古代ミステリーと海の神様に出会える、足摺パワースポット巡り

2016.05.26 更新

森の中に突如現れる巨石群。切り立つ断崖の先に祀られた小さな祠。グニャグニャの気根を垂らしたアコウの巨木。これらはすべて高知県土佐清水市・足摺岬(あしずりみさき)にほど近いエリアに点在しているパワースポットだ。古代ミステリー、海の神様への信仰、自然の生命力など、それぞれ異なるパワーをまとめてたっぷり感じられるのが足摺岬周辺の魅力だ。

古代人?宇宙人?はたまた自然発生?
謎多き唐人駄場(とうじんだば)遺跡

▲うっそうとした森の中に現れる巨石群。周辺は遊歩道が整備されている
高知県土佐清水市中心部から、足摺半島の尾根沿いにのびる「椿の道(旧足摺スカイライン)」を車で走ること約20分。薄暗い森の中に「唐人駄場巨石群」の案内板がある。広くなった道路脇に車を停めて、森の中に入ってみよう。
大きなもので高さ6~7mにもなる巨石が、森の中に密集して現れる姿はなんとも不思議。この一帯からは縄文から弥生時代にかけての石器などが数多く出土しているという。古代人が祭祀(さいし)を行ったと伝わる場所や、人の手による加工と思われる箇所もあるが、これだけの巨石をどうやって並べたのかは謎のままだ。
▲千畳敷岩からの眺め。左奥に見える枯れた芝生の広場が唐人駄場公園
巨石群のなかで最も平らで広い面積の「千畳敷岩(せんじょうしきいわ)」へ登ってみると、視界が開け、太平洋が見えた。晴れた日には九州も見えるという。巫女たちがここで神楽を舞ったという伝説もある。
太平洋の手前に見える広場は「唐人駄場公園」。実はかつて、この広場を囲むように巨石が並べられた「ストーンサークル」があったという。現在その巨石は残念ながら撤去されたものの、その面影を残す公園として整備され、キャンプも楽しめる。公園からは山の中腹にある巨石群の姿を眺めることができる。
遠くから見る巨石群の姿にも、なにか不思議なパワーを感じずにはいられないだろう。
▲唐人駄場公園から望む巨石群

黒潮がぶつかる断崖にある「竜宮神社」は今も海の守り神

▲中央左側にある丘の上に竜宮神社がある
続いて、唐人駄場遺跡から車でおよそ15分。黒潮が日本に初めて接岸する場所「臼碆(うすばえ)」にやってきた。
駐車場から案内板に従い、ヤブツバキやウマメガシなど亜熱帯性の木々が茂る森を数分進めば、一気に視界が開け、花崗岩の断崖の先に広がる太平洋が現れた。
▲竜宮神社への道は下り坂が続く。帰りは登りになるので、体力を温存しておこう
ここには荒々しい磯に設けられた小さな祠「竜宮神社」があり、現在でも地元女性が漁師の夫の安全と豊漁を祈願するために足を運んでいる。日本離れした光景のなかにちょこんと建つ赤い鳥居が印象的だ。
▲竜宮神社。祠と鳥居の赤色が、青空と岩肌を背景に鮮やかに映える
竜宮神社まではコンクリートで固められた歩道が整備されているので、よほど海が荒れていない限り足を運ぶことができる。神社にたどり着き、改めて周囲を眺めれば、背後に迫る断崖と目の前の太平洋に圧倒される。人間の力ではどうにもならない自然のパワーをビンビン感じる。
この地に建つ神社が、現在も昔も地元から篤い信仰を集めているのがうなずけるロケーションである。
一方で周辺は磯釣りのスポットとして知られ、岩礁には釣り人の姿もチラホラ見受けられる。ここは彼らの安全と大漁を祈願して、次のスポットへ向かうことにしよう。なお、唐人駄場も竜宮神社も、動きやすい格好で訪れることをおすすめする。
▲鳥居から太平洋を望む。沖に浮かぶ磯の上で釣りを楽しむ人を発見することも

歴史風情残る豊かな漁村にある亜熱帯の巨木

臼碆から足摺岬へ向かう道は、木々に覆われた緑のトンネルが続く。あまり人の気配を感じない道の途中で、突然急斜面に広がる大きな集落が現れる。辺境の地とも思われるこの場所は、かつて回船業やカツオ節製造で栄えた松尾集落だ。
集落へと続く細い道へハンドルを切り、窓を開けてゆっくりと車を進めよう。するとどこからともなくカツオ節を燻す香ばしい香りが漂ってくる。現在でもこの地でカツオ節製造は主要な産業のひとつなのだ。集落には藩政時代の格調高い屋敷や廻り舞台なども残っているので、時間がある時にはじっくり巡ってみるのも良いだろう。
▲松尾で最大のアコウの木。隣接してカツオ節工場があり、ついその香ばしい香りにも惹きつけられてしまう
今回目指す最後のパワースポットは「松尾のアコウ」だ。アコウは岩や他の木に着生して育つ常緑樹で、気根と呼ばれる枝のような根を垂らすのが特徴。グニャグニャとした気根がグロテスクにも見えるが、これも自然の生命のパワー。
松尾のアコウは松尾神社境内に3株あり、最も大きなものがおおよそ周囲9m、高さ25m、東西10m、南北6mに渡り枝を張っている。樹齢300年ながらまだまだ生育旺盛とのこと。国の天然記念物にも指定されている巨木だ。目の前にはベンチも設けられているので、じっくり巨木と対峙してパワーを分け与えてもらおう。
パワースポットが点在する足摺岬周辺。足摺岬展望台やあしずり温泉郷など、人気の観光地も近いので、それらと組み合わせて巡ればさらなるパワーチャージができるはず!
藤川満

藤川満

清流・仁淀川流れる高知県いの町在住。出版社勤務を経て「撮って書く」フォトライターに。カヌーやトレッキングなど自然と親しむ一方で、利酒師の資格を有する日本酒党。またジャズライブの撮影はライフワークのひとつ。

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