「フク」や「鯨」は当たり前!唐戸市場の「活きいき馬関街」で超新鮮魚介を味わい尽くす!

2016.04.11

山口県下関市の「唐戸(からと)市場」では、超新鮮な魚介をネタににぎり寿司や海鮮丼などが味わえる「活きいき馬関街(ばかんがい)」が大人気。ご当地ネタに多数出合え、しかもすべてがリーズナブル!美味しく堪能しながらその魅力を探ってきました!

本州の西の端に位置する山口県下関市は、西日本における漁業の拠点の一つとして発展してきました。山口県の三方をぐるりと囲む日本海、瀬戸内海に加えて東シナ海など付近の海はいずれも好漁場として知られています。

そして、下関漁港や同市の特牛(こっとい)漁港、長門市の仙崎漁港など県内各地で水揚げされた多種多彩な魚介が集まるのが「唐戸市場」です。同市場は、一般向けにも直接小売りが実施される全国でも珍しい形態の市場であり、古くから“関門の台所”として親しまれてきました。
▲唐戸市場は一般の人も自由に出入りでき、観光スポットとしても人気

近年、同市場で観光客に絶大な支持を集めているのが、毎週金、土、日曜と祝日に限定して開かれている「活きいき馬関街」(「馬関」とは昔の下関の通称)。下関の新鮮魚介を美味しく味わってもらおうと始まったイベントで、下関観光の目玉となっています。

その最大の魅力はなんといっても、にぎり寿司の食べ歩き。「ご当地」「旬」「定番」ネタなど、多種多彩な寿司をイベントエリア内に並ぶ店ごとに1貫から購入できます。

「ノドグロ」「ウチワエビ」、おすすめのヒントはお店の人との会話にあり!

「活きいき馬関街」は市場に軒を連ねる卸売商店など19店が中心になって開催されています。あれもこれもと目移り必至の光景を目の前に、食べ歩き方のオススメやコツを「活きいき馬関街」会長の雨森俊介さんに聞きました。
▲会長の雨森さん。ご自身が経営する「雨森商店」はマグロの取り扱いが専門

食べ歩きを“満喫”するために、まずは買い方のコツから。

「寿司の支払いは店ごとにですが、寿司を載せるトレーは各店共通で使えます。最初の店で2貫買って、別の店で今度は3貫というように、いろんなお店をハシゴして、お好みの寿司を載せていってください」と雨森さん。

それでも、目の前にある一つのお店だけでも宝石のようなにぎり寿司たちがずらりと並んでいます。すぐにトレーが一杯になってしまいそう…。
▲もらったトレーに好きなにぎりを載せていく(店によっては載せてくれる場合も)。会計を済ませて、隙間があれば他の店で別の寿司を載せて、その分だけまた会計をする

「フクの専門店があるように、雨森商店ではマグロ、お隣は青魚などと、それぞれに得意な魚がありますので、気軽にお店の人との会話も楽しんでください。自慢の魚や、その日に入荷があったレアな魚など、オススメを教えてくれます」と寿司選びのコツを教えてくれました。

なお、下関では「福」にかけて、また「不遇」を連想させるため「フグ」とは濁りません。下関を訪れたならば、このフクをぜひとも味わっておきたいところですが、雨森さんによると下関近海での水揚げが多い「ノドグロ」や「ウチワエビ」が味わえるのも、唐戸市場ならではなのだとか。さらにこれから夏にかけてはアジやイカが絶品だそうです。また、同じネタであっても「炙り」があったりお店特製のタレが塗られていたりと、店ごとに食べ比べが楽しめるのもポイント。

▲抜群の鮮度で、スーパーなどよりも安い価格設定も人気の秘密。どの店も人だかりができて大賑わい

歩けば歩くほど美味しい発見!「フク」の存在はもはや当たり前

それぞれの店頭ごとに、にぎり寿司や海鮮丼がずらりと並ぶ光景はとにかく圧巻!しかも、多くの店で当たり前のようにフクのにぎり寿司が鎮座しているではありませんか!

最初は、お話を聞かせてもらった雨森さんのお店でにぎり寿司をチョイス。取材に訪れた2月末には、最高級の「トラフク」のにぎり、そしてなんと白子の軍艦巻きも店頭に並んでいました!
▲さすがフクの本場・下関。どの店を見てもトラフクのにぎり(1貫税込200円)が当たり前のように並ぶ ※寿司などの価格は同じネタでもお店によって異なります
▲白子の軍艦巻き(1貫税込200円)

また、かつては「捕鯨の町」として栄えた下関とあって、「鯨」もご当地名物の一つ。国内での流通は減少する一方の鯨肉ですが、「活きいき馬関街」ではフク同様に鯨のにぎりは“定番”の存在とのことです。
▲トラフクのにぎりから時計回りに、山口県産のウニ(しかも特大!300円)、白子の軍艦巻き(200円)、「鯨ベーコン」(100円)、雨森商店さんの専門分野であるマグロの中トロ(200円)、赤エビ(200円)を選び、あっという間にトレーがいっぱいに(全て1貫税込価格)。全部で税込1,600円

市場内にはあちらこちらに飲食スペースが設けられており、お天気さえ良ければ市場の外で関門海峡を往来する船を見ながら味わうこともできます。

では、さっそくいただきます!
▲1階に設けられた食事スペース。早朝にはここで競りが行われている
▲市場2階では場内を観察しながら食事ができる。さあ、次は何を食べる?
▲お天気が良ければ、海を見ながら食事をする人も少なくない

鮮度でここまで違う!素材の美味しさにひたすら絶句!

まずはトラフク。しっかりとした弾力、これぞフクの王様と言われる上品な味わいです。そして白子!フクの身とは一転して、あっという間に口の中でとろける~、そして濃厚~、…恍惚とはまさにこの状態をいうのでしょう。

鯨ベーコンは獣とも魚ともいえない、あっさりしつつも独特な風味がやみつきになりそうです。
▲ひとくせある味わいがたまらない鯨ベーコン
▲生鯨のにぎり(1貫税込300円)もおすすめ。珍しい生鯨も「活きいき馬関街」では当たり前の存在

続いて、ウニの特大軍艦。見た目のインパクトもさることながら、白子とはまた異なる濃厚な味わいがたまりません、これは贅沢~!
▲山口県産のウニも最高級品として人気。ぜひとも味わっておきたい一品
▲中トロは、切り身も大きめ。口に入れた後はあまりの美味しさにしばし絶句

ひとしきり美味しさに感動した後、再び「活きいき馬関街」を巡っていきます。今度はオススメとして教えてもらったノドグロ、ウチワエビがお目当てです!

店によってはフクの唐揚げ、サザエの壺焼き、アワビの串焼きといった揚げ物や焼き物も充実。フク雑炊やフク汁を提供している店もあります。
▲なんとも豪快!アワビが山積みに
▲ウチワエビ(1貫税込400円)を発見!いびつな姿形ながら、その身の美味しさは伊勢エビに優るとも劣らないそう
▲続いて幻の高級魚とも言われるアラ(1貫税込400円)も発見!なかなかお目にかかれないレアネタの一つ
▲またまたあっという間にトレーが一杯に。左奥から時計回りに目的のノドグロ(400円)に加えて、アジ(100円)、アラ、ウチワエビ、お店の特製ダレがぬられたブリ(100円) ※全て1貫税込価格。さらにフクの唐揚げ(1尾税込150円)も確保

第2ラウンド、まずはノドグロの炙りにぎりからいただきます。生の部分と表面の脂分が炙りによって強調され、それぞれの旨みが口の中で一つになって、なんとも優しい味わい…あまりの美味しさに絶句してしまうのは一体何度目でしょうか。
▲お店のおすすめでノドグロは「炙り」をチョイス。おろした生姜がアクセント

今度はウチワエビを頬張ります。お店の人が「伊勢エビにも負けない」と自慢げに話されていたとおり、口いっぱいに広がるこの甘みはたまりません!
▲ウチワエビの身はまるで宝石のような輝き
▲アラの身はフクよりもさらに甘みがあり濃厚な印象でとても上品な味わい。どんなレアネタに出会えるかは行ってからのお楽しみ
▲フクの唐揚げはホクホク。小型のフクでも旨みがしっかり

途中で匂いに誘われて、さらにフク汁(税込400円)を調達。大きなフクの切り身がたくさん!旨みがしっかり溶け込んだ味噌汁はたまらない美味しさです!
▲フク汁はにぎり寿司や海鮮丼と一緒に食べるのがおすすめ

上記で紹介した以外にも、タイ、ハマチ、ブリ、イカ、タコ、イワシ、サーモン、貝類などなど、ネタの種類はさまざま。ほぼすべてが獲れたて捌きたて、鮮度の違いでここまで味が変わるのかと、誰もが驚くこと請け合いです。

腹ごなしに市場内散策。「馬関街」エリア以外でも驚きいっぱい!

「活きいき馬関街」でお腹を満たしたら、ぜひ市場内を散策してみましょう。下関ならではの驚きの光景にたくさん出会えます。
▲お昼が近づくと、「活きいき馬関街」エリアは大賑わい

唐戸市場で特筆すべきは、フク専門店や鯨専門店の存在です。ほかの魚介や海産物と同様に、一般の人でも気軽に買い物ができることから、フクや鯨を目当てに訪れる人も少なくありません。

トラフクなどはやはりそれなりの値段ではありますが、市場の外と比べるととにかく割安!丸ごと身の部分、フク刺し、白子、ひれ、一夜干しなど、種類の豊富さにも驚かされます。
▲唐戸市場にはフク専門店も軒を連ねる。フクは、下関市彦島にあるフク専門の南風泊(はえどまり)市場での競りを経て唐戸市場へと運ばれる
▲家庭で調理できるように毒のある部分が除去されたフクの身
▲フク刺しも山積み
▲ひれ酒用のフクヒレ。手ごろな価格でお土産としても人気

「捨てるところがない」と言われる鯨肉は、肉や内臓の様々な部分が店頭に並びます。今や貴重品となりつつある鯨肉、「馬関街」で味わうだけでなく、お土産にもおすすめです。
▲唐戸市場内の鯨専門店。下関はかつて捕鯨基地として栄え、現在も調査捕鯨船の母港となっている
▲「鯨ベーコン」のほか小腸の「百ヒロ」、舌の「サエズリ」などさまざまな部位が販売されている

なお、唐戸市場では毎年2回、春と秋に「唐戸まつり」が開催されます。2016年の春は4月23日(土)、24日(日)に開かれ、「活きいき馬関街」と同時に「得々お魚市」「特設屋台市」など、さまざまなイベントが市場内の至る所で実施されます。

通常税込400円前後で販売されているフク鍋が税込200円で販売されたり、普段でも割安で購入できる魚介がさらに格安で提供されたりとお楽しみは盛りだくさん。「馬関街」だけでも十分楽しめますが、タイミングが合えばぜひ足を運んでみてください!

雨森さん曰く、「じっくり堪能するなら、午前の早い時間がおすすめです。最近は海外からのツアー客にも評判で、昼頃になると『馬関街』エリアはかなり混雑します。レアなネタほど早くに売り切れてしまう可能性があります」とのこと。

近隣には「しものせき水族館『海響館』」「巌流島」「赤間神宮」「城下町・長府」など見どころスポットが目白押しです。「活きいき馬関街」でしっかり腹ごしらえをして、唐戸市場でお土産も確保。さあ、下関観光へ出発しましょう!
兼行太一朗

兼行太一朗

記者兼営業として、地元山口の地域情報紙に14年間勤務。退職後はNPO法人大路小路ひと・まちづくりネットワークに籍を置き、守護大名大内氏や幕末における歴史資源の取材に携わる。同時にフリーライターとして活動しながら、たまに農業も。自称ネコ写真家。(編集/株式会社くらしさ)

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