白石川堤一目千本桜から船岡城址公園へ。宮城県の桜の名所を徹底紹介

2019.03.25 更新

地元にも名所となるような桜並木を――。宮城県大河原町出身の実業家が夢を託した白石川沿いの約1,200本の桜が人気を集めています。今回、一目千本桜(ひとめせんぼんざくら)の満開のソメイヨシノの道をカメラ片手にぶらり旅。JRの駅からも近く、電車で気軽に行けるのが魅力です。ともに「さくら名所百選」に選ばれる船岡城址公園と合わせてのんびり歩いてみました。

※本記事は2015年取材記事をもとに一部更新したものです。

早い時間帯に出かけるのがベスト♪

一目千本桜の例年の見頃は、開花が4月初旬で満開が4月中旬。シーズンにはJR東北本線の大河原駅のホームはかなりの人でにぎわいます。人の波に身を任せて歩くこと200m。お目当ての桜並木が見えてきました。「一目千本桜」です。総延長が約8.5kmもあるとのことで、今回は大河原駅から柴田町の船岡駅までの一駅、約3.5kmを歩きます。案内看板を眺めていたら地元の方が「多くのビュースポットがあって歩くのに程よい距離なので、人気コースですよ」と教えてくださいました。
車でのアクセスも可能ですが、特に週末は渋滞が発生します。早めにお出かけして、スムーズに駐車場を目指しましょう。JR大河原駅周辺に駐車して散策後に船岡駅から電車で戻ることもできますし、もちろん逆のルートでもOK。開花時期には東北本線の船岡駅~大河原駅間で徐行運転するとのこと。なかなか粋なはからいです。時間帯によっては混雑で車両に乗れないこともあるので、その際は歩いて一駅戻りましょう(笑)。

自分の目線で楽しめるソメイヨシノ群

一目千本桜の始まりは今から100年ほど前。上京して実業家となった高山開治郎が「生まれ故郷の白石川堤に美しい桜並木を」との願いを込めて、大正12(1923)年と昭和2(1927)年にソメイヨシノの苗木をこの地に植樹しました。がっしりとした幹、そして土手を覆うほど広がった枝々につい見惚れてしまいます。
それらの木々は土手の斜面に並び、土手の上を歩けばちょうど大人の目の高さで桜の花を楽しめるんです♪お父さんに抱っこされた子どもが花に触ろうと必死に手を伸ばす姿に癒されます。遊歩道は整備も行き届いているので、親子連れでも安心ですよ。
▲土手上の遊歩道

土手の上だけでなく、川沿いにも遊歩道が設置されています。土手上の遊歩道に比べ人は少なめですが、こちらは視界が開け、蔵王連峰の雪解け水をたたえた白石川と川向こうの桜を見ながら歩くことができます。この日は少し冷たさの残る川風が吹いていますが、陽射しに春っぽさがあり、心地よいお散歩日和。出店のビール&豚肉の焼ける匂い(大河原町は豚肉で有名!)の誘惑をかわして散策スタートです。

コース内の見どころを一挙ご紹介!

今回歩いたコースのビューポイントを紹介しましょう。まずは「おおがわら桜まつり」会場(豚串はこちらで!)となる河川敷を過ぎて最初の橋「末広歩道橋」へ。
▲末広歩道橋から撮影

橋の上から川の両岸の桜並木を同時に視界に捉えることができます。一目千本桜と呼ばれるのもうなずけます。例年4月上旬~中旬に開催される「おおがわら桜まつり」期間中には、お花見屋形船(乗船料:大人1,500円、小学生800円、小学生未満無料 ※ともに税込)からも両岸の桜を楽しめます。桜まつり会場から下流の「韮神堰(にらかみぜき)」手前までの往復約2.3kmを運航します。
▲お花見屋形船

末広歩道橋から500mほど川沿いを進んだ柴田町との境界付近に韮神堰があります。蔵王連峰、桜並木、白石川を同時に収められるシャッタースポットです。ここからの景色はパンフレット写真などにも使われるため、どこかで目にしたことがあるかもしれません。堰自体は小さいですが、川の水が堰を下る際に上げる飛沫がアクセントとなり、印象的な写真になるとか。
▲韮神堰

コースのゴール地点、船岡駅付近に架かる「さくら歩道橋」もおすすめです。橋から今歩いてきた大河原方面を見ると、手前に一目千本桜、左奥に船岡城址公園の桜という光景が広がります。なかなか素敵な写真が撮れました!
▲さくら歩道橋から撮影

2015年3月完成の白石川堤と船岡城址公園をつなぐ「しばた千桜橋(せんおうきょう)」は、いわゆる「撮り鉄」のシャッタースポット。橋の下を走るJR東北本線を絡めて桜の写真を撮れると評判で、人気の撮影スポットになっています。
▲しばた千桜橋と東北本線(写真右手奥が船岡城址公園)
▲しばた千桜橋からの眺望

今回歩いたコース以外にも、船岡駅から東に1kmほど進んだところにある幹回り4.85m、樹高13.7mの通称「日本一太いソメイヨシノ桜」(柴田町桜の会認定)や、川の対岸にある「韮神山展望台」など見どころはたくさん。時間に余裕があれば足を運んでみてはいかがでしょう。

歴史ロマンにも浸れる桜の山「船岡城址公園」

一目千本桜のあとは船岡城址公園に向かいます。山城跡を利用した公園全体が桜に覆われ素敵な雰囲気でした。「しばた千桜橋」が完成し、2つの桜スポットをより気軽に行き来できるようになりました。
見上げると、桜の中に1本だけぽつんとそびえる緑の木が目に留まります。この木は、江戸時代に起きた伊達家のお家騒動を描いた山本周五郎の『樅ノ木は残った』のモチーフとして知られるモミの木。主人公の居館があった場所と伝えられ、山本周五郎ファンにとっては聖地とも呼べる場所なのだそうです。
頂上を目指し、園内に設置されたスロープカー(往復料金:大人500円、小人300円、未就学児無料 ※ともに税込)に乗車。305mの距離を3分40秒かけてゆっくりと上ります。トンネル状になった桜に飛び込む瞬間、車内あちこちで歓声があがっていました。頂上からは一目千本桜と白石川、さらには遠く蔵王連峰や太平洋までをも望むことができ、ぜひとも訪れたい眺望スポットです。また、モミの木の前にも展望デッキがあるので、頂上が混雑している場合はこちらから眺望を楽しみましょう。
▲頂上からの眺望

麓に下り、三の丸跡広場に入ると「しばた桜まつり」が開催されていました。出店から漂うおいしそうな匂いに誘われて、少し寄り道。グルメとの出合いも旅の醍醐味です。
夕方は帰宅を急ぐ人たちでいっぱい。もし時間に余裕があれば夜桜見物はいかがでしょう。一目千本桜の一部エリアは18時~22時、船岡城址公園は18時30分~21時にライトアップされます。まだ夜は肌寒いですが、混雑回避も兼ねて夜桜観賞としゃれ込むのもまたいいものですよ。
▲一目千本桜のライトアップ
▲船岡城址公園のライトアップ
※写真は2015年に撮影されたものです。
※花の開花状況により、催事期間・内容が変更となる場合があります。詳しくは公式ホームページをご確認ください。
ニイゼキダイスケ

ニイゼキダイスケ

山形県生まれ。仙台の編集プロダクション在籍時に東北各地のグルメ取材を精力的にこなし、食の知識と脂肪を蓄える。現在はライター業の傍ら、書籍の校正・校閲者としても活動。日本酒をこよなく愛し、いかに上手に燗をつけられるか手探り中。

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