静かな夜の白馬村で、あまーいチョコフォンデュとホットワインパーティ!“夜のスノーシューツアー”

2016.02.15

長野県の北西部、白馬連峰に抱かれた白馬村は、豊かな自然に恵まれ、登山やスキーなど、通年観光客で賑わう活気ある村です。1998年に開催された冬季長野オリンピックの会場となったことで、世界的にも知名度が広まりました。そんな白馬村で人気なのが、「エヴァーグリーン バックカントリー ガイドズ」のナイトスノーシュー。静寂に包まれた夜の森で、チョコフォンデュとホットワインを味わえるツアーです。

▲アウトドアで甘いものを食べるって、どうしてこんなに幸せなんでしょう

「ナイトスノーシューツアーin白馬」は山麓に広がる夜の森に分け入り、チョコフォンデュを味わうという楽しいツアー。2時間ほどのライトな行程で、体力に自信がなくてもチャレンジできます。いったん、アウトドアーセンターに集まり、そこから積雪状況によって山麓の森に車で移動。今回は村の北部に広がる森を散策します。

「エヴァーグリーン バックカントリー ガイドズ」には、世界各国からスタッフが集まっています。今回のガイドはカナダ出身のジェームズ・ロブさん。日本に来て15年のジェームズさんは日本語が堪能。ユニークな会話を交えながら、楽しく案内してくれます。
▲スタート地点に到着したらさっそくスノーシューを装着

ツアーの散策ポイントは、雪のコンディションによってガイドが選びます。今回到着した先は夜のスキー場。はじめはスキー場内を進み、途中から森の中に入っていくというプランです。

日中は賑やかなスキー場も夜は人の姿のない静かな世界。同じ場所でも昼と夜では印象がまったく違います。街灯などない暗闇のなか、ジェームズさんのヘッドライトの灯りを頼りにスノーシューを装着。いよいよ夜の雪山散策が始まります。
▲先がまったく見えない雪山を進んでいきます

子供もシニアも気軽に楽しめるアクティビティ

「スノーシューは初めて履いてもすぐ歩けます。子供もシニアも楽しめるとっても手軽なアクティビティなんですよ」と話すジェームズさん。山を登るのではなく、なだらかな場所を散策するツアーなので、息切れせずのんびり歩けます。

ジェームズさんは、テレビで冬季長野オリンピックを見て白馬にあこがれ、ワーキングホリデーで訪れた後、移住を決意したのだとか。白馬の自然をこよなく愛し、冬はスノーシューやバックカントリースキー、夏はマウンテンバイクやカヤック、トレッキングなど幅広いアクティビティのガイドを務めています。
▲白馬村で暮らすカナダ人のジェームズさん。爽やかスマイルのナイスガイです

真っ暗で静寂に包まれた雪山を歩く

この日は風のない穏やかな天候で、冷え込みもそれほど厳さのない過ごしやすい状況。とはいえ、山の天候は変わりやすいので、防寒対策はしっかりしておきたいもの。防寒性の高いインナーを着こみ、冬用のジャケットやパンツ、グローブや帽子でしっかり保温し、身支度はばっちりです。雪のコンディションは、引き締まっていたり柔らかかったり、その日によって変わるのだそうです。
▲ジェームズさんの後に付いて進まないと足元が見えません

スタート地点付近には、スキー場施設の非常灯のわずかな灯りがあったものの、進むうちにそれも遠くなり、どんどん闇が深くなります。車の騒音も街の喧騒も聞こえない、静まり返った山に響くのは、雪を踏みしめる音と息遣いだけ。なんとも非日常的な世界です。
▲暗闇にヘッドライトの灯りだけが浮かぶ夜の雪山。日常ではなかなか味わえない体験です

雪が途切れた場所など、気をつけるポイントがあれば、ジェームズさんがその都度止まって注意を促してくれます。手を差し伸べたり、「軽くジャンプして越えちゃいましょう」と声をかけたり、丁寧にサポートしてくれます。
▲暗くて見えない場所でもサポートしてくれるから安心
▲溝があって渡りにくい場所もジェームズさんが親切にサポートしてくれます

これは誰の足跡でしょう?

森には夜に活動する動物がたくさんいます。白馬の森に住む動物は、野ウサギやカモシカ、キツネなど。運がよければ出会えることもあるそうですが、なかなか姿は見られません。でも、雪の上には彼らが通った足跡が残っています。
▲のんびり散策しながら足跡探し

動物の足跡があると「ここにあるね」と、ジェームズさんがライトで照らしてくれます。カモシカはどっしりとした太い足、キツネはたてにまっすぐ歩く、ウサギははねて前足を付いたら、さらにその前に後ろ足を付くなど、動物によって歩き方も足跡も違います。

ジェームズさんいわく、「キツネと柴犬の足跡はとっても似ている」のだそう。「見分け方のポイントは足跡の側に人間の足跡があるかどうかですね。柴犬なら人と一緒に散歩しているから」と、笑いを誘う楽しい説明をしてくれます。
▲これはカモシカの足跡。「進行方向はこっち」とジェームズさんが矢印を書いてくれました
▲カモシカの足跡は2本の蹄の跡が残ることも特徴。足跡を見つけたら覗きこんでじっくり鑑賞したい
▲左下から右上へと進んでいったウサギの足跡。「手前のたて並びの足跡が前足、その先に横並びに付いた跡が後ろ足なんですよ」と、ジェームズさん。ウサギの足跡はとてもおもしろい

足跡探しをしながらなだらかな傾斜をのんびり進み、途中からスキー場のコースをそれて、こんもりとした丘を登ります。コースをそれると降った雪がそのまま残るフィールドになり、動物たちのように自分の足跡を雪上に残しながら進みます。
▲コースをそれて森のそばへ。この先はどうなっているのかな?

小さな丘を登ると、あたりは自然味あふれる雰囲気に。平坦な場所が広がり、休憩にぴったりです。本日の舞台はここに決定!ナイトスノーシューのお楽しみタイムがいよいよ始まります。
▲このあたりは森が近いので風から身を守れます。足を投げ出して座れる平坦な場所なので、まさに休憩にうってつけのポイント

ツアーのメインイベントはおいしいチョコフォンデュ

ナイトスノーシューツアーのメインイベントは雪上でいただくチョコフォンデュ。今宵は丘の平地でいただくことにします。ジェームズさんがバックパックからコンロやポット、食材などを次々と取り出し、手早く準備してくれます。

チョコの入った鍋を火にかけ、かき混ぜて溶かしたら「はい、もうOK!食べましょう!」と、ジェームズさん。「え?もう準備できたの?」と驚くほど、あっという間にチョコフォンデュの準備が整います。
▲場所を決めたらその後の行動はとても迅速
▲チョコから湯気が立ち上りはじめただけで、幸せな気分になるので不思議

体を温めてくれるホットドリンクやホットワインなども用意してくれます。「ホットワインは、有名レストランのレシピで作った特製スパイスワインだよ」と、ジェームズさんがウインク。シナモンやクローブなどのスパイスのほか、オレンジピールやハチミツなどを加えており、その配合バランスも大切なのだとか。香りも味わいも豊かで、つい何杯もおかわりしたくなっちゃいます。

ライト代わりにキャンドルを灯し、雪上に並べた風景も幻想的。雪がキャンドルのやさしい光に照らされ、炎と一緒にゆらめきます。ほっとひと息つくと、息が白く立ち上り、空に吸い込まれて闇夜に消えていく。夜の雪山は本当にロマンチックで、そこにいるだけで心がやすらぎます。
▲キャンドルは、ずっと見ていても飽きない癒やしの灯り
▲キャンドルライトに囲まれた、夜のチョコフォンデュパーティー

チョコフォンデュの具はバナナやイチゴなどのフルーツ類。リンゴがあるところに長野県らしさを感じます。たくさん用意された具は、みんなでシェアできる十分なボリューム。そして、チョコとホットワインの相性がまたいいんです。
▲たっぷりチョコをからめていただきます

この日は空に薄雲がかかっていて満天の星は望めませんでしたが、静かな夜の雪山は十分堪能できました。新月の夜は星空鑑賞、満月のときは月光に浮かぶ神秘の森、雪降る夜は幻想的な空模様と、山は訪れるごとにさまざまな表情で迎え入れてくれます。
▲白馬の自然について、いろんな話をしてくれるジェームズさん

休憩を満喫したらスタート地点まで戻り、車で集合場所のアウトドアーセンターへ。そこから宿などに戻る手段がない場合は、宿泊先が村内ならば直接そこまで送迎してくれます。なお、「エヴァーグリーン バックカントリー ガイドズ」では、日中も「白馬スノーシューツアー」を開催。半日・終日ツアーと、仲間内だけで楽しめるプライベートツアーがあります。
▲帰りはゆるやかな下り道。ホットワインで体がぽかぽかとあたたまり、夜の寒さもへっちゃらです

物音ひとつしない静まりかえった夜の雪山は、まるで時間がとまっているかのよう。見上げる空やとりまく森のすべてを独り占めしている気分になります。自然の素晴らしさに元気をもらい、来た道を戻るときは、行きより足取りが軽く感じられました。
栗山ちほ

栗山ちほ

フリーライター&エディター。編集プロダクションや出版社勤務を経て独立。アウトドアとスノースポーツを得意とし、夏は登山、冬はスキーやスノーボードに親しみ、ルポやアイテム紹介などの記事や編集を担当。カルチャー誌や料理雑誌、インタビューなど幅広いジャンルのライティングを手がけている。

※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新の情報は直接取材先へお問い合わせください。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
PAGE TOP