旨みたっぷりの出汁と甲州味噌がベストマッチな「ほうとう」を味わう!
「ほうとう」といえば、言わずと知れた山梨県の代表的郷土料理。小麦粉を練って、太くざっくりと切った麺を野菜と一緒に味噌仕立ての汁で煮込んだ料理です。山梨県では観光客向けのチェーン店から、地元の人が気軽に寄れる小さく家庭的なお店まで様々あります。

地元の人もわざわざ食べにくる「金峰」のほうとう

「金峰」のほうとうは、観光客のみならず、ほうとうを家庭で食べ慣れてきた地元の人にもとても愛されています。旨みが凝縮した出汁と甲州味噌が合わさった汁はさっぱりとしていてとても口当たりがよく、麺との相性が抜群。たしかに家庭では味わったことのない、なんとも上品な味なのです。

そして、隠れた人気メニューがほうとうに追加でのせるトッピング。1番の人気は“にんにくのすりおろし”とのこと。他にもチーズ、納豆、バターなど、おおよそ今までほうとうと一緒に食べたことがない食材との組み合わせは試す価値ありです。
また、「金峰」では店主が厳選した和食を引き立てるワインや日本酒など山梨ならではの地酒も楽しめます。馬刺(1,200円・税込)や鳥もつ(550円・税込)などの一品料理も多いので、夜の営業ではお酒を飲んで〆の一杯にほうとうを食すという玄人な食べ方もおすすめです。

家庭の数だけほうとうの味もある
1973年に創業した「金峰」は、現在2代目店主の宮原和彦さんが切り盛りしています。宮原さんは、大学卒業後に割烹料理店などで修業を始め、寿司や活け魚料理などの本格的な和食の技術を学びました。その後、父親が体調を崩したことをきっかけに、28歳の時に山梨に戻って跡を継ぐことになりました。

宮原さんが代を継いでからの「金峰」のほうとうは、基本の食材を吟味するところから始まりました。麺には山梨県北杜市産の無農薬小麦粉を使用。コシと香りがとても良くなったそう。


うどんとの違いは、汁がほどよくからむように幅広く麺を切るところ。麺を下茹ですることなく打ち粉ごと具材と一緒に煮込み、モチモチとした食感に仕上げます。

出汁も化学調味料は一切使わず、鰹節、鯖節、椎茸、昆布、煮干しをたっぷり使って1日かけて旨みを抽出します。そこに、米と麦をミックスした山梨ならではの甲州味噌を合わせることで最高のほうとうの汁が出来上がります。


使う野菜に決まりはないのですが、かぼちゃを入れることが一般的。煮込んだかぼちゃが汁に溶け込んでとろとろになります。「金峰」では「野菜ほうとう」の他にも、きのこほうとう(1,190円・税込)、肉ほうとう(1,190円・税込)、甲州地鶏ほうとう(1,510円・税込)などがあります。
熱々のイメージのほうとうですが、「おざら」という冷やしたほうとう料理もあり、これは温かい汁に付けて食べるつけ麺方式。夏季限定のお店が多い中、「金峰」では通年で食べることができます。

郷土で愛されるほうとうの歴史

「うまいもんだよ、カボチャのほうとう」という言葉が山梨には伝わっています。物事がうまく運んだときに口にする、山梨ならではの合いの手のようなもの。このようにほうとうは山梨県民の食生活の一部となり、家庭やお店で進化を続け、これからも受け継がれていくことでしょう。

金峰
山梨県甲府市徳行1-13-18
[営業時間]11:00~14:00(L.O.13:30)、17:00~22:00(L.O.21:30)
[定休日]水曜日
055-226-5493

土屋誠
山梨の人や暮らしを伝えるフリーマガジン『BEEK』編集長、アートディレクター。山梨を拠点に、編集やデザインで地域やモノゴトを伝える仕事をしています。本屋さんが好きなので、休みができたらもっぱら本屋に出没。2児の父としても奮闘中。(編集/株式会社くらしさ)
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
この記事の関連キーワード
こちらもおすすめ
甲府で体験できるプラン
-
オンライン予約OK
【山梨・南甲府】手づくりアクセサリー体験とミュージアム見学
約60分|5,000円(税込) / 人
甲府
-
オンライン予約OK
【山梨・甲府】あま~く実ったイチゴ狩り30分食べ放題農園カフ…
約30分|1,400円(税込) / 人
甲府
-
オンライン予約OK
【山梨・甲府】ジュエリーの産地・山梨で研磨体験!カボションカ…
約30分|1,200円(税込) / 人
甲府
-
オンライン予約OK
【山梨・甲府】あま~く実ったイチゴ狩り30分食べ放題 農園カ…
約30分|1,900円(税込) / 人
甲府
-
オンライン予約OK
【山梨・甲府】あま~く実ったイチゴ狩り30分食べ放題 農園カ…
約30分|1,800円(税込) / 人
甲府