天然の鳴門鯛が丸ごと一匹!おこげまで旨い絶品鯛めしをいただく

2016.02.26

世界三大潮流「鳴門の渦潮」で知られる徳島県・鳴門海峡。その激しい潮流に揉まれたマダイは「鳴門鯛」と呼ばれ近年ブランド化されていますが、その美味しさは江戸時代の文献にも記されています。そんな鯛の美味しさをまるごと閉じ込めた「鯛めし」を出している名店が徳島市内にあります。

激しくうねる鳴門の激流に揉まれながら育った「鳴門鯛」は、その勲章として中骨にこぶができることがあるそう。筋肉質でしっかりと身が引き締まっており、食感は生で食べると驚くほどコリコリ、火を通すとしっとりふわふわ。旨みの大事な要素である脂にもキレがあり、どんな調理法でもクセが出ないのだそうです。
ここ「とゝ喝」は徳島市内の繁華街の一角に店を構えて約25年。店主・増田さんの地元・大阪では、子どもなどに話す時に魚のことを「とと」と呼ぶため、そこから名付けられたそうです。「喝」は?と聞いてみると、「活魚の活はありきたりな感じがしてイヤだったから(笑)。気合いをいれてやっていますという気持ちも込めて『喝』にしました」と増田さん。

天然の魚介、徳島産の野菜、徳島の地酒のみを提供するというこだわりにも気合が感じられますね。
▲店内は落ち着いた雰囲気。板前さんがテキパキと仕事をする様子に期待が高まります

増田さんが漁師飯から発想を得たというこの店の鯛めしは、至ってシンプル。土鍋にちょうど収まる絶妙なサイズの鳴門鯛を、丁寧に下ごしらえし、まずは軽く表面のみを焼きます。これをお米と一緒に土鍋で炊くだけ。ちなみに炊き上がるまでに約40分かかるので、その時間を考慮して注文を。
▲下ごしらえして表面をふんわり焼き上げた鳴門鯛。このままいただいても美味しそうですが、お米と一緒に土鍋の中へ

鯛めしが出来上がるまで、おすすめの一品料理とお酒をいただきます。今回は、香り高い出汁醤油でさっと炊き上げた「鯛のあらだき」と、ぷりぷりの海老や肉厚の椎茸、季節の野菜を使った「天ぷら盛り合わせ」をチョイス。つまみながら会話を楽しんでいると、ついに運ばれてきました。
中に何が入っているかが分かっていても、蓋をあける瞬間はなぜこんなに胸が踊るのでしょう。
ついにオープン!
と思ったら、あまりの興奮で前のめりすぎてカメラのレンズが曇ってしまい、何も写っていませんでした・・・・。
気を取り直して、いよいよ「鯛めし」の全貌が明らかに!
ツヤツヤと光るお米。ふんわりと膨らんだ鯛は上気しているように赤みが増して、食欲をそそります。
ここでまた少しだけ我慢が必要です。板前さんが鯛を一度取り出し、骨を手際よく取り除いてくれます。驚くほどふわふわとした身のやわらかさは、手元を見ているだけでもヒシヒシと伝わってきて、一口くださいと言ってしまいそうになるのをぐっと抑えました。
鯛の美味しさは頭の周りにあり!ちゃんと旨みが濃い目元の部分もほぐしてくれます。
板前さんの手にかかれば“骨だけ”になるまであっという間。その身を土鍋に戻し、全体をさっくりと混ぜ合わせたら完成です。
ほうっ。一口食べて思わずため息が漏れました。鯛の香りと、出汁を吸ったお米の旨みが口いっぱいに広がります。ふわふわの身は、しっかりと鯛の風味を主張。「素材が良いから手を加える必要がないんですよ」と増田さん。味付けは利尻昆布の出汁と“本当にごくごく少量”の塩と酒、白醤油で整えただけと非常にシンプル。薬味などを使用しないのもそれが理由です。最初に少し焼いてあるため、鯛の皮の食感と香ばしさが良いアクセントになっています。おこげも程良くできていました。

お酒を飲む方は、この「鯛めし」を肴に日本酒を味わうこともあるそうですよ。
注文は2合(税込3,240円~)から。余った分はおにぎりにしてくれます。旨みが凝縮されていて、冷めてもまた旨い!家族へのお土産にしたり、翌日の朝ごはんにしたりできるのも嬉しいですね。我慢できずに帰りの車中でかじってしまったのは他でもない私ですが…。

「紅葉鯛」と呼ばれる10月~12月の鳴門鯛も、しっかりとした旨みがあるそうですが、「鳴門鯛」の中でも産卵を控えた3月~4月のマダイは「桜鯛」と呼ばれ、脂ののった濃厚な味わいが楽しめるそうです。ぜひ最高の時季に、感動の鯛めしを召し上がれ。
渡邊麻子

渡邊麻子

高知&静岡育ち。東京の出版社を経て「タウン情報まつやま」に10年間勤めたのち、2014年に独立。フリーランスのエディター&ライターとしてグルメ取材記事の作成ほか、企業のコンセプトブックなどに携わる。また音楽ライターとしての経験を活かし、南海放送ラジオでも音楽番組パーソナリティとして活動中。

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