本場の味を求めて横浜中華街へ。激ウマ中華の秘密は多彩な香辛料!!

2015.06.16

世界三大料理のひとつである中華料理。麻婆豆腐や餃子など、日本の家庭料理にも浸透している馴染み深い存在ですが、本場の料理人が腕を振るうお店でいただくと、まったく味わいが異なることに驚かされます。これは、珍しい香辛料や調味料を使用しているからなのでしょうか? その秘密を探るため、横浜中華街の食品&香辛料店に出かけてみました。

独特な風味の秘密は5種類の香辛料!?    

まずは中華食材を扱い続けて約70年の老舗「耀盛號(ようせいごう)」へ。香辛料コーナーでは唐辛子や月桂樹、八角といった馴染みあるもの以外に、丁香(ディンシャン)、小茴香(シャオホイシャン)、孜然(ズーラン)など聞き慣れないものも。
しかし、心配ご無用。こちらのお店では、ポップやパッケージに調味料の和名や洋名、使用方法まで記載されているから大丈夫。丁香はクローブ、小茴香はフェンネル、孜然はクミン。洋風の呼び方だと聞いたことがあるものばかりでした。

本場の味について店員さんに聞いたところ、紹介されたのが中国を代表するミックススパイス、五香粉(ウーシャンフェン)。原料は、みかんの皮、フェンネル、シナモン、クローブ、山椒など。この5種類に限られているわけではなく、お店によっては八角やナツメグが使用されることもあり、配合具合もさまざまなのだそうです。豊かな香りが肉や魚のクセを和らげるので、揚げ物、焼き物の下味をはじめ、チンジャオロースやホイコーローといった数多くの中華料理で使用されます。
さっそく舐めてみると、口いっぱいに心地よい苦味とシナモンをベースとした複雑な香りが! こうして香辛料を直接味わったことで、本格中華の独特な風味が多彩なスパイスの相乗効果で生まれていることがよくわかりました。
店先には揚げ饅頭や香港風ワッフルなどがずらり。食べ歩きも中華街の醍醐味です。
ポップやパッケージを眺めているだけでも本場の香辛料に対する知識が深まりそうです。
五香粉の“五”という文字は、5種類ではなく“多い”とか“複雑”という意味なのだとか。

麻(マー)辣(ラー)なくして四川料理は語れない

まだ日本の家庭には浸透していないスパイスに漢源山椒、中国語でいう花椒(ファージョウ)というものがあります。しびれる花椒の辛さ・麻(マー)と、ヒリヒリする唐辛子の辛さ・辣(ラー)。ふたつの異なる辛さの組み合わせは四川料理などには欠かせません。

続いておじゃました「隆記(りゅうき)」では、さまざまな種類の花椒を発見! ゲットしたのは、ここでしか手に入らない人気四川料理専門店「京華樓(きょうかろう)」お手製の藤椒油(タンジョウユ)。藤椒とは漢源山椒の実をまだ青いうちに収穫して乾燥させたもので、通常の花椒よりもしびれる辛さが強く、香りもフレッシュなのだそう。確かに、封を切った瞬間、驚くほど爽やかな香りが鼻孔を突き抜けていきました。家庭的な味わいの麻婆豆腐も、これをかけるだけで本格四川料理に早変わりしそうです。
店頭には干しエビ、ピータンといった中華食材が並びます。調味料だけでなく中国茶の品揃えも豊富。
ホールタイプ、粉タイプの花椒に加え、それ以上に香りが高く麻が効いた藤椒、花椒と藤椒それぞれの風味を閉じ込めたオイルが揃っています。

発酵調味料だけで盛りだくさんのラインナップ

最後に向かったのは、中華街随一の品揃えと評判の中国超級市場「中国貿易公司(ちゅうごくぼうえきごんす) 中華街本店」。そら豆を発酵させた豆板醤(トウバンジャン)、大豆を発酵させた甜麺醤(テンメンジャン)、ゴマを発酵させた芝麻醤(チーマージャン)、小エビを発酵させた蝦醤(シャージャン)などなど、瓶詰めの発酵調味料だけでもすごい種類です。これだけ多彩な調味料を駆使しているからこそ、中華料理は味わい豊かなのでしょう。さすがは古代文明の時代から脈々と受け継がれている深い食文化です。
話を聞くと“醤”自体の歴史も古い様子。日本の味噌も含めた、すべての“醤”の源流となっている発酵調味料、豆鼓(トウチ)は、紀元前2世紀ごろの前漢時代のお墓からも発見されているとか。もちろんお店では、そんな豆鼓も販売していました。
本店だけあって門構えも立派。この店舗以外にも工芸品&雑貨の店、茶専門店といった姉妹店が中華街の中にあるそう。
広々とした店内。中国だけでなく、インドやタイなどアジア中の食材を取り扱っています。
ここでは店長さんのイチオシ、豆板醤の一大産地である四川省ヒ県(ピーシェン ※編集部注:ヒは「卑」に「おおざと」)産のものを購入。完全無添加の熟成仕上げにより、通常の赤い色ではなく黒ずんでいるのが特徴です。
紹介しきれないほどの多彩な調味料&香辛料との出合いがあった横浜中華街での散策。ゲットしたものでどんな料理を作ろうか、胸を高鳴らせながら帰路についたのでした。
佐藤潮

佐藤潮

編集プロダクション・エフェクト所属。旅&グルメ媒体をメインに編集や執筆をしています。趣味は旅行。歴史探訪をはじめ、建築めぐり、秘湯巡礼、トレッキング、路上徘徊、見知らぬ人への声かけなど、法に触れない範囲で満喫中です。人生の目標は旅気分で働き続けること。著書に『夢がかなう世界の旅』。 編集:山葉のぶゆき(エフェクト)

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