「ひろめ市場」は、酒飲みたちのパラダイス!地元客と観光客がやんややんやと杯交わす

2016.04.20

高知市中心部・帯屋町(おびやまち)アーケードの西端にある「ひろめ市場」。ここは、昼間から地元客と観光客が入り乱れて酒を酌み交わすという、いかにも酒好きな県民が多いといわれる高知県らしいカオスな名所。1998年のオープン以来、いまだ客足が衰えない人気スポットを、地元ならではの歩き方を交えて紹介したい。

まずはひるまず席を確保して、
めぼしい料理をオーダーしよう

ひろめ市場は、郷土料理をはじめとする和洋中様々な飲食店約40、お土産屋や洋服店などの物販店約20が軒を連ねる屋台村風商店街。「お城下広場」「自由広場」などのイートインスペースが確保され、そこで購入した品々を味わうことができる。
いうならば大型ショッピングセンターのフードコートとシステムは変わらないが、ここでは平日昼間からでも一杯引っかけるお客が多く、週末にはイートインスペースはさながら「巨大宴会場」と化す。
初めての人の場合、そんな巨大宴会場の熱気に圧倒されるものの、ここは意を決し人混みをかき分け、空席を探すことが先決。メインの「お城下広場」が混み合っている場合は、「いごっそう横丁」など路地のテーブルを探すのも手だ。
無事に席が確保できたら、席取り要員を座らせるか、目印となる荷物を置いておこう。そのどちらも無理な場合、隣で飲んでいるお客さんに声をかけて、見張り番になってもらえばいい(笑)。

アテにもシメにも最適な屋台餃子でビールを流し込む

さてここからお目当ての料理をオーダーするため各店舗へ向かう。なにはともあれビールで喉をうるおしたい。こんな時にぴったりなのが昭和45(1970)年創業の屋台がルーツの餃子専門店「ひろめで安兵衛」だ。
▲具材には高知県産のショウガやニラを使用している
ここの餃子の特徴は、パリッと焼き上げた薄い皮と野菜の甘さを感じる具材。しっかりした旨みとおやつのような軽さが、ビールのアテにベストマッチなのだ。その一方で「なにかもうちょっと食べたい」という場合のシメにオーダーする人も多い。
注文を受けてから職人がひとつひとつ包むため、焼き上がる間に別のお店を物色するのも良いだろう。7個入りの餃子(単品450円)と生ビールの「お得セット」(850円)がおすすめだ。

待たずに買えるのがうれしい!土佐の珍味デパート

餃子とビールで落ち着きを取り戻したら、次は少し趣の異なる高知らしい珍味も食べてみたい。そこで陳列棚にこれでもかと小鉢がずらり並んだお店、その名も「珍味堂」へ向かうことにする。
▲どろめ(手前)400円、鯨のサエズリ(中央)780円、チャンバラ貝(奥)380円
陳列された品々を眺めてみれば「うつぼのタタキ」「どろめ」「のれそれ」「チャンバラ貝」「マイゴ」などなど、高知県外の方からすれば、謎の魚介のオンパレード。しかしいずれも高知県人には親しみ深い酒の肴なのだ。
店頭には70~80種類のメニューが並んでいるので、好みの一品をチョイスしよう。なんといってもここの魅力は、選べばすぐに自分の手元に届くこと。待ち時間はほとんど必要ない。
しかも近年では希少になった鯨も味わえるのが、昭和世代にはたまらない。一年中(!)楽しめるおでんのほか、うどんやそばなどもあるので、オールマイティに活用できるお店だ。
▲酒の肴にぴったりのメニューが豊富に並ぶ「珍味堂」

その正直さが好き。地元から愛される鰹のタタキを求めて

餃子と珍味でウォーミングアップも完了!さてこれからいよいよメインディッシュの「鰹のタタキ」といきたい。鰹のタタキを提供している市場内の数多くのお店のなかで、今回おすすめするのは「やいろ亭」だ。
ここは、観光客はもとより地元客からも愛されているお店。その理由はやはり、冷凍ものをほぼ使用せず、その日の鰹の状態を正直に教えてくれること。この日の店頭には「今日の鰹は新鮮やけんど脂があんまり無いねえ」との表示。
また漁がなく、やむを得ず冷凍ものを使用する場合は、生の場合より値段を下げる。その真摯な姿勢だからこそ地元客からガッチリ信頼を得ている。
▲やさしい響きの土佐弁で対応してくれる「やいろ亭」の嶋崎恭子さん
春から夏にかけての鰹は、あまり脂がのっていない傾向がある。しかし個体によっては、そうではないものもあるので「やいろ亭」の鰹のお知らせボードは要チェックだ。どちらであれ新鮮な物には変わりなく、その味は折り紙付き。
▲塩たたき(5切れ1,250円、6切れ1,500円)

隣の客とも意気投合の「ひろめマジック」で夜も更ける

酔いも回って気分が高揚すれば、思い切って隣の人に声をかけてみるのもひろめ流の楽しみ方。あなたがもし観光客で、話しかけた人が高知県人なら(そうでなくても)、きっと楽しく酒を酌み交わしてくれるはずだ。
あたりを見渡せば、最初は素知らぬふりの隣同士の客が、いつしか差しつ差されつ盛り上がっている様子があちらこちらに。知らない人同士でも仲良くなれる、そんな不思議な力がここにはある。
また一方で、静かに飲みたい地元客は、各店舗内にある客席を利用する。ここなら比較的席が空いている場合が多く、落ち着いて楽しむことができる。
ここで紹介したのはひろめ市場のほんの一部。実際に足を運んでみて、その混沌かつ魅惑的な世界に身を投じてもらいたい。
※価格はすべて税込です
藤川満

藤川満

清流・仁淀川流れる高知県いの町在住。出版社勤務を経て「撮って書く」フォトライターに。カヌーやトレッキングなど自然と親しむ一方で、利酒師の資格を有する日本酒党。またジャズライブの撮影はライフワークのひとつ。

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