横浜名物・崎陽軒の「シウマイ」。見学予約者殺到中の横浜工場に潜入

2016.02.07

おいしいシウマイ、き~ようけん~~♪の歌でもおなじみ。横浜の名物といえば、まず一番に崎陽軒の「シウマイ」を思い浮かべる人も多いはず。このシウマイを1日になんと80万個も製造するという横浜工場の見学は、3カ月前の予約受付開始日には、即日定員がいっぱいになってしまうほどの大人気。子供連れから年配者まで、幅広い年代の人々を虜にする、シウマイ工場に潜入してみました!

新横浜駅からバスで約10分。年間1万人以上が訪れるという「崎陽軒 横浜工場」へ

昭和3(1928)年の発売以来、ハマっこたちの食卓で、旅行者のお弁当や横浜土産として愛され続ける崎陽軒のシウマイ。横浜みやげの定番中の定番、赤いパッケージのシウマイは、新横浜駅からバスで約10分(第三京浜道路港北ICから横浜市道新横浜元石川線を新横浜方面へ車で進むとすぐ目の前)のところにある、「崎陽軒 横浜工場」で製造されているのだそうです。見学してこそわかる、横浜の歴史と共に歩んできた崎陽軒の足跡、シウマイのおいしさの秘密、みんなに愛される理由などをレポートします。

工場見学の実施日時は、水・木・金・土曜日の10:30~12:00、13:00~14:30の1日2回。定員は1名~50名で、3カ月前の1日から受付開始。予約は電話での受付とのことです。本日は待ちに待った見学の日。高鳴る期待を胸にさっそく入ってみましょう。

崎陽軒の公式キャラクター“ひょうちゃん”おん年61歳(!!)がお出迎え

▲工場の入口には列車風の内装もユニークなプチミュージアムショップが。見学後に立ち寄るのが楽しみ!
エントランスで受付をすませたら、衛生管理が行き届いた食品の工場らしく、靴を脱いでスリッパに履き替えます。いつも食べているシウマイができるところを見たいということで、地元横浜の人たちをはじめ遠方からの来場者も多く、なんと年間1万人以上が訪れるとか。見学ルートへ続くエレベーターの前では、崎陽軒の公式キャラクター(ひょうたん型のしょう油入れ)ご存じ“ひょうちゃん”の記念撮影パネルがひょうきんな笑顔で迎えてくれました。
▲2015年には還暦(60歳!)を迎えたというおなじみのキャラクター“ひょうちゃん”はシウマイのしょう油入れとして活躍。1個1個表情が違うため長年のコレクターも多いのだそう
▲帰りは大きな“ひょうちゃん”から顔を出して記念撮影しようっと!

エレベーターに乗って5階ホールへ。所要時間約90分の工場見学START

▲昭和30年代の駅売りの販売員やシウマイ娘と記念撮影できる再現ブース
▲崎陽軒の販売スタッフ「シウマイ娘」の赤い制服が子供用から大人用までズラリ。ここで自由に着用して記念撮影できるのも楽しい
明治41(1908)年に横浜駅構内の売店として創業したという「崎陽軒」。昭和3(1928)年に横浜の名物として「シウマイ」を売り出し、列車の乗客にホーム上からの手売りもしていたそうです。
エレベーターを5階で降りると目の前に出現するのは、昭和30年代の販売風景を再現したブース。当時はこんな雰囲気だったんだなと、一挙にタイムスリップした気分になれました。
ホールへ続く壁には創業期から現在まで、歴代のお弁当のかけ紙がずらり。現在の「シウマイ弁当」のかけ紙をよく見ると、ベイブリッジやみなとみらいなどヨコハマの風景が。
崎陽軒のシウマイが誕生したそもそものきかっけは、横浜駅が東京駅に近すぎたため、駅弁の販売には不向きだったことから。何か横浜の名物をと、当時の中華街で突き出しとして出されていたシューマイに目を付け、中華街から点心師をスカウト。ゆれる列車の中で食べてもこぼれないよう、冷めてもおいしい一口サイズの食べやすいシウマイを開発したところ、今やすっかり横浜名物の代表選手になったのだそう。初代社長の逆転の発想が見事に活かされていたのですね。その後、昭和29(1954)年に誕生したシウマイ弁当も大評判。そのかけ紙は何度かリニューアルされ、その時代時代の横浜の風景が描かれています。

まずは、崎陽軒の歴史&シウマイの製造工程をVTRで学びます

▲席へ着くと、手元に資料が。工場見学後の試食もここ5階ホールで
ホールに案内され着席すると、VTRで崎陽軒の歩みやシウマイの製造工程のレクチャーが始まります。横浜とともに歩んできた100年以上の歴史、シウマイの原材料やひょうちゃんのことなど、知っているようで知らなかった事実が次々に明らかに。実際の工場見学への期待もますます高まります。
【豆知識1.シウマイ娘って?】
ホール内には崎陽軒の長い歴史を物語る展示品がズラリ。こちらは、昭和25(1950)年に登場した、シウマイの売り子「シウマイ娘」の歴代コスチューム。カフェのメイド風あり、チャイナドレス風ありとさまざま。身長158cm以上という募集条件をクリアした「シウマイ娘」は憧れの的。シウマイ娘が野球選手と恋に落ちる新聞小説(獅子文六著「やっさもっさ」)も連載されたうえ、昭和28(1953)年にはなんと映画化も!現在もなお崎陽軒の販売スタッフは「シウマイ娘」と呼ばれているそうです。
▲期間限定で登場した還暦記念の赤いちゃんちゃんこを着た“ひょうちゃん”。ゴールドのものは超レア!
▲原田治さん作・2代目“ひょうちゃん”を懐かしがるファンも多い
【豆知識2.“ひょうちゃん”って何者?】
崎陽軒のシウマイに添えられた“ひょうちゃん”は、ひょうたんをモチーフとした磁器製のしょう油入れ。笑ったり、泣いたり、怒ったりと、いろいろとユニークな表情があり、パッケージごとに異なる“ひょうちゃん”に出会えるのも崎陽軒のシウマイの魅力ですね。

昭和30(1955)年に誕生した初代は、「フクちゃん」で有名な漫画家・横山隆一さん作(“ひょうちゃん”という名前も横山先生が命名したそうです)。ポップな2代目は、オサムグッズの原田治さん作。そして現在の3代目は、元祖・横山隆一さんの復刻。瀬戸物で有名な愛知県で作られた“ひょうちゃん”は、「昔ながらのシウマイ」「特製シウマイ」などに入っています。ちなみに、現在の“ひょうちゃん”の肩書は「取締役広報部長」。金色に輝く“ひょうちゃん”は、2015年に迎えた還暦記念の超レアものなんですって!

案内スタッフに導かれ工場見学ルートへ。お弁当の紐の秘密とは?

▲この日の案内スタッフ秋丸浩子さん。明るい笑顔が素敵!
展示されているお弁当のかけ紙や、“ひょうちゃん”について笑顔で説明してくれたのは、この日の案内スタッフ秋丸さん。
「ここを引っ張るだけでお弁当にかけられた紐は、するりとほどけるんですよ」と、まるでマジックさながらの手つきで、シウマイ弁当のパッケージの紐をするり。別工場で作られるシウマイ弁当の紐を結ぶのは、今でも熟練のスタッフたちの手仕事なんだとか。こんなところにも創業期から続くこだわりが感じられますね。

製造個数は1日約80万個!いよいよ実際のシウマイ製造工程を見学

▲豚肉、タマネギ、干し帆立貝柱、グリーンピース、でんぷん、調味料のみ。保存料などは使用しないシウマイの具材はごくごくシンプル
ミキシングされた具材は空中台車で搬送され、ダイナミックにスロープを滑り落ち、成形機へ。1回分の重量は35kg(シウマイ2,600個分)!手で握って作っていたときのように、しっとりした食感が出るように工夫されているそうです。
成形されたシウマイは、人の目でしっかり検品された後、フリーザーで冷凍。常温で出荷されるものは、約95度の蒸し器でたっぷり10分ほど蒸した後冷まし、箱詰めされます。
続いて「真空パックシウマイ」の真空パック工程を見学。実は「真空パック」という名称を日本で最初に使ったのは、ここ崎陽軒。移載ロボットから押し出されたシウマイは真空包装された後、加熱・加圧殺菌されます。
機械化が進んでいるとはいえ、最後までスタッフの手でしっかり確認。仕分け作業を経た後、専用トラックでただちに出来立ての商品が続々と出荷されていくのです。

見学後はお待ちかね、できたてシウマイと横濱月餅の無料試食タイム♪

▲できたてアツアツのシウマイを食べられるのは、工場見学した人だけの特権。“ひょうちゃん”のしょう油入れは持ち帰りOK!
見学後ホールへ戻ると、待っていたのはお楽しみの試食タイム。できたてシウマイと横濱月餅などの中華菓子が見学者にふるまわれます。冷めててもおいしいなと思っていた崎陽軒のシウマイ。ホカホカできたてだと、素材の風味がぐっと増しているよう。いつもよりさらにおいしく感じられました。
▲崎陽軒の人気商品の一つ「横濱月餅」。餡は小豆のほか抹茶大納言、栗、黒ごまなど種類も豊富。チョコ&チョコなど季節限定商品も
この日は、パッケージもカラフルで可愛い新商品「PINE CUBE(パインキューブ)」も試食に登場。日本人の口に合うよう試作に試作を重ねた横浜のパイナップルケーキは、いくつ食べても飽きないよう、本場・台湾のものよりも比較的あっさりテイストに仕上げたとか( 1箱税込500円)。※試食内容は日によって異なります

プチミュージアムショップに立ち寄って「工場できたて熱々メニュー」もイートイン

試食の後は、お土産を探しにプチミュージアムショップへ。予約不要で誰でも立ち寄ることができるこのショップは、工場見学気分を楽しく気軽に体験できるスポットです。崎陽軒の人気商品をはじめオリジナルグッズがズラリと並ぶ店内で、蒸したてアツアツメニューのイートインもOK。電車風の座席の窓は、46型のタッチパネルディスプレイになっていて、シウマイの製造工程や崎陽軒の歴史など、興味のあることや知りたいことをピンポイントで学ぶこともできるんです。
▲崎陽軒とつながりが深い電車をモチーフとしたプチミュージアムショップ。電車に乗った気分でイートインできます
▲セイロで蒸したての熱々メニューが魅力のプチミュージアムショップ。価格も工場直販ということで、ちょっぴりお得に設定されています。昔ながらのシウマイは3個(100円)、えびシウマイ・かにシウマイ盛り合せ各1個入り(150円)、肉まん・あんまん(各150円)※すべて税込
▲「なぜ“シウマイ”と表記するのか?」「横浜工場で1日に作られるシウマイの数は何個でしょう?」など、クイズ問題がいろいろ用意されているのも楽しいタッチパネル。興味深い崎陽軒のヒストリーも紐解くことができます
▲ちょっぴりめずらしい「シウマイまん」3個(税込100円)。大きなひょうちゃんのしょう油さしも、税込650円で販売されています
まさに横浜と共に歩んできたヨコハマの地元企業・崎陽軒。その長い歴史やシウマイのおいしさの秘密、ものづくりへの取り組みの姿勢を楽しくおいしく学べた工場見学は、お腹も満足したうえに、なんだかいろんな豆知識も増えて充実感たっぷり。なるほど、ここだけでしかできない特別な体験こそが、常に大人気の理由だったのだと納得できました。「楽しかったよ」「シウマイは実はね…」「ひょうちゃんってね…」と、帰った後はお土産話も盛り上がりそうな工場見学、ぜひ一度体験してみてくださいね。

今回のおみやげ

▲左から横濱月餅5種詰合せ(680円)、シウマイまん(500円)、肉まん3個入(600円)※すべて税込
ゴトウヤスコ

ゴトウヤスコ

ホテル、レストラン、神社、婚礼、旅、食、暦&歳時記、ものづくりなどの広告コピー、雑誌記事、インタビュー記事などを多数執筆し、言葉で人と人をつなぎ、心に響くものごとを伝える。旅は、基本一人旅好き。温泉、パワースポット、絶景、おいしいものがあるところなら、好奇心がおもむくままどこへでも。得意技は、手土産&グルメハンティング。最近は伝統.芸能、日本刀、蓄音機など和文化への興味を深堀中。読書会なども開催。(制作会社CLINK:クリンク)

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