鈴虫寺 行列のできるお説法。凛と鳴く鈴虫の声に、よりよく生きるヒントを聴く
京都の西、嵐山のほど近く。山の中腹にある鈴虫寺に、多くの参拝者が列をなしているという。聞けば「鈴虫説法」なる講話が目当てだとか。その人気の秘密を伺いに、鈴虫寺を訪れた。

苔むす境内に一年中鳴り響く、
鈴虫の声の重奏(アンサンブル)


心を向ければそれは、幾重にも重なりあっていて、耳をすませるほどに心が静かになる不思議な音だ。


笑い=柔らかな「心のあり方」。
スッと心に染みいる説法


それは八代目の住職が鈴虫の声に耳を傾けていたときのこと。ただひたむきに鳴き続けるその声に感じ入り、「これぞ禅の心である」と悟りを覚えたそうだ。
一年中鳴り響く鈴虫の声と住職の説法に感銘を受けた人々が、いつしか「鈴虫寺」と呼ぶようになった。
身近にあるものに目を向けて、
思惑はなく、ただ今ここにあれ

鈴虫はなんの思惑もなく、ただ鳴いている。我々の耳を楽しませるためでなく、ただその生を全うすべく、鳴いている。
無いものねだりでなく、あるがままの自分を大切に生きる。
そういう心のありかたこそが幸せに繋がるのです、と住職。
鈴虫の声に、大切な生きるヒントが聴こえるようなエピソードだった。
家まで来てくれる幸福地蔵
御守りを持って願掛けへ
説法の中で説明のあった幸福御守(300円)を手に、早速お地蔵様のもとへ…とその前に、書院の前に広がる立派な庭園をぐるり。



願いごとは一つだけ。
お礼参りも忘れずに


ふっと心にさわやかな風が吹き、身軽な心で寺を後にした。
鈴虫寺(華厳寺)
京都府京都市西京区松室地家町31
[拝観時間]9:00~17:00(入門は16:30まで)
[拝観料]大人500円、子供300円(4歳~中学生)
075-381-3830

妙加谷 修久
京都市在住の旅行系ライター兼ディレクター。全国各地に足を運び、旨いモノを食べ、温泉に浸かる日々。ここ京都を中心に、知っているようで知らない「日本のイイトコロ」を紹介します。日本酒好きが高じて利き酒師の資格を取得しました。
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