盛岡発のふんわかもっちり「福田パン」の魅力。昭和を感じる懐かしいおいしさ

2015.12.22 更新

盛岡市民なら、きっと誰もが知っている「福田パン」。おいしさはもちろんだが、人気の秘密は自ら選んだクリームや具材を店頭で塗ってもらう楽しさ。メニューは定番だけで50種類!組み合わせも自由自在だ。

老若男女に愛される、近所のパン屋さん

街なかの小さな通り沿いにある「福田パン」長田町本店。午前7時に店が開くやいなや、通勤通学途中の会社員や学生、親子連れなどが次々やってくる。決して広くない店内に並んだお客さんを、店のスタッフは手際よく応対していく。
▲長田町本店。可愛らしい赤い屋根が目印だ
▲おお、看板のなかにもコッペパンが!

盛岡に暮らす人にとって、「福田パン」は子どもの頃から慣れ親しんだ味。給食をはじめ、子ども会行事やふだんのおやつ、一人暮らしの朝ごはんなど何かと頼りになる存在だ。
▲こんがりキツネ色のコッペパンは、見た目だけで食欲が刺激される
▲ジャムやバター、ホイップクリームなどズラリ並んだ具材の数々

人気の理由は、昔ながらのコッペパンの味わいとそこに挟む具材のバリエーション。そして、店頭で自分が選んだ好きな具材を挟んでもらえることだ。ジャムやクリームなど50種類以上の具材を自由に組み合わせ、自分だけのカスタマイズができる。

どれにしようか、迷うのも楽しい!

さっそく店内に入ると注文用メニューが掲示してある。ジャムやピーナツクリーム、抹茶あんなどの甘い系をはじめ、ポテトサラダやたまご、カレーやハンバーグといった調理系も充実。
▲価格は、学生の財布にもやさしく税込139円から
▲定番メニューのほか、貼り紙に記された限定メニューもあるので見逃さないように!

中でも一番の人気は、あんバター。福田パンの店頭オーダーのうち、3割ほどを占めるテッパンメニューだ。
▲みんなが大好きな「あんバター」(税込159円)

まずはどんな具材を挟むかを決めよう。迷って決められないなら、友人同士で別の種類を頼んでわけ合うのもいい。

この「福田パン」。実は一部のメニューは市内のスーパーなどでも気軽に買える。だからこそ、せっかく店頭で買うならスーパーで買えない調理系の具材を頼んでみたい。

おすすめの一つが野菜たっぷりの「オリジナル野菜サンド」。

トマト、キャベツ、タマネギ、ピーマンなどの野菜とスライスチーズを挟み、マヨネーズ、カラシバターを塗ったヘルシーなパンだ。それだけでも十分だが、コンビーフ、カレー、メンチカツなど好きなものをトッピングすることもできる。

この日は、迷ったあげくハンバーグをトッピング。これ1つで、カロリーも栄養バランスもバッチリだ。
▲オリジナル野菜サンド(税込286円)に、ハンバーグをプラス(合計税込420円)
▲さらに同じく調理系具材からスパゲッティナポリタンとチキンミートを合わせたパンも追加(合計税込278円)
▲注文を受けると、カメラもぶれる素早さでクリームを塗り、袋詰め作業へと進んでいく。その間、わずか数秒!
▲注文したら会計へ進むシステム

1個で栄養もボリュームもたっぷり!

「福田パン」の創業者は、現社長・福田潔(きよし)さんの祖父にあたる福田留吉(とめきち)さんだ。花巻農学校(現・花巻農業高校)時代に宮沢賢治の教え子だったという留吉さんは、その縁で盛岡高等農林学校(現・岩手大学農学部)の教授のもとで働き、その後京都のイースト菌会社へ就職。盛岡に戻って昭和23(1948)年に「福田パン」を開業した。
▲袋や店のマークに描かれたおじさんは、留吉さんが戦後に仙台の工場でパンづくりを教わったカナダ人が母国のパン屋さんで使っていたイラストだという

「昔は原材料の関係で、砂糖などが必要ないフランスパンから始まったそうです。その後食パンが中心の時代を経て、コッペパンをつくるようになりました」と潔さん。
昭和50年頃に地元の岩手大学でパンを販売することになり、学生たちが牛乳1本とパン1個でお腹がいっぱいになるボリュームを、と考えて作り始めたのがコッペパン。具材なしのパン1個と牛乳1本で、大体ごはん1杯とみそ汁1杯分のカロリーに相当するという。

巷では、あんバター1個で1,000キロカロリーとの噂もちらほら。潔さんに聞いたところ、「あんバターでおよそ570キロカロリー」なのだと聞き、ほっとする。
店頭には、幼稚園の注文などで多めにつくったミニサイズのパンが並ぶことも。ただし、クリームは選べないのであしからず。写真は、1/3サイズ(税込70円)で、右は抹茶あん、左はリンゴ&イチゴのミックスジャムとバター。

作り始めた当時からレシピは変わらない。表面がこんがりしていて、中はふんわりしっとり。絶妙な食感と味わいが福田パンの魅力だが、そのレシピは企業秘密。卵や牛乳を使わず、温度管理や発酵の加減に独自の工夫をしてあるという。
盛岡の人に長く愛される「福田パン」。スーパーでも買えるけれど、やはりその場で選んでその場で塗ってもらう喜びは店に足を運んでこそ。まだ未体験の方は、ぜひ一度盛岡の「福田パン」へ。
▲「旅行や仕事のついでにどうぞ」と社長の福田潔さん
水野ひろ子

水野ひろ子

岩手県在住フリーライター。行政や企業等の編集物制作に関わる傍ら、有志とともに立ち上げた「まちの編集室」で、ミニコミ誌「てくり」やムック誌の発行をしている。(編集/株式会社くらしさ)

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