「八幡のチャンポン」は、チャンポンの上にチキンカツがオン!?

2016.04.03 更新

北九州市八幡(やはた)エリア。八幡製鉄所で栄えたこの地域には、製鉄所で働く男性たちが安くて栄養を摂れる、ボリュームたっぷりのグルメが豊富。その中の一つ、八幡エリアに住む人たちにとって地元飯というに相応しい「チャンポン」があるらしい…。朝ごはんを抜いて行ってきましたよ!「八幡のチャンポン」へ。

八幡のソウルフードだという「カツのせチャンポン」。
なぜチキンカツ?そもそも、チャンポンと合うのか…?

チャンポンと聞けば、長崎を想像する方は多いはず。いやいや、チャンポン発祥の地長崎ではなく、北九州市八幡にちょっと変わったチャンポンがあるらしい…。八幡周辺エリアに住む人々なら一度は必ず食べたことがあるというそれは、「カツのせチャンポン」。「銀河のチャンポン」と「八幡のチャンポン」の2店で提供されているチャンポンです。元々は親と息子でそれぞれ経営されていたそう。元々JR八幡駅前にあった「銀河のチャンポン」は八枝(やつえ)という場所に移転。現在はその場所に「八幡のチャンポン」があり、甥っ子さんに代替わりされています。
▲「八幡のチャンポン」は、JR八幡駅から徒歩2分!

腹ぺこライター、いよいよ「八幡のチャンポン」へ

取材同行したカメラマン、実は八幡に住んでいたことがあり、
「いやぁ、私は焼きそば派なんですよね~。チャンポンも食べたいなと思うんですけど、いっつも焼きそば頼んじゃうんです~」だそうな。
ほう。チャンポンという屋号がついているものの、チャンポン派と焼きそば派がいるってことですね。ふむふむ。

黄色の看板が印象的な店に入ると、合わせて20席ほどのテーブル席とカウンター席。取材に来られた著名人のサインが壁にぎっしり飾られています。
ちょうど取材に伺ったとき、店員さんがサインを一枚一枚拭いていました。
「取材後にまた、食べに来てくださる方が多いんです。そのとき自分のサインが汚れていたら嫌でしょう…?」
可愛いスタッフさんが話してくださいました。もう、これだけで胸キュンです。
▲ソファや椅子など店内も黄色。マスターがお好きだというビートルズがBGMにかかっています

さっそくメニューを拝見。
ん?チャンポンか焼きそばしかないぞ!

さぁ何を食べようか…とメニューを手に取ると、見てびっくり。
メインはチャンポンと焼きそばのみという潔さ!基本となるであろう「八幡のチャンポン」「八幡の焼きそば」に、「カツの多い」「めんの多い」などプラスαのメニューがズラリ。
▲チャンポンと焼きそば、それぞれ5種類のメニューが
▲店に貼っているメニューも然り。~チャンポン編~
▲こちらも同じく。~焼きそば編~
ここでメニューを解説すると下記の通り。
<チャンポンメニュー>
八幡のチャンポン…基本メニュー、チキンカツ2個乗せ
カツの多いチャンポン…チキンカツ5個乗せ
めんの多いチャンポン…めんの量が2倍
とんかつのせチャンポン…チャンポンにとんかつ1枚乗せ
八幡のミニチャンポン…めんの量が1/2、チキンカツ1個乗せ

<焼きそばメニュー>
八幡の焼きそば…基本メニュー、チキンカツはなし
カツのせ焼きそば…チキンカツ2個乗せ
めんの多い焼きそば…めんの量が1.8倍
めんの多いカツのせ焼きそば…めんの量が1.8倍+チキンカツ2個乗せ
とんかつのせ焼きそば…とんかつ1枚乗せ
とりあえず、私は八幡のチャンポンを。
カメラマンは宣言通り「ん~!やっぱりカツのせ焼きそばで!」。
先ほどのキュートな店員さんが仰るには、
「常連のみなさんは、チャンポンと焼きそばに加えて、手羽のから揚げとミニ助六も頼まれるんですよ」と。

…これは取材なのだ、頼まねばなるまい!
じゃあ、手羽のから揚げとミニ助六もお願いします!!

手羽のから揚げとミニ助六をつまみつつ
チャンポンor焼きそばを待つべし…!

▲手羽のから揚げは1本90円(注文は2本から)、ミニ助六は220円※いずれも税込
注文からほどなくしてミニ助六が、少し時間をおいて手羽のから揚げが運ばれてきました。腹ペコ状態にはたまらないサイドメニュー。揚げたての手羽のから揚げがジューシーでたまりません…!ミニ助六も具だくさんの巻きずしといなりで食べごたえあり!
オーナーは以前寿司屋で修行されたらしく、「八幡のチャンポン」を継いだ後もサイドメニューとして提供しているのだそう。
なるほど、本格的な味わいに納得です。
常連さんが2名で来られる場合、チャンポンと焼きそばを1つずつ+手羽のから揚げ2本+ミニ助六を注文し、シェアして食べる方が多いのだとか。
取材時は昼でしたが、夜はチャンポンと焼きそばを待つ間、ビールと手羽のから揚げで晩酌する常連さんも多いとか。良いですね~。

満を持して登場の「八幡のチャンポン」!
本当にカツが乗ってる~!

▲八幡のチャンポン780円(税込)
いよいよ「八幡のチャンポン」が登場!
ほ、本当にチキンカツが2個どど~んと。
すごいボリューム!これで780円だからお手頃ですよね。
チキンカツは直径5~8cmくらい。子供の拳くらいの大きさはありそう。
スープに浸して食べるも、テーブルにあるソースをつけて食べるもヨシ。
店員さんお勧めは、スープにじっくり浸す食べ方だそうです。

さっそくいただきます!
▲お箸でもつと、けっこうズッシリ!
まずはスープから。
……(ずずずっ!)
何、これ!スープめっちゃうま~い!!
チキンカツにばかり気を取られていましたが、何ですかこのスープのおいしさ。鶏の旨みをぶわっと感じます。さっぱりながらもコクもあるし、まろやか。めんと野菜と一緒に、「チャンポン」としてしばし夢中で味わいました。

そして、いよいよチキンカツ…!
チャンポンに夢中になっている間に、チキンカツがスープをいい感じで吸収しています。結構大きいので、豪快にガブリと!もも肉なので中はとってもジューシーですが、付いている味が鶏ガラスープなので意外とあっさり食べられます。チキンカツから溢れる肉汁が、チャンポンをさらに美味しくしてくれますね~。チキンカツは一個はスープに浸して、一個はソースで食べて味の変化を楽しみました。手羽のから揚げと助六を間に挟みながら、黙々と食べ続け…ふ~満足です。
▲テーブルに備えてあるソースでいただくこともできます

注目すべきはチキンカツだけにあらず!
“スープ”と“卵”も旨さの秘密

▲大きな寸胴鍋にスープがぐつぐつ…
チキンカツにのみ注目されがちですが、食べてわかりました!
人気の秘密は他にもあったのですね。

まずはスープ。写真を見てわかる通り、鶏ガラベースのスープです。なんと鶏肉の胴体部分30kgと丸ごとのニンニクを6時間ほど強火で煮込み、鶏の旨みをぎゅぎゅぎゅ~っと絞り出しております。最後には鶏肉の骨もニンニクもすべて溶けてなくなるというから、まさに鶏が丸ごと詰まっていると言っても過言ではないはず。

そして、もう一つの秘密はというと…。
▲具材の豚肉、キャベツ、もやし、ニンジンなどを手早く炒め、鍋にめんと一緒に投入!
▲そのままスープを入れて煮込み、仕上げは…?
卵!旨みのたっぷり溶けだしたスープに、最後に溶き卵を入れるのです。先ほど感じたスープのまろやかさはこの溶き卵だったのですね!スープのコクと、卵のまろやかさ。炒めた野菜たちとスープと溶き卵…。
すべてが相性バッチリなんです。
▲カツのせ焼きそば840円(税込)
さて、カメラマンが注文したカツのせ焼きそば。こちらにもチキンカツ様が鎮座。香ばしいソース焼きそばに生卵、さらにチキンカツなので食べごたえたっぷりですね。焼きそばの場合は、チキンカツは卵に絡めて…という食べ方がおすすめのようです。カメラマンは、もちろんペロリと完食でした。

そもそも、なぜチキンカツを乗せたのか?

その答えは、スープの製法の中にあり。
スープに使用する鶏を丸ごと仕入れるため、せっかくだから骨以外の鶏肉をチキンカツとしてサービスで提供しよう、という考えから。もちろん、鶏肉を下ごしらえして揚げたてを提供するため手間もかかってます。
カツのせメニューには、「価格を抑えつつも、たくさん美味しく食べてもらいたい」とのお店の願いが込められているのです。
▲次々とチキンカツが揚がります
チャンポンも焼きそばも、それだけでも充分美味しいんです。でも揚げたてのチキンカツが、ここでの食事の時間をさらに美味しく、さらに楽しくしてくれます。観光客にとってはネタのように感じる組み合わせでも、地元の方にとってはしっかりこの地に根付いた“地元飯”。地元に愛され続けるには“ウマイ”という土台があるから。一度ネタとしてでもお試しあれ。きっと病みつきになるはずですから!
桑野智恵

桑野智恵

フリーの雑誌ディレクター/ライター。福岡生まれ、福岡育ちの博多女。3つの出版社を渡り歩き、雑誌編集歴はや18年。3歳娘の子育てをしながら、旅行情報誌を中心に活動中です。

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