春こそ行きたい鹽竈神社。天然記念物の「鹽竈桜」は必見!
宮城県塩竈市の「鹽竈(しおがま)神社」は1200年以上もの歴史をもつといわれる古社。例年4月下旬ごろに国の天然記念物「鹽竈桜(しおがまざくら)」が見頃を迎え、可憐な花々が参拝者をやさしく迎えてくれます。美しく華やいだ春の神社を訪ねてみましょう。(※2019年取材の情報となりますので、最新情報は施設へ直接お問い合わせください。)

「陸奥国一之宮」と称される東北を代表する古社

JR本塩釜駅から表坂入口までは徒歩15分。石造りの鳥居をくぐり、表坂を上ると境内です。
創建年は定かではありませんが、平安時代初期に編纂された「弘仁式(こうにんしき)」に「鹽竈神社」に関する記述が残っていることから、その歴史は1200年を超えるものと想像できます。
古くから「陸奥国一之宮」と呼ばれ、奥州藤原氏や伊達政宗ら、東北の時の権力者からも厚い信仰を集めていた由緒ある神社。現在の社殿は、仙台藩四代・伊達綱村が元禄8(1695)年に工事に着手し、宝永元(1704)年、五代・吉村の時代に完成したものです。


「鹽竈神社」は、国指定の重要文化財。全国でも珍しい「三本殿二拝殿」という社殿構成、正統で装飾を抑えた本殿・幣殿・廻廊の意匠、拝殿の古風な細部様式、門の華やかな様式など、江戸時代中期の価値が高い神社建築として評価されています。

神社の造りに注目しながら、参拝するのもおすすめですよ。
境内を春色に染める、日本古来の貴重な品種「鹽竈桜」

「鹽竈桜」の見頃は例年4月下旬。遅咲きのため、ソメイヨシノなどの見頃が過ぎてから開花します。サトザクラ系の八重桜で、花は淡紅色の大輪。短い花軸に密集して咲くのが特徴です。
堀河天皇の和歌をはじめ、江戸期には井原西鶴の小説や近松門左衛門の戯曲など、さまざまな作品にも登場しており、古くから多くの人々を魅了してきた桜であることがうかがい知れます。

「鹽竈桜」は、古来の有名な品種として、昭和15(1940)年に天然記念物の指定を受けましたが、原木は高齢木だったために枯れてしまい、昭和34(1959)年に一時指定解除に。その後、「鹽竈神社」で懸命な苗木育成と植栽が行われ、昭和62(1987)年に天然記念物として再指定されました。神社では現在も日々、桜の保存に努めているといいます。

天然記念物に指定されている「鹽竈桜」は27本。可憐で清楚に咲く姿は、日本古来の品種ゆえの気品が漂います。思わず写真におさめたくなる美しさです。
「鹽竈神社」では、毎年4月第4日曜に「花まつり」が開かれます。当日は神輿巡行や稚児行列などを実施。塩竈に春を告げる伝統行事です。「鹽竈桜」の開花時期と重なれば、一緒に楽しむことができますね。

この春の桜観賞は、歴史ある神社でのんびりと楽しんでみてはいかがですか。
【鹽竈神社へのアクセス】
東北新幹線「はやぶさ」でJR仙台駅下車(JR東京駅から約90分)、JR仙台駅から仙石線でJR本塩釜駅下車(約30分)、JR本塩釜駅より徒歩約15分
鹽竈神社(しおがまじんじゃ)
宮城県塩竈市一森山1-1
[拝観時間]3月~10月5:00~18:00、 11月~2月5:00~17:00まで 境内の参拝は自由
[定休日]なし
[料金]拝観無料
022-367-1611
※本記事は2016年公開記事を一部更新したものです。

加藤亜佳峰
編集者・記者。編集プロダクションMOVE所属。仙台を拠点に、企画・編集・取材・執筆を担当。旅行誌を中心に、情報誌やムック、書籍、パンフレットなど幅広いジャンルの印刷・出版物を手がける。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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