乳白色の湯に浸かって雪見風呂。秘湯ファン憧れの「乳頭温泉郷」へ

2016.03.09

自然豊かな秋田県は、名湯・秘湯の宝庫。中でも「乳頭温泉郷」は、さまざまな人気秘湯ランキングで常に上位にランクイン。タイムスリップしたかのような“ひなびた風情”と、10種類以上の泉質が湧き出る恵み豊かな環境から、秘湯ファン憧れの地として知られています。

「乳頭温泉郷」があるのは、秋田県仙北市田沢湖地区。水深423.4mで深さ日本一の湖、田沢湖から山あいの道を20kmほど進んだ乳頭山麓に、7軒の湯宿(鶴の湯温泉、妙乃湯、蟹場温泉、大釜温泉、孫六温泉、黒湯温泉、休暇村乳頭温泉郷)が点在しています。
▲地元の方いわく、これでも雪は例年の半分以下の量(2016年1月撮影)

ブナの森に囲まれた山道を奥へ、奥へ。どこまでも続く純白の雪景色と、森に満ちる澄んだ冷気は、神秘的ですらあります。この静寂の先に、秘湯が待っているかと思うとなんだかワクワクしちゃいます。

藩政時代にタイムスリップ!?昔の風情がそのまま残る「鶴の湯温泉」

最初に向かったのは、乳頭温泉郷の中で最も歴史が古い「鶴の湯温泉」。藩政時代、秋田藩主の湯治場として利用されていました。入り口では巨大な「かまくら」がお出迎え。雪国ならではの情緒がいいですね。
▲「火の用心」の文字がいい味を出す昔ながらの半鐘
▲敷地内の建物はどれも素朴な雰囲気の木造

藩主警護の武士が詰め所としていた利用していた茅葺屋根の長屋は、当時の姿のまま、現在は宿泊棟として使われています。建物は、明治時代に建て替えられ、修繕されたものです。
▲向かって左側の建物が「本陣」で現在は宿泊棟
▲休憩所のある「二号館」は昭和30年代に建てられたもの
▲休憩所に入ると、そこはまるで昭和!薪ストーブから響く、パチパチという薪の焼ける音が心を和ませます

そして、いよいよお待ちかねの露天風呂へ!鶴の湯温泉といえば、乳白色の湯で知られる混浴の大露天風呂が有名ですが、今回は「混浴はちょっと…」という女性でも安心できる女性専用の露天風呂を堪能してきました!
▲こちらが女性専用の露天風呂
▲鶴の湯には泉質の異なる4つの源泉がありますが、女性専用露天風呂の湯は、かすかに硫黄の香りがします

肌にしっとりとなじむ乳白色の湯に浸かりながら、雪山を眺めて現実逃避…。しんしんと降る雪、大自然の静寂、のんびり流れる時間を感じながら、頭の中を空っぽに…。

湯上りには、乳頭温泉郷の名物「山の芋鍋」はいかがでしょうか。山の芋のとろろを団子状にして山菜やきのこ、セリなどの野菜とともに煮込んだ料理です。山の芋団子はもっちりした食感。具材の旨味たっぷりのスープは味噌仕立てで体がよく温まります。

宿泊した場合には囲炉裏端で鍋を味わいつつ、秋田の地酒も心ゆくまで。ランチの場合は、御膳で味わうことができます。
▲乳頭温泉郷名物「山の芋鍋」(写真は夕食時に提供されるイメージ。価格は宿泊料に含まれています。ランチは別途問合せ)

温泉も建物も、食事も、流れる時間も、藩政時代にタイムスリップしたような不思議な感覚に包まれる「鶴の湯温泉」。心が洗われる秘湯です。

まだまだ、秘湯ファンの心をくすぐる名湯いっぱい

ほかにも、味のある温泉が数々ある「乳頭温泉郷」。その一部をご紹介します。
▲“山の薬湯”と呼ばれる「孫六温泉」

先達川の渓流沿いに立つ「孫六温泉」。冬はしんしんと積もる雪の静けさに包まれて、夏は川のせせらぎをBGMに入浴できます。
▲内湯(混浴)の1つ「石の湯」
▲ブナに囲まれた「休暇村乳頭温泉郷」の露天風呂

「休暇村乳頭温泉郷」は、近代的なホテルタイプの宿。ブナの美林に囲まれた露天風呂は、温泉に浸かりながら森の清々しさも体感できます。

さらに、秘湯の“ツウ”な楽しみ方があるんです!

「乳頭温泉郷」を日帰り入浴のみで利用するのはもったいない!宿泊したお客さんだけの、こんなうれしい特典があるんです。
▲左「湯めぐり帖」(税込1,550円)、右「湯めぐり帖ライト」(税込510円)
※2016年4月~「湯めぐり帖」は税込1,800円に。「湯めぐり帖ライト」は「湯めぐりマップ」に名称を変更して税込600円になります。

宿泊のお客さんのみ利用できる「湯めぐり帖」を使えば、乳頭温泉郷の7つの湯宿の温泉をすべて利用することができます。しかも、有効期限は1年間で、各宿を結ぶ循環バス「湯めぐり号」の乗車券付き。「湯めぐり号」利用のみのチケットで有効期限はその日限りの「湯めぐり帖ライト」もあります。
※黒湯温泉は、冬季休業しています(営業期間:4月下旬~11月下旬)。乳頭温泉郷に関するお問い合わせは、仙北市田沢湖観光情報センター「フォレイク」までどうぞ。(以下参照)
▲湯めぐり号を利用すれば温泉郷内の移動が楽ちん

冬は雪見風呂、初夏から秋は、ブナの森でのウォーキングと湯めぐりを楽しんで、“秘湯ざんまい”の贅沢なひと時を。大自然と温泉のパワーが心身に染みわたります。
高橋チカコ

高橋チカコ

秋田在住のエディター、ライター。広告代理店、制作プロダクション勤務を経て、フリーランスに。農業、グルメ、観光、秋田のご当地情報などさまざまな記事を執筆中。特技は、葉や花を見て何の野菜か当てられること。趣味は、山菜採り(見習い中)。

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