タコライス発祥の店「キンタコ」。創業者一族が語る“ツウ”な食べ方!
今やカフェの定番メニューとしても定着しつつある「タコライス」。その発祥の店が、沖縄県金武町(きんちょう)にあります。“キンタコ”の愛称で知られる「キングタコス」。その創業者一族に“ツウ”な食べ方を教わりました!※本記事の情報は取材時点のものです。最新情報は直接施設にお問い合わせください。

その生まれは沖縄本島の北部にある金武町。那覇空港から高速道路で約1時間の、米軍基地「キャンプ・ハンセン」を有する町には、アメリカの街を思わせる雰囲気が漂っています。

夜にはバーやクラブなど米兵を中心に活気あふれますが、日中は意外と静か。そんな閑静な街なかに、ひときわ賑わう一角があります。それが今回ご紹介する「キングタコス 金武本店」。

軒先にも堂々と看板が掲げられる通り、タコライス発祥のお店です。


看板商品のタコライスはもちろんのこと、タコスにハンバーガー、フライライス(炒飯)にチキンまで、多様なメニューがあります。初めての人には目移りしてしまうほど。

その中でも、多くの人のお目当てはもちろん「タコライス」。

また、その中にも「タコライスチーズ」、「タコライスチーズ野菜」に加え、「タコチキンフライライス」なんてものまであり、何を頼めば良いのか悩ましいほどです。
2代目社長直伝の“ツウ”なタコライスの食べ方

そうくったくのない笑顔で教えてくれたのは、キンタコの2代目社長、島袋小百合さんです。
そんな彼女に、なかでもオススメを伺うと、
「実はソースが2種類用意されていて、タコライスチーズにオススメなのが“ケチャップ”、タコライスチーズ野菜にオススメなのがオリジナルの“タコソース”。両方を味わいたいなら、タコライスチーズ野菜を頼んでください!」
とのこと。
言われた通りに注文すると、沖縄らしい笑顔が光る店員さんが、こぼれんばかりに盛り付けられた「タコライスチーズ野菜」を手渡してくれました。



「野菜を片方に寄せて、野菜側には“タコソース”、チーズ側には“ケチャップ”をかけるんです。そうすれば両方のオススメの味が楽しめますよ!」
ほほー、なるほど!これは確かにツウな食べ方!早速、言われた通りの“スプレッドソース掛け(勝手に命名)”をしてみました。

では早速、タコソースがけの「タコライスチーズ野菜」から賞味。

美味ーい!!味付けされたひき肉に、チーズのコク、レタスのシャキシャキ感、それに加わるタコソースの辛味が、口の中で絶妙のハーモニーを奏でます。これは病みつきになる味わいです!
ただ、辛いのが苦手な筆者にとっては、タコソースの辛味が徐々に効いてきます。そこで、ケチャップがけのタコライスチーズの方を。すると、甘いケチャップによって、口の中が中和されるのです。一度で二度おいしいとは、まさにこのこと!

試しに、ソースを逆にして食べてみたのですが、島袋さんの言うように、確かにチーズ野菜にはタコソース、チーズにはケチャップの方が合う印象。タコソースの酸味と辛みが、ドレッシングのように野菜とマッチするからでしょうか。もちろん好みによるのであしからず。
「濃厚な味わいが好きでしたら、『タコチキンフライライスチーズ』もオススメですよ!」
そう島袋さんが話すのは、鶏肉入りの炒飯の上に、ひき肉とチーズを載せたこちらの逸品。


こちらも美味しーい!!おっしゃる通り、味がさらに濃厚な印象!飲んだ後など、少し濃い味を欲している時にはもってこいの味わいです。
「タコライス」誕生秘話
そう次から次へと裏話を教えてくれる島袋さんは、キンタコの創業者、儀保松三(ぎぼまつぞう)さんのお孫さん。30歳にしてキンタコを引き継いだそう。
「祖父は基地近くの街を転々としながら、米兵向けのバーを営んでいました。ただ、米兵同士のケンカがある度に、off limits(立ち入り禁止)になってしまって、商売あがったりの繰り返しだったそうです」

そんな折、キャンプ・ハンセンが誕生すると、こぞって金武町で商売を始める人が増加。1984年、儀保さんも元中華料理屋の店舗を借りて商売に乗り出しますが、後発だったため、何か新しいものを提供しないと、という想いがあったんだそう。
「お金に余裕のない若い米兵にもお腹いっぱいになってもらえるよう、“安くてスピーディーに満腹になれる料理”を考えたそうです」
そこで考案されたのが当時、基地でも提供されていた「タコス」をヒントにした「タコライス」。英語ができなくても「タコ&ライス」は説明しやすかったんだとか。

得体の知れない料理は、はじめ周りからも馬鹿にされたそうですが、徐々に売れ出してくると、周辺のお店もタコライスを真似するように。ですが、儀保さんは「カレーライスみたいなもんだから」と、商標登録しなかったそうです。
その翌年、物件が契約更新できないかもしれない事態になり、同じ金武町内に新しい物件を契約。その際、「お店の名前に負けないように、いつまでも頑張ってタコライスを作ろう!」と命名されたのが、新店舗「キングタコス」でした。

こうして安くて美味しくて満腹になれる料理として、米軍や観光客に評判を呼んだタコライスは、徐々に市民権を得ていったのです。
今では日本に留まらず、ニューヨークやロス、フロリダでも提供されているというタコライス。店舗の出店依頼の話も多いそうですが、県外に出店する意向はないと島袋さんは話します。
「キンタコの味は沖縄で食べて欲しいですから。今、運営している県内7店舗は全て、一族で経営しているんです。祖父が与えてくれた家族の宝(=タコライス)は、家族でつないでいきたい」
タコライス生みの親である儀保松三さんは、2015年、85年の人生に終止符を打たれました。しかし、島袋さんたち家族によって確実に引き継がれていっている、キンタコの元祖タコライス。沖縄を訪れる際には、絶対に食べておきたい逸品です!
キングタコス 金武本店
沖縄県国頭群金武町字金武4244-4
[営業時間]10:30~21:00 L.O.
[定休日]なし
090-1947-1684(道案内などはこちらにお問い合わせ下さい)

長谷川浩史・梨紗(株式会社くらしさ)
広告出版社を退職後、世界一周、日本一周を経て「くらしさ」を設立。全国各地のモノ・コト・ヒトを伝え、つないでいく活動に尽力している。全国の仕事人に会いに行ける旅「Life Design Journey」も運営。http://lifedesign-j.com/
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
この記事の関連キーワード
こちらもおすすめ
恩納村・沖縄中部で体験できるプラン
-
オンライン予約OK
【沖縄】2歳からOK!海デビューや三世代旅行に◎天然ビーチで…
約3時間|4,800円(税込) / 人
恩納村・沖縄中部
-
オンライン予約OK
【沖縄・恩納村】無人ビーチ上陸シーカヤック&青の洞窟シュノー…
約4~5時間|6,800円(税込) / 人
恩納村・沖縄中部
-
オンライン予約OK
『青の洞窟』1組完全貸切!【ボートクルーズ付き】シュノーケリ…
約4~5時間|5,390円(税込) / 人
恩納村・沖縄中部
-
オンライン予約OK
【絶景テラスでBBQ!】海と青の洞窟を見下ろす抜群のロケーシ…
約2時間|3,200円(税込) / 人
恩納村・沖縄中部
-
オンライン予約OK
【沖縄・嘉手納町】ナイトカヤック~月明かりを頼りに亜熱帯のマ…
約2時間|5,500円(税込) / 人
恩納村・沖縄中部