箱根に来たらぜひ味わいたい、旅館時代から愛される湯葉丼の誕生秘話

2015.06.19 更新

箱根は温泉地であると同時に、多くの湧き水スポットがあることでも有名です。そのうちのひとつ、大平台に湧く「姫の水」は、古くから名水として名を馳せてきました。そもそもなぜ「姫の水」と名付けられたのか。その由来は、北条早雲が関東一円を治めていた頃までさかのぼります。その頃、北条氏にいた“左保姫”という美しい姫が、よりキレイになるために化粧水用の水を家臣に探させたそうです。ようやく見つけた清水を姫が使ったところ、肌がより一層つややかになったのだとか!

そばや湯葉を作るためには、おいしい水が欠かせません。逸話の残る「姫の水」を使った湯葉は“汲み上げ湯葉”と呼ばれ、なめらかな食感が特徴的。その湯葉を玉子でとじたオリジナルの丼を提供するのが「湯葉丼 直吉」です。

箱根名物として、いまや不動の人気を誇る湯葉丼。その誕生秘話をうかがいました。

箱根湯本の早川沿いでいただけるオリジナル丼

玉子とお出汁のやさしい味わいが特徴の湯葉丼。どんな経緯で誕生したのでしょうか。代表の田中久士さんはこう語ります。

「元々は、わたしが『直吉』を開業する前に経営していた旅館で出していた料理のひとつなんです。会席のご飯ものって、白米か炊き込みご飯ぐらいの選択肢しかない。どうせなら、うちでしか食べられないものを作りたかったんです。そこで、湯葉を玉子でとじて、ごはんにかけて食べるスタイルを料理長と考えました」
▲表から見た「湯葉丼 直吉」。大きな垂れ幕が目印です
▲店内に入ると、旅館時代の面影が。広々としているので、もしお昼時の行列に遭遇してしまってもゆったり待てそう
▲お店の裏に出ると早川がすぐ側を流れています。箱根駅から徒歩3分ほどで到着
▲こんな景色も店内から見られちゃいます。川沿いの空気は冷たくて気持ちいい!

旅館の湯葉丼はまたたく間に人気メニューに!

湯葉は、加熱により大豆のタンパク質が固まってできるのですが、こちらで使用する“汲み上げ湯葉”は、あまり煮込まずにさっと作るのだそう。だからこそ、なめらかな口当たりの良い薄い湯葉ができるのです。その湯葉を使うことこそ、おいしい湯葉丼を作るための条件なのだとか。
会席料理のご飯として提供を始めた湯葉丼でしたが、その美味しさからまたたく間に話題になったのです。そこで田中さんは、湯葉丼の専門店をオープンすることにしました。それが、今の「直吉」につながります。
▲湯葉を椎茸や三つ葉と一緒に特製のカツオ出汁で煮ます。玉子をまわしかけたら、すぐに客席へ!
▲熱々のまま提供される湯葉丼(税込980円)。箸休めの小鉢がふたつセットになります
▲湯葉の玉子とじとご飯は別々に提供。湯葉をすくって、ご飯にかけていただきます

湯葉やお豆腐を使った甘味も見逃せない!

なめらかでやさしい大豆の味がする湯葉は、甘味にも使われています。玉子や乳製品、白砂糖を使っていないオリジナルスイーツは、じんわりと体にやさしい味わい。

自家製の餡は甘さ控えめで小豆の味がしっかりと感じられます。聞くと、代表の田中さんは大の甘党なのだそう。甘いものが好きだからこそ、こだわりのスイーツを提供できるんですね。
▲とろとろの湯葉をたっぷり小豆の上にのせたぜんざい。さっぱりとした甘さで食後でもぺろりと完食

高級食材の湯葉を身近な存在に昇華した湯葉丼。休日のお昼どきには待つこともあるそうですが、それでもオススメの箱根名物です。
いずみかな

いずみかな

フリーランスの編集ライター。男性の育児参加や自然エネルギーという少しかための分野の出版社出身。編集プロダクションを経て、女性ファッション誌・健康・グルメなど幅広く編集業を行う。 編集:山葉のぶゆき(エフェクト)

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