山口県随一の桜の名所とあって、ピンク色のLEDによって再現される冬の夜桜も必見です。

シンボルモニュメントをはじめとするイルミネーションの点灯は市内のあちこちで楽しめます。


なお、イルミネーションとは別に「クリスマス市を象徴するライトアップ」として「大内の灯」が、サビエルたちが触れたであろう大内文化を代表する「常栄寺雪舟庭」と「瑠璃光寺五重塔」で実施されます。


市街地各所で「クリスマスマーケット」など関連イベント。本物サンタも再び登場!

クリスマスカードコンクール応募作品展、山口クリスマス展
[日時]12月1日~28日 8:00~22:00
[会場]湯田温泉観光回遊拠点施設・狐の足あと(山口市湯田温泉2-1-3)
083-921-8818

やまぐち・フィンランド・クリスマスマーケット
[日時]12月8日 17:00~20:00、9日 11:00~19:00
[会場]山口市民会館中庭(山口市中央2-5-1)
083-928-3423(山口県立大学 国際文化学部)
やまぐちクリスマスストリート
[日時]12月2日10:30~19:00
[会場]山口市新町商店街
083-925-3456(新町商店街協同組合)
クリスマス市宣言とともに解禁される限定カクテル
12月1日より、市内にある湯田温泉を中心とする飲食店で、クリスマス市の「絆」マーク色(下記バッジ参照)のオリジナルカクテル「KIZUNA Cocktail“X”」の提供が解禁されます。
フランシスコ・サビエルの故郷スペイン・ナバラ州の伝統的リキュール「パチャラン」という赤いお酒と、山口県産の「スパークリング日本酒」「みかんジュース」を融合させたカクテルです。

こうして、街を歩けば様々なクリスマスのイベントに出会える12月の山口市。サンタに出会える路線バス「クリスマスバス」も運行(12月1日~31日※サンタ乗車は土日、祝日のみ)されるなど、おすすめイベントは枚挙に暇がありません。
期間中の観光、買い物、飲食には、山口市内各所で販売されている「日クリバッジ」(税込1,000円)の装着もお忘れなく。協賛店舗や施設ごとに、バッチを見せるだけで様々なサービスや割引を受けることができます。

歴史に思いを馳せながら人と人とのつながりをかみしめる―。恋人、家族、仲間、新たに絆を結びたい人やさらに絆を深めたい人と一緒に、ぜひ「クリスマス市」に足を運びませんか。
日本のクリスマスは山口から実行委員会
083-925-2300(山口商工会議所)
[写真提供]
日本のクリスマスは山口から実行委員会/クリスマス市セレモニー、旧聖堂シンボルモニュメント、ちょうちんツリー、各地のイルミネーション
(一財)山口観光コンベンション協会/常栄寺雪舟庭
山口県立大学グローバル人材育成推進プロジェクトチーム/サンタクロース
山口バーテンダークラブ/YAMAGUCHI MIMOZA
※イベント日時は2017年のものです
※写真は2016年以前のものです

兼行太一朗
フリーライター・カメラマンとして、山口県を拠点に活動中。 主に旅行、グルメ、歴史、地方創生などについての書籍やウェブサイトを中心に取材・執筆を行っている。拠点とする山口市では、歴史資源を生かした地域活性化に取り組むNPO法人「大路小路まち・ひとづくりネットワーク」にも所属し、守護大名大内氏や幕末に関する史跡、ゆかりの場所や人物についての取材を担う。(編集/株式会社くらしさ)
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