沖縄の暮らしを体験するなら、おじいとおばあの「民泊」がおすすめ!

2016.03.24

みなさんは沖縄へ旅行に行く際、どこに泊まりますか?ホテル?民宿?それともゲストハウス?筆者のオススメは農家を中心とした一般家庭に宿泊する、ホームステイ型の「民泊」というスタイルです。今回、沖縄北部のやんばる地方で「民泊」を体験し、夫婦でその魅力にハマってしまいました!

東村の金城さん家に泊まる!

1軒目に「民泊」させてもらったのは、東村(ひがしそん)にある金城(きんじょう)さん宅。「ただいま~」おもわずそう発してしまいそうな民家へお邪魔すると、「疲れたでしょ?まぁこれでも食べて」と早速手作りのサーターアンダギーを持ったお母さんがお出迎え。おもわずほっこりこちらも笑みがこぼれます。
▲お料理上手な金城たか子さん。あだ名は「たかちん」
▲揚げたてのサーターアンダギーはサックサク!

到着が夕方だったため、促されるまま、まずはシャワーを浴びることに。その間、夫はお父さんと早速カンパイ!普段、中高生を受け入れることの多い金城家のお父さん、大人が来る時にはお酒を一緒にたしなむのが楽しみなんだとか。
▲若い頃東京で働いていたこともあるという、金城良武(よしたけ)さん
▲「かーりー!」。沖縄の方言(ウチナーグチ)でカンパイという意味だそう

夕飯は畑の野菜を使った沖縄の家庭料理。
お父さんがウチナーグチで「召し上がれ」を言い、こちらがポカンとしていると、同じくウチナーグチで「いただきます」を教えてくれました。いただきますが「くゎっちーさびら」で、ごちそうさまが「くゎっちーさびたん」。
▲お父さん流の「召し上がれ」の儀式

これまでに複数回沖縄に行ったことがあったのに、恥ずかしながら方言の一つも知りませんでした。こうした沖縄の日常に触れられるところが、「民泊」の良さなのでしょうね。
▲左手前から時計まわりに、アグー豚の味噌焼き・かぼちゃの煮物と大根の炒め物添え、ソーキ汁、キンピラごぼう、クーブイリチー(千切り昆布の炒め物)、サラダ、ジューシー(混ぜごはん)

どれも健康的でバランスのとれたお袋の味。他にも沖縄の青い魚「イラブチャー(アオブダイ)」やもずくの天婦羅など、沖縄尽くしでおもてなしいただきました!

沖縄の郷土菓子「サーターアンダギー」の作り方を教わる

食後は働き者のたかちんによる、サーターアンダギーづくり講座。那覇の国際通りなどで食べたことはあっても、これまで作ったことはありません。これは嬉しい経験です。
▲手際よく生地づくりを進める、たかちん
▲レシピはたかちんのお姉さん直伝だそう

卵に牛乳、バター、ベーキングパウダーを加えて混ぜ、黒砂糖、小麦粉もそれぞれ混ぜ合わせたら生地の出来上がり。これを濡らした手にスプーンで取ってお団子状に丸めたら、180度に温めた油の中へ。
▲お鍋はたかちんのおばあさんから受け継いだ、サーターアンダギー用の揚げ鍋だそう

最初は油の下に沈んでいたお団子が徐々に浮いてきて、プクプクと泡を立てる油の中で、クルクルとダンスを踊るように自ら回転し始めました。
▲こんがりとおいしそうに色づいてきたサーターアンダギー

最初は小さすぎたかな?と思ったお団子も10~15分揚げていくうちに、2倍ほどの大きさになりました。サーターアンダギーならではの割れも出てきたら、頃合いをみて油から取り出して完成です。
▲沖縄では人が集まる時に作るという定番のおやつ、サーターアンダギー

思っていたより簡単に作れて、これからホームパーティなどの際に手軽に再現できそうです!これまでは沖縄に行っても“食べる&観る”専門だったのが、「民泊」では“触れられる&学べる”のもいいところです。

翌朝は家の前にあるパイナップル畑を見学。日中、希望者は実際に畑で農業体験もできます。パイナップルがどのように実るのかを知れたり、普段都会の生活で縁のない土に触れられるのもいい経験になりますね。
▲金城家のある東村は日本一のパイナップル生産量を誇る

金武町の渡慶次さん家に泊まる!

続いて2軒目、金武町(きんちょう)にある、渡慶次さん宅へ。家に入るとすぐにお孫さんの写真やたくさんのお花が飾られていて、とってもアットホームです。

まずは自己紹介から。お父さんが名前を書いた紙を見せながら「何て読むかわかるか?」って。確かに初めて見た苗字で読めません。渡慶次(とけし)賀祐(がゆう)さんと悦子さん。

「こないだある会合で苗字の名札をつけていたら、『渡慶次(わたりけいじ)さん』って言われたよ(笑)」とお父さん。これで一生、渡慶次さんの読み方は忘れなさそうです。

渡慶次家のある金武町にはタコライス発祥のお店があり、2010年には重さ746kgのジャンボタコライスを作ってギネス記録に認定されるなど、「タコライス世界一の町」を謳っています。各家庭にもそれぞれタコライスの味があると聞いて、お母さんのレシピを教えてもらうことに!
▲料理をたくさん作っておもてなしをするのが大好きと話す、悦子さん

ニンニクを油で炒めて、玉ねぎのみじん切りと合挽き肉も炒めたら、そこに調味料を次々入れていきます。とんかつソースに、ケチャップ、トマトジュース、コリアンダー、チリパウダー、ナツメグパウダー、一味唐辛子、クミンパウダー。
▲調味料の分量はお母さんの感覚で。クミンパウダーは香り付けにたっぷり入れるのがコツだそう
▲調味料がよく混ざって味が馴染んだら、タコライス用のお肉の出来上がり
▲ごはんにタコライス用のお肉、レタス、トマト、チーズをのせてケチャップをかけたら完成!

3人の息子さんを育て上げた渡慶次夫妻の元には、男子学生が泊まることが多く、食欲旺盛な彼らにいつもタコライスを大量に作ってもてなすそう。日中仕事をしているお母さんはこのお肉を作れる時に準備して保存しているといいます。タコライス用のお肉は冷蔵および冷凍保存が効くので、常備菜としても活躍してくれますね。

三線に惚れる

タコライスが出来たところで、お母さんが別に用意してくれていた沖縄料理でカンパイ!どれも優しい味わいでお箸が進みます。ゆし豆腐スープはお父さんいわく、二日酔いの朝にもいいそう。
▲中央から時計まわりに、アボカドサラダ、ゆし豆腐のスープ、島らっきょうの味噌和え、ゴーヤチャンプルー、てびち、海ぶどう、タコライス
▲一緒に食卓を囲むと初対面な気がしません(撮影:牧野裕子)

そして、夕飯後には三線(さんしん)奏者のお父さんが、三線に合わせて沖縄民謡を披露してくれました。いやぁ、こんなに近くで生の民謡が聞けるとは思ってもいませんでした!
▲お父さんは三線、お母さんは琉球太鼓が得意だそう

そしてなんと!直接三線を弾かせてもらえることに。こんな機会滅多にありません。お父さんの指導で、しばらくすると島唄のイントロだけなんとか弾けるように!初めて触れた三線は、聞くのも心地いいものですが、実際に自分で奏でるとその魅力にどっぷりハマってしまいました。
▲ついつい夢中になってしまった三線。夫は本気で土産店で買おうかと検討したほど

渡慶次夫妻は2009年から「民泊」の受け入れを始め、これまでに中高生を中心になんと累計630名ほどを受け入れてきたそう。何よりも子どもが大好きで、息子さんたちが巣立ってさみしいなか、全国各地に子どもや孫が増えていくのが嬉しいと話す2人。
▲一見強面のお父さんですが、実はとっても涙もろく、子どもたちと別れる時はいつも涙してしまうそう

「大人を受け入れる『大人の民泊』はどうですか?」と尋ねてみると、「変わらないわね、みんなと接することで私たち自身が元気になれるし、沖縄のいい思い出を持って帰ってもらえたら嬉しいから」と笑顔で答えてくれました。話を聞いていると、渡慶次ご夫妻は子ども好きというより、人間が好きというのがひしひしと伝わってきました。
ウチナーグチで「いちゃりば ちょーでー」とは、「出逢ったら兄弟」というような意味。たったの一晩ずつでしたが、「民泊」はなんだかおばあちゃんの家に遊びに来たような、そんな不思議な感覚に陥りました。

「またいつでも来てちょうだいね」そう見送られながら、沖縄に来たらまた両家に会いに戻ってこよう、そう決意した今回の旅。キレイな海においしいグルメ、見所満載な沖縄ですが、沖縄のリアルな暮らしに触れられ、文化も体感できる「民泊」を旅の目的に組み込んでみませんか?
長谷川浩史・梨紗(株式会社くらしさ)

長谷川浩史・梨紗(株式会社くらしさ)

広告出版社を退職後、世界一周、日本一周を経て「くらしさ」を設立。全国各地のモノ・コト・ヒトを伝え、つないでいく活動に尽力している。全国の仕事人に会いに行ける旅「Life Design Journey」も運営。http://lifedesign-j.com/

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