7つの泉色が楽しめる那須・塩原温泉。渓流の眺望や飲泉も魅力的

2016.02.18 更新

温泉の色が「7色」あるといわれる、名湯塩原温泉。60軒程の宿の数に対し、源泉はなんと約150もあるというから驚き。つまりひとつの旅館で3本の源泉を引いているということも珍しくないという、恐るべし温泉郷なのです。

塩原温泉には7色のお湯があるといいます。乳白色、茶褐色、黒色、黄金色、緑白色、薄墨色、透明の7つ。この中でも今回は興味深い「黒」、「緑白色」、「茶褐色」の湯を訪れました。
まずは鉄分豊富な黒い湯があるお宿「元湯 大出館」へ向かいます。
にぎやかな温泉街を抜け、車はどんどん山道へ。途中スキー場の案内看板が出てくるほど奥へと進みます。日塩もみじラインへと入り、「大出館」という看板を頼りに右折して約10分程。温泉宿が3軒のみ佇む山間地にたどりつきました。

果たして「黒い色をした温泉」とはどんなものなのか?

訪れたのは「黒」の湯をした「大出館」の「墨乃湯」。漆黒というよりは「墨」の色に近いそう。のれんの雰囲気も良く、期待が高まります。
▲こちらが「墨の湯」。写真が暗いわけではありません!
お風呂場のドアを開けたその瞬間…本当の「墨」の色に驚きます。これは間違いなく、墨色です。こんなに重みのある色合いをした温泉は珍しい!ライター金澤は大興奮で吠えまくります。
ちなみに上の写真の左側に少し映っているのは「五色(ごしき)の湯」。日によって色合いが違って見えるそうで、緑色のように見えたこの日は、墨の湯との色合いの違いがよくわかります。
お湯に手を入れてみると、黒いつぶつぶが手のひらの上でふんわり漂います。これが鉄分だそう。これこそが墨の色に見える源。
こちらの「大出館」は大正12年(1923年)から営業を続けている老舗宿。自然の恵みであるこの源泉を守るために、生態系を壊さないよう常に注意を払いながら生活をしているそう。大切に引き継がれている「墨の湯」。この湯を多くの人に楽しんでもらいたい、と混浴にしているのもそんな理由から。女性専用の時間帯もあるのでご安心を。
▲「墨の湯」はもちろん、館内全ての温泉が飲泉可能。慣れない人は飲みすぎにご注意
▲温泉の素も販売しています。温泉完全コピーは無理でも、匂いや感触は「墨の湯」とほとんど同じ!ライター金澤は、自宅でも堪能しちゃいました

雪景色とヒノキの香りに癒される「緑白色」の湯

さて、次に訪れたのは「緑白色」の湯。先ほどの「大出館」のすぐ近く、日帰り入浴でも楽しめるという「秘湯の宿 元泉館」の露天風呂「高尾の湯」に潜入しました。
これはまた美しい緑色です。少し白みががったその湯は、柔らかで温泉らしい硫黄の香りがします。
光があたると緑色がさらに輝いて見え、自然の色味がこんなに美しいものなのか、と感動です。浴場の木の床や壁は、どうしても温泉の性質上色が変わってしまうそう。決して汚れではございません!温泉成分が濃いからこその変化なのです。
▲手にすくってみると透明に見えるお湯が、静かにしたたり落ちる…そのあとは美しい緑白色に
加えて紹介したいのは、開放的な大浴場に比べると、ひっそりと秘密の空間のようなこちらの内湯「邯鄲(かんたん)の湯」。ここは宿泊者でなければ入浴できないお風呂です。
天井まで高く伸びる柱の色や、ほのかに射す光がなんともいえない雰囲気。通常は混浴です。今の日本で新しく混浴を作るには色々と決まりごとが多く、こちらの規模のような混浴は、もはやレアもの!
ひのきの香りと、湯の色を楽しみながらゆっくりと浸かりたいものです。女性専用時間帯(15:00~20:30)もあります。
こちらの旅館の温泉も飲泉が可能。浴場の入口に飲み場があるのでぜひ体験してみて。日帰りのプランなども充実しているので、宿泊できなくてもじっくりとお湯を堪能できます。

渓流の絶景とはこのこと。
水の音と「茶褐色の湯」だけの世界

▲旅館の敷地内から川沿いに歩きます。足元に注意しながら辿り着くそこは…
▲「ゆの宿 柏屋旅館」にあるのは、茶褐色の湯を湛えた絶景の露天風呂「らいていの湯」
最後に訪れたのは、塩原温泉の中心にほど近い場所にある「ゆの宿 柏屋旅館」。訪問時が冬ということもあり雪景色の鹿股川(かのまたがわ)を眼前にしての入浴。渓谷の力強い水音だけが胸に響きます。
この茶褐色のお湯はけっしてにごってはいないんです。にごり湯ではなく、あくまで茶褐色の湯。透明感のあるお湯で、ちょっぴり熱め。ゆっくりとお湯の温度を確かめながら入浴しましょう。
▲もうひとつの露天風呂はこちら「きりのゆ」
曲線が美しい露天風呂に浸かって見えるのは、空と同じ位置に見える木々の景観。川の音が耳に届く距離です。
昔の建物を生かした造りになっているので、それがまた何ともいいがたい風情を醸し出しています。茶褐色の湯に浸かり、ぼんやりと時を過ごしたくなる…。贅沢な湯の極みです。

全部で6カ所ある露天風呂は全て貸切での利用。鍵をもって外階段を下りて行くのもまた楽しいひとときです。本来であれば宿泊者だけのお楽しみなのですが、事前の予約で日帰りでの入浴もOKだそう。平日11時~14時くらいの間で1時間程度利用可能です。
塩原温泉のお湯の色は、そのほとんどが季節の温度や時間帯などによって刻々と変化します。今回は7色のうち、3色のお湯を巡りました。その他の4色も堪能しに、ぜひ実際に塩原に足を運んでみてください。
金澤佑樹

金澤佑樹

旅行ライター・編集者。 旅行雑誌で新潟や栃木を担当して12年の後独立。現在はLCCの機内誌tabicシリーズを制作。LCCを使って弾丸日帰り旅するのもダイスキ。4人の子どもの母でもあるため、長期は家を空けられないと言う理由もある。好きなものは、旅とビールと子どもたち。

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