「立山黒部・雪の大谷フェスティバル」で、大迫力の雪壁を間近で体感!
立山(たてやま)や剱岳(つるぎだけ)を含む3,000m級の北アルプスを貫き、富山県と長野県を結ぶ立山黒部アルペンルート。真冬は雪が深すぎるため閉ざされるルートですが、春から初夏にかけてルートの一部で雪のイベント「立山黒部・雪の大谷(おおたに)フェスティバル」が開催されます。中でも高い所で20mに迫る雪壁を体感できる「雪の大谷ウォーク」は圧倒的な迫力です!(※最新情報は施設へ直接お問い合わせください。)

元々は富山・長野間の立山黒部アルペンルート全線開通に向け、美女平(びじょだいら)駅から室堂(むろどう)までの道を確保するために春から除雪作業を行っていたのですが、1993(平成5)年に「立山・雪の大谷ウォーク」を行ったところ好評を博したことから、毎年恒例のイベントとなったそうです。
2018年は69日間で約27万人来場、海外からの観光客も多く訪れました。

例年、4月中旬~6月中旬まで楽しむことができます。
中でも最も高い雪壁を体感できるのは4月なのです!
富山側から「立山黒部・雪の大谷フェスティバル」へ
富山側からなら、立山駅から立山ケーブルカーに乗り、そこから立山高原バスに乗りついでフェスティバル会場の最寄駅「室堂ターミナル」に着きます。


このイベントのメイン雪壁「雪の大谷」を含む立山有料道路(高原バス道路)は、通期を通してマイカー通行禁止のため、室堂へは路線バスか観光バス、または許可を得た車両でしか行けません。
「雪の大谷」のある道路を通って室堂でバスを降りると、目の前はもうフェスティバルの会場。会場はメインの「雪の大谷」を歩く道「ウォーキングゾーン」のほか、「雪の回廊」や「パノラマロード」「スノーパーク」などがあります。
この辺り一帯は標高2,450mなので、気温はぐっと下がって約1度。真っ白な視界は日射しの照り返しもあり、とても眩しいのでサングラスを持って行くのをおすすめします。
山頂側には「雪の回廊」とミクリガ池を含む室堂平が広がっています。
「ウォーキングゾーン」へ向かう前に、まずは「雪の回廊」に向かいましょう。

室堂ターミナルと立山自然保護センターを結ぶ「雪の回廊」も雪壁の間を歩く道ですが、「ウォーキングゾーン」と異なり、車の通行が一切不可の歩行者専用通路。
道幅も狭く、雪壁の迫力をより間近に感じられる場所です。雪壁の間から見上げる空は、きっと記憶に残ることでしょう。
雪壁以外にもお楽しみがいっぱい

春夏には散策できるルートのひとつですが、雪が積もっているこの時期は、広大な室堂平の散策コースはお休み。そのかわり、コースのほんの一部分を散策できます。トレッキングシューズや長靴など雪対策装備と時間の余裕が必要。せっかく訪れるなら雪壁はもちろん、それ以外の景色や発見も楽しんでみてください。運が良ければ野生動物に出合えるかも?

「雪の回廊」から室堂ターミナルに戻ると、ウォーキングゾーンへ向かう手前に中央広場があります。そこには、ウォーキングゾーンを作るために活躍している除雪車が展示されています。


約500mにわたる「ウォーキングゾーン」は、氷点下5~10度の過酷な条件の下、除雪車2台で高原バス道路に積もった約20mもの雪を除雪してできています。今でこそGPSで道路の位置を正確に計算できるようになりましたが、ひと昔前まではコンパスなどを使った測量で道路の位置を出していたそうです。この区間の除雪には7~10日ほどかかります。
「ウォーキングゾーン」で雪壁をさらに満喫
「ウォーキングゾーン」の往復もいいですが、せっかくなら行きは雪壁を楽しむ「ウォーキングゾーン」を、帰りは雪原の迂回路「パノラマロード」を通って、往復で異なる雪景色を堪能するのがおすすめ。
まずは「雪に刻むメッセージエリア」で、記念に名前を刻んでみるのもいいかも。とても硬いので、刻むというより指先で掘るという感じだそうです。

「雪の大谷」内でも最も積雪が多くなる地点「大谷」は、風雪の吹きだまりとなるため、特に積雪が多いエリア!それもあって、イベント時の見学可能な雪壁の中で、最も高い地点の雪壁の高さは20mに迫ることもあるとか!

「ウォーキングゾーン」の雪壁は、雪の重さにより氷河の氷のように硬く圧密され、スコップが刺さらないほどの高密度・高硬度。途中で崩れることもなく氷柱のようにゆっくりととけ、日々少しずつ道幅が広がっていくとのことです。
「パノラマロード」を通って室堂ターミナルまで

「ウォーキングゾーン」を満喫したら、帰り(上り)はバスが通らない「パノラマロード」で室堂ターミナルまで。
「パノラマロード」は雪原の迂回路となっており、雪壁は見られませんが立山連峰を一望できる道です。
その途中に特設会場「スノーパーク」が設けられており、5月10~19日まで雪の迷路「Snow Maze」、5月22~29日までは「雪の滑り台-白-」、6月1~22日は「雪の滑り台-黒-」が楽しめます。また、4月15日~5月6日の間は富士山に見立てた高い雪山、スノーマウンテン「FUJIYAMA」が出現するそうです。



室堂ターミナル前のエントランスゾーンで通行証のプレゼントを受けたら、明るいうちに下山を。
もし、そのまま長野側へ抜ける(あるいは戻る)ルートなら、後立山連峰や黒部湖などの胸を打つ光景を楽しめます。
立山連峰と後立山連峰の谷あいに広がる、白銀の絶景


ロープウェイには、景観保護のため支柱が1本もありません。ロープウェイ内から見る後立山連峰の景色は神々しさを感じられます。

余裕があれば黒部湖まで立ち寄ってみるのもおすすめです。
立山の雪の偉大さと神秘さを全身で体感できる「立山黒部・雪の大谷フェスティバル」は、足を運ぶ価値大のイベント。キリッとした空気の中、時を忘れて開放的な心地よさに満たされそうです。
立山黒部・雪の大谷フェスティバル
富山県中新川郡立山町芦山弁寺ブナ坂11(室堂)
[期間4月中旬~6月中旬
[料金]入場無料(会場までのアクセス有料)
[ウォーキングゾーン開場時間]9:30~15:15(入場は15:00まで)
※状況により、開始・終了時間の変更およびコースを短縮する場合があります。
076-431-3331(雪の大谷ウォーク実行委員会)
※本記事は2017年取材記事を一部更新したものです。

SARYO
石川県の温泉地として名高い南加賀在住のライター・エディター、時々シナリオライター。北陸の地域情報誌に10年勤めていた経験と、国内も国外も興味津々な好奇心をフル活用し、さまざまな情報をお届けします。歴史、神社仏閣、旅、温泉に強く、利用者と同じ目線を重視するスタイル。
また、本記事に記載されている写真や本文の無断転載・無断使用を禁止いたします。
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