クラシカルなミュージアムカフェ・バー「Cafe1894」で“アートを食す”!

2015.06.19

近代的な商業施設や一流企業のオフィスビルがずらりと立ち並び、まさに“東京のビジネスの中心地”と言った風景が広がる丸の内界隈。このエリアに、熱心なアートファンから注目を集める施設があることをご存知でしょうか?その名も「三菱一号館美術館」。年に3回企画展を開催しているこの美術館は、その展示内容はもちろんのこと、明治時代に竣工した建物を復元したクラシックな赤レンガの建物が魅力です。併設されているミュージアムカフェ・バー「Cafe1894」も大人気。明治期に銀行営業室として使用していた空間を復元し、カフェ・バーとして営業しているというのです。その素敵な雰囲気を体感しに、早速足を運んでみました!

誰もが不思議と“懐かしさ”を覚える、心地良さに溢れた空間

JR東京駅の丸の内南口から、歩いて5分ほどの場所に佇む建物が、三菱一号館美術館。中に入らずとも、外観から既に素敵な雰囲気が漂っていて、風格すら感じます。

お目当ての「Cafe1894」があるのは、この建物の1階部分の一角。外観がこんなに魅力的とあらば、店内もさぞ素晴らしいのだろうと、期待に胸が高鳴ります。
入口付近で、広報の嶋田さんと合流。嶋田さんによると、この建物は1894年の建設当時、メゾネットタイプの貸しオフィスビルだったそう。そして現在カフェになっている部分が、三菱の銀行営業室として使われていたこともあるといいます。

「1894年当時の姿を忠実に復元するために、製造方法などの細部までほぼオーダーメイド・ハンドメイドなんです。

たとえばこの外壁の赤レンガ。これは、中国のレンガ工場で、一つひとつ型に土を詰めて作ったものです。というのも、現在日本で作られているレンガは、四角い粘土をワイヤーで切って仕上げるのが普通。それだと表面がツルッとしすぎて、建物が本来持っていたであろう柔らかな風合いが出ないんですね。そこで、中国の工場に製造を依頼し、色味や大きさの基準に通った230万個ものレンガを運んできました。

カフェの中にも色々なこだわりがありますから、早速中に入りましょう!」
扉を開けてまず目に飛び込んできたのが、金色の枠組みと、中心部をアーチ型にくり抜いたガラスが印象的なカウンター(写真左)。一見、単なる仕切りにも見えますが、実はこれ、かつての銀行の窓口を復元したものだそう!今の銀行の窓口も、こんなデザインだったらおしゃれだと思いませんか?

「ちなみに建物の外側のガラス窓は、建て替える前の新丸ビルに使われていたガラスを再利用しています。最新技術で作られた歪みのないガラスでは、赤レンガの風合いに合わないので、あえて再利用したものを使っているんですよ」

かつての姿が、細部まで徹底的に表現されていることに感動した筆者。さらに「すごい!」と心を奪われたのが……。
この開放感です!はるか上方に見える天井までの高さは、なんと8mもあるそう。そのおかげか、重厚な造りにも関わらず、とてものびのびとした心地いい空間になっていました。店内は多くのお客さんで賑わっていましたが、窮屈な印象もありません。

「この建物を建てた頃は電気ではなくガス灯だったのですが、当時は昼間にガスが供給されていなかったため、明かりがつきませんでした。でもここは銀行でしたから、業務をするのに十分な光を取り入れるために、天井を高くしたと言われています。それと、柱の上部を見てください。荘厳な印象の飾りが丁寧に彫られていますよね。これは、3人の職人が半年をかけて彫ったものなんです。使われているタモ材は非常に固いので、それほどの長い時間を要したそうですよ。柱の真ん中には支柱があり、そこに中央をくり抜いたタモ材をはめ込んでいます」

芸術は舌で味わうもの!?展覧会の余韻に浸れるメニューをオーダー!

クラシカルな世界に胸をときめかせつつ案内されたのは、窓際の席。四季折々の景色が眺められる窓際は、やはり人気が高いそうです。

「ちなみに展覧会が開催されていない期間は、美術館への来場者も少なくなりますので、比較的お店に入りやすいですよ。開催期間中でも、月曜日は美術館が休館なので狙い目です。展覧会とセットで当店を楽しみたいなら、平日の15時~17時頃が入りやすいかと思います!」
さて、この日のもう一つのお目当ては「食」!ここ「Cafe1894」は、美術館に併設されているカフェだけあって、開催されている展覧会とのタイアップメニューが提供されているんです。

今回いただいたのは、2015年6月27日(土)からスタートした河鍋暁斎(きょうさい)の展覧会「画鬼 暁斎 幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」にあわせて生まれたメニュー。その名も「文明開化ランチ」です。

「暁斎は同じ人が描いたとは思えないくらい、様々なスタイルの絵を生み出す人でした。実はこの建物を設計したイギリス人のジョサイア・コンドルは、暁斎の弟子でもあったんですよ。また暁斎は新しいもの好きで、外国の文化にも興味深々。洋食も好んで食べていたそうです。そんな好奇心旺盛な彼をイメージして、このメニューが生まれました」
まず最初に運ばれてきたのは、食前酒の甘酒。ノンアルコールで独特のクセがなく、飲みやすい!キーンと冷やされている甘酒というのも新鮮です(江戸時代には夏バテ防止ドリンクとして、冷たい甘酒が飲まれていたそう!)。鼻に抜ける夏らしいすだちの香りがとっても爽やかで、スッキリとした飲み口でした。
次に運ばれてきたのが、写真奥の前菜。焼きなすと蒸し穴子のテリーヌを、バルサミコ酢の酸味が効いたソースに絡めていただきます。こちらも夏ならではの食材・みょうがの爽やかな香りと辛みが、良いアクセントになっていました。

そして最後に、写真手前のメインディッシュが登場! 
こちらは、八丁味噌を使ったデミグラスソースで煮込んだ、牛肉の煮込み。大きな塊のお肉に気分が上がります。お口に運ぶとほろっと柔らか。そして非常にコクがあって濃厚なソースが、お肉の旨みとしっかりマッチします。サッパリとした前菜に比べ、濃い目の味わいで満足感もたっぷり!

「タイアップメニューは、展覧会の5~6ヶ月前に、シェフとパティシエに展覧会の内容をレクチャーしてから開発しています。展覧会鑑賞後、その余韻に浸りたいという想いに駆られるお客様が多いのか、とっても人気がありますよ」

舌でアートを楽しむとは、とってもユニークな体験ですよね!美術館での思い出が、さらに印象深いものになりそうです。
そして、さらに気になるものを発見。こちら、TVドラマ『天皇の料理番』(TBS系)とのコラボメニューなんです(※)。オーダーできる期間は限られていますが、こうして色々な料理を提供しているとなると、次に訪れたときにはどんな味に出合えるだろう?と楽しみになりますね。
(※コラボメニューの提供期間は7月12日(日)までとなります。)

ランチ、ティータイム、そしてディナーと、時間帯によって様々な料理が味わえる「Cafe1894」。穏やかな空気が流れるこの空間で、みなさんもちょっとタイムスリップした気分に浸りながら、のんびりとした食の時間を満喫してみては?
山田彩

山田彩

編集プロダクション・エフェクト所属の編集者&ライター。終電にすべり込むドタバタな日々の活力は、なんと言ってもごはんです。おいしいものがあると聞けば、好奇心と食欲にまかせ、全国どこでもひとっ飛び。一人ラーメン、一人モツ鍋だってどんとこい!な心意気です。食、街、旅、住宅など、ジャンルを問わずお仕事中。 編集:山葉のぶゆき(エフェクト)

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