石川・山中温泉で木の器作り体験/クリエイター女子が行く!Vol.11

2016.01.08

こんにちは。フリーでイラストレーターをしています五島です。「ものづくりに興味はあるけどどこで体験できるのか分からない、なかなか行動に移せない……」この企画は、そんな悩めるあなたのために、クリエイター女子を代表してわたくしが全国各地で「ものづくり」を体験しまくります。そして、ものづくり体験の思い出を描き下ろしのイラスト付きでお送りします!前回は山中温泉でゆかたべさん人形の絵付け体験をしてきました。さてさて今回は…?

▲絵本の中にでてきそうな森

ひゃーさむいさむい……。
みなさん、この季節は温泉が恋しくなりますよね?

はい。
わざとらしい問いかけでしたが、本日も前回に引き続き石川県は山中温泉からお送りいたします。
温泉って気持ちいいよなあ~。

山中温泉がある石川県加賀市周辺は緑が多く、少し散歩するだけで自然を満喫できます。
こおろぎ橋や鶴仙渓などの絶景スポットもたくさんあるので、カメラ好きの方にはたまらないかも!

木目、モクメ、mokume

今日はここ山中温泉で、木の器作りを体験しちゃいます!

みなさんは木の器と聞いて、パッと作り方が思い浮かびますか?
私はさっぱり浮かびません。
ですが、あえて調べずに挑戦しようと思います。ドキドキ!

この辺りは昔からの土産物屋さんや食事処が多く、体験施設がある雰囲気がないのですが……。

…………ん?
▲も……くめ……?

ってあったーーー!
「mokume(もくめ)」って書いてある!
絶対ここじゃないですか。木の良~い香りが漂ってるもん。
▲めちゃんこ洒落てる

改めましてこちら、木地師(きじし)のお店「mokume」さんです。
木地師とは、ろくろを用いてお椀やお盆などの木工品を作る職人さんのことなんですって。
店内には体験工房スペースの他、木地師による器やお箸を購入できるショップも併設されています。

ろくろを使って器を作るなんて、想像がつかない!
粘土のろくろとはどう違うんだろう?

それにしても、店内の雰囲気も器もすっごく美しいなあ……。
手作り品だなんて嘘みたいだ。
▲ぬくもりのある雰囲気

いくつかの体験コースの中で今回は、本格的な食器として使える器作りにチャレンジします。

めざせ!全問正解

まずはエプロンを装着したのち、木地師である佐藤先生にご挨拶。
▲本日はお世話になります!

先生「こんにちは。今日はよろしくお願いします。本格コースということですが、きちんとサポートしながら体験していただくので安心してくださいね。」

はい、わたしがんばります!(先生すっげえかっこいい)

先生「実は体験の前に、いくつかクイズを用意しているんですよ。身近なようで実は知らない木のことを、少しお伝えできればと思います。」

えっクイズ!なんだか楽しそう。全問正解して先生に褒められたい。
▲最初は香りを当てるクイズ
▲第2問は木片を触って考えています

詳しいクイズの内容は内緒です。へへへ、すみません。
ぜひmokumeさんを訪れて体験してみてください!

先生「どうですか?木の製品や木造の建物など、普段いろんなところで木と近い生活をしているにも関わらず、じっくり木を見つめる機会というのはなかなか無いものですよね」

おっしゃる通りです。見て触って嗅いで、五感をフル活用しました。
肝心のクイズの結果は、3問中2問正解。惜しかった~!!
▲正解すると超嬉しい

ろくろにびっくりドッキドキ

頭を使って脳が働きまくったところで、いよいよ器作りのはじまりです。

工房にはさらに木の香りが広がって、本格的な雰囲気にちょっと緊張。
▲か、かっけええええ

先生「それでは、器の形を選びましょう。丸い形、底の高さなどお好みで調節できますよ」

型が決まっているのかと思いきや、それも自分で調整するんですね。
まさに世界に一つだけの器!
▲丸くて底があるタイプにしようと思います

先生「器は、ろくろを使って余分な木を削り形成しています。これを木地挽(び)き、といいます。鉋(かんな)の種類もいくつかあって、作りたい形によって使い分けるんですよ。まず私が手本をお見せしますね」

ろくろにかんな……名前は知っているけれど、もちろん使うのははじめて。
▲ろくろに器の型をセットします
▲おもむろに、ギュイイイイイィィィーーン!!!!

おわああああ!?

す、すごい!勢い良く木片が飛び散っている。
少しずつ削るもんかと思いきや、想像を越えるスピード感。
当たり前かもしれませんが、全く動揺しない先生もすごい。

そしてなんだろう、ずっと見ていたくなる気持ち良さがありますね。
キャンプファイヤーの炎を見つめるみたいに、木が削られていくのをぼーっと眺めていたい……。

先生「あはは、最初はみなさん驚かれますね。でもやってみると意外に快感ですよ。さあ、体験してみましょう。しっかり手の位置が決まっているので、力を抜かないようがんばってください」

快感選手権第1位

▲しっかり押さえて、っと……

これ、かんなを押さえるだけでも結構な筋肉を使います。
先生からはそんな気配感じなかったのになあ……。
特に私は手が短いので大変だ。

準備ができたら、初木地挽きスタート!
▲再びギュイイイイイィィィーーン!!!!

う、うわー!!なんだこれ本当に気持ち良い!

もっと突っかかるだろうと心配だったけど、先生の補助もありすごく滑らかに削れました。
木って意外と柔らかいんだなあ。硬いものを削っている感覚じゃないんですよ。
ピーラーで野菜の皮を剥く感じに近いかも。

言葉で伝えるのはとても難しいのですが、「快感ランキング」をつけるとしたら今まで生きてきた中で確実に1位ですね。
伝わらないかこれじゃ。

先生「どうしても男性的な体験だと思われがちですが、実は女性のお客様がすごく多いんですよ。しかも、女性の方が上手。男性はこだわりすぎちゃったりするので(笑)今のところいい感じですよ。この調子でどんどん形をだしていきましょう」

確かに、細かいところにこだわりだしたらキリが無さそうだ。

ようし、やるぞー!
▲外はすっかり暗くなりました

構える体勢やかんなの押さえ方が難しくて、何度も先生にご指導いただきました。
先生の手はとても大きくて指が長くて、木地師になるために生まれてきたのかもしれない。
しかもかっこよくて教えるのも上手。
こりゃあ女性が通い詰めるわ……。
▲そんなこんなで底の部分ができてきた!

だんだんと丸く愛らしいフォルムになってきました。
かんなの刃を当てる角度によって削られ方も変わるので、まさに変幻自在。
底の部分が浮き上がってきた時は、鳥肌が立つ程の感動!

ここまでで大体30分くらい作業をしたわけですが、職人さんはどのくらいの時間でひとつの器を仕上げるのでしょうか?

先生「そうですね、一日に100個作ることもあるので、ひとつ辺りおよそ3~5分程度でしょうか。一日中こもって作業することもありますよ。かといって今回はあくまでも体験なので、焦らないでくださいね」

衝撃。3分ですって……!
私があくびをしていた3分で、鼻をかんでいた3分で、職人さんは器をひとつ削っていたんだ。
時間の大切さを改めて考えさせられました。くう~!
▲かんなを持ち替えて仕上げのひと削り

夢中で作業に没頭していると、いつの間にやら恐怖心はさっぱり消えていました。
それよりもどんどん姿を変えていく器にうっとり。ツルツルまんまる!

手は力を入れすぎてしびれてきたけれど、作る楽しさが勝っちゃいますねこれは。

見とれるくらい、かっこいい

納得のいく形に削れたところで、私の作業は終了でーす!
▲うっっしゃーーー!!

底の部分など、最後は先生が丁寧に仕上げてくれます。
▲やっぱり先生ちょうかっこいいな
▲これにて、完成

で、できたあー!なんだかあっという間でした。

あんなにザラッとしていた木が、ここまでスベスベになるなんて。
お手本のように綺麗にできて嬉しいよう!

今回の体験を終えて感じたのは、木はたくさんの表情を持っていること、生き物のように変化すること。
実際に触れてみて作ってみて、ものを長く愛するのは素晴らしいことだと実感。
木は私たちの生活に欠かせない存在なのに、知らないことだらけだったなあ。

先生「お疲れさまでした。上手にできましたね。ここから私たち職人が漆で仕上げて、ご自宅までお届けします。木地師という存在はあまり知られていませんが、体験を通して身近に感じてもらえたら嬉しいですね」

見た目だけでなく、全てがかっこいい佐藤先生。
ありがとうございました!
▲素敵な1日になりました

美味しさ倍増、木の器

後日、待ちに待った器が届きました。
こちらご覧ください。
▲「モクマイスター」の認定証付き。おしゃれだなあ
▲神々しい

ひええ、かっこいいし!
これ本当に私が削った器かな……?
触り心地も滑らかで抜群です。
▲お味噌汁をよそってみました

うわあ、一段と美味しそうに見える。
いただきます!

……いやね、ここまで褒めると逆に怪しいと思われそうですが、口当たりが違う。
まじで違う。
これから毎日使おう。

あとは、一緒にお味噌汁を飲んでくれる方を探すだけだ。イエーイ!

きょうのいちまい



五島夕夏

五島夕夏

桑沢デザイン研究所卒業。学生時代ロシアの絵本に大きく影響を受け、絵本画家を志す。現在はサロンのレセプションをしながら、イラストレーターとして活動中。

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