日光東照宮のパワーをいただきにでかけよう。世界遺産「日光の社寺」を巡る大人旅

2016.04.21

栃木県日光市にある寺社などから構成される世界遺産「日光の社寺」。修学旅行で行った人も多いと思いますが、大人になった今こそじっくりと観賞したいものがたくさん。パワースポットとしても名高い場所で、日本の歴史に触れ、願いを叶える「日光詣」をいたしましょう。

江戸幕府初代将軍・徳川家康を神格化した東照大権現(とうしょうだいごんげん)を祀っている「日光東照宮」。家康公が日光東照宮に鎮座をしてから、平成28年でちょうど400年を迎えます。世界遺産「日光の社寺」のうち「日光東照宮」の境内には国宝8棟、重要文化財34棟を含む55棟の建造物が並び、精巧な細工が施された建築物はまさに芸術の域です。
大人になったからこそわかる、この荘厳な美をじっくりと堪能しに行きましょう。

動物たちに彩られる東照宮

▲三神庫(さんじんこ)に彫られている象
「日光東照宮」を歩いていると、多くの動物たちに出会えます。
石鳥居を抜け、左手に五重塔を眺めながら進むと拝観受付所があります。そこから表門をくぐると右前方に「音声ガイド」の貸出(500円/日)をしているところがあるので、興味がある人はぜひ借りてみてください。35項目に渡り、わかりやすく解説してくれます。

そうして最初に見えてくるのは、3つの棟が並ぶ「三神庫」。春秋のお祭りで使われる馬具や装束類がおさめられており、一番奥にある上神庫(かみじんこ)の屋根下には「想像の象」(狩野探幽下絵)が彫られています。この象が独特!不思議な目をしていて、マンモスのようなふさふさの毛が生えています。想像で描かれた象といわれていますが、なんともユーモラスな象です。
▲「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿の彫刻
日光東照宮で最も有名な動物、といえばこちらかもしれません。神厩舎(しんきゅうしゃ)と呼ばれる厩(うまや)の屋根下にある三猿の彫刻です。猿の彫刻は8面あるのですが、こちらがその1つ。8面全てで人間の一生を表しているといいます。
「見ざる・言わざる・聞かざる」は“幼少期には悪事を見ない、言わない、聞かない方がいい”という教えだそう。大人になると色んな事を見てしまいますから、幼少期には少しでもそれらに触れない方がいいんです。
その他には、「青い雲を見上げて未来を想う猿」や「落ち込んだ仲間をなぐさめている猿」の彫刻もあり、なんだかココロ癒されます。
▲右が櫓造りの鐘楼
御水舎(おみずや)で手を清め、「陽明門(ようめいもん)」へ向かいます。その手前左右にある「鐘楼」にも動物の姿が。写真のどこに何がいるかわかりますか?
実は鐘楼の四隅にいるのは「龍」の頭。少し鼻が長いように見えるので、「龍なの?」とわかりにくいかもしれませんが、威厳ある龍頭です。
そしてそびえる「陽明門」は現在平成の大修理中。改修に入る前は日本を代表する最も美しい門とも呼ばれており、精巧な彫刻を見ているとあっという間に時間がたってしまうといわれていました。改修によってまたその美しい姿が蘇るのが楽しみです。
▲平成31年3月末頃に完成予定
▲「陽明門」の完成予定イメージ(写真提供:日光東照宮)

200段を登りきった先にある、神聖な場所「奥宮」

▲奥宮への入り口を守る「眠り猫」
「日光東照宮」でもうひとつ有名な動物はこの「眠り猫」。「日光」の名にちなみ、日の光を浴びてうたたねしている様子が描かれています。猫の後ろには雀たちが飛ぶ姿も見られます。実にのんびりとした、平和を象徴する彫刻です。
この門の先が徳川家康公の墓所である奥宮に続きます。
▲およそ200段の階段を登り、神聖な場所へ
▲不思議なことに、空気が凛としてくるのがわかります
この石段も実は見どころの1つ。一段ごとに一枚石を用い、石の柵も一本石をくりぬいて作られています。やや息切れしながらも階段を登りきり、鳥居をくぐると、右側に官符宣命などの文書が収められた「御宝蔵」が。その隣に「狛犬」が鎮座しています。
さらに階段を少し登ると、「奥宮拝殿」にあたります。昔は参拝をするにも、将軍でないと階段を登ることすら許されなかったそうです。身が引き締まります。
▲「奥宮御宝塔」(御墓所)
ついに家康公の神棺をおさめた御宝塔に着きました。人の気配が急になくなり、静かな空気があたりを包みます。
▲御宝塔の奥にある「叶杉(かないすぎ)」
御宝塔の周りをぐるりと歩くと、大きな杉の木があります。こちらが「叶杉」。ほこらに向かって願い事を唱えると叶うと言われている御神木です。
何をかくそう、ライター金澤は初めてこちらを訪れた時に、この「叶杉」に願ったことが2カ月後に現実になったことがあります。その後も御礼参りにきましたが、今回はその頃から約12年。そろそろ新しいお願いごとをしてもよいでしょうか?と煩悩まっしぐらにほこらに向かって願い事を唱えます…。

拝殿の中は、繊細で荘厳に描かれた動物たちが舞う

▲奥宮から「唐門」に戻ってきました
「陽明門」の正面に見えていた「唐門」に戻ってきました。この奥の本殿は、見学はできますが撮影は禁止されているので、ご注意を。
靴を脱いで厳かな気持ちで中へ入ります。ここでも多くの動物たちが迎えてくれました。白い龍、鳥、うさぎやその他不思議な体をした動物などが美しく彫刻として描かれています。その精巧な造りと、それを彩る色はまさに芸術。
▲写真は外から拝殿を撮影。鮮やかな色彩が目を引きます
本殿の壁や天井に描かれた龍なども見ごたえがあります。人が多い時間帯ではなかなかゆっくり見られないので、早朝などの早い時間がおすすめです。拝殿の左右には、「将軍着座の間」「法親王着座の間」があり、足を踏み入れることはもちろんできないものの、一見の価値があります。

現在の社殿群は、そのほとんどが寛永(かんえい)13年(1636年)に建て替えられたものです。それらを引き継ぎ、次世代に残すには多大なる努力が必要。世界遺産とは、人々の手によって守られてゆくものなのでしょう。

400年前の行列を再現した春季例大祭の「千人武者行列」

毎年5月17、18日には春季の例大祭(れいたいさい)が行われます。
17日の午前10時からは徳川御一門をはじめ多数の来賓が参列して祭儀が執り行われます。それは厳粛な空気の中で行われ、午後には「神事流鏑馬(やぶさめ)」が奉納、夕方には東照宮の神が3基の神輿に分乗し、日光二荒山(ふたらさん)神社に出向く「宵成祭(よいなりさい)」が行われます。神輿はそのまま神社で一夜を明かします。
▲過去の例大祭の様子。「神事流鏑馬(やぶさめ)」(写真提供:日光東照宮)
▲過去の例大祭の様子。多くの人が武者行列を見ようと集まります(写真提供:日光東照宮)
一般の方が多く訪れるのは、18日の11時から始まる神輿渡御祭(みこしとぎょさい)「百物揃千人武者行列(ひゃくものぞろいせんにんむしゃぎょうれつ)」。家康公の神霊を駿府久能山から日光に改葬した際の行列を再現しており、神輿や鎧武者など1,200名程が、ご奉仕によって御旅所(おたびしょ)に向かいます。その言葉にしがたい荘厳な雰囲気と、圧倒的なパワーには感動すること間違いなし。

江戸の空気を感じる春の例大祭を体感し、世界遺産に触れる「日光詣」に行ってみませんか。
金澤佑樹

金澤佑樹

旅行ライター・編集者。 旅行雑誌で新潟や栃木を担当して12年の後独立。現在はLCCの機内誌tabicシリーズを制作。LCCを使って弾丸日帰り旅するのもダイスキ。4人の子どもの母でもあるため、長期は家を空けられないと言う理由もある。好きなものは、旅とビールと子どもたち。

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