香川特産の「和三盆」と名工が作る「菓子木型」で、かわいい干菓子作り

2016.04.27

様々な形と淡い色合いがかわいい干菓子(ひがし)。お茶席に欠かせないこのお菓子の手作り体験ができる場所が、香川県高松市にある「豆花(まめはな)」です。伝統工芸品の菓子木型と、昔ながらの製法で作られる「和三盆糖」を使った干菓子作りにチャレンジします。

▲多種多様な干菓子のデザインは、季節の素材や動物などをかたどったもの

美しく繊細な菓子木型は、今や絶滅寸前の貴重な存在

昔から変わらない製法で作られている「讃岐和三盆」は、塩・綿とあわせて「讃岐三白」と呼ばれる香川の特産品。高級和菓子の材料として有名ですが、それを成型して作られる干菓子は、後味がスッキリした丸みのある甘さをそのまま楽しめ、お土産や贈答品としても人気です。
その干菓子作りに欠かせないのが木製の菓子木型。江戸時代に発祥し、日本の四季や自然、花鳥風月が掘り込まれた、長い歴史を持つ菓子木型です。しかし今では、それを作る職人は全国でも数えるほどに少なくなってしまったのだそう。
▲「現代の名工」にも選ばれている市原吉博(よしひろ)さん
四国では現役で木型作りを続けているのは、この市原吉博さんただ1人です。「現代の名工」に選ばれて黄綬褒章も受賞された、名人と名高い職人さんですが、ユーモアたっぷりに質問に応えてくれる非常に気さくなお人柄です。
今回、干菓子作りを体験する「豆花」は、市原さんの娘である上原あゆみさんが代表兼講師を務めています。お父さんが作る菓子木型の素晴らしさを、広く知って欲しいという思いから、干菓子作りの教室を始められたのだそう。

香川特産の高級砂糖「和三盆」と職人の木型を使って、
キュートな干菓子作りに挑戦!

細い路地の奥にある住宅を改装した教室は、木型と一緒に様々なオブジェがデコレートされていて、隠れ家か秘密基地のような雰囲気。何やら菓子作りが始まる前からワクワクしてきます。
手をキレイに洗ったら、和三盆干菓子作りのスタートです。使う道具はボウルとふるい、木のへら、そして菓子木型のみ、食材も和三盆糖と水のみと非常にシンプル。上原さんの話をよく聞いて進めていきます。
まずボウルに入った和三盆糖に、軽く霧吹きで水分を加えます。霧吹きの水は、赤・黄・緑の三色あるので好きな色を一色選びます。これが完成した干菓子の色になるそう。
水分を加えたら、手の平でぐっと押すように混ぜていきます。ボウルの底に溜まった固まりをこそげ落としながら、全体の色が均一になったらOK。
ここであまり時間をかけすぎると水分が飛んでしまい、固まりにくくなってしまうそうなので手早く行います。ちなみに湿気のある雨の日の方が、作業はしやすいそうです。
混ざった和三盆糖をふるいに入れてきめを整えます。ふるうと言うよりは、裏ごしのように押し出すほうが近い感じ。ふるいに残った和三盆糖も、へらで取ってボウルに戻します。
和三盆糖が、しっとりとしてきめ細かな状態になりました。いよいよ木型に詰めていきます。
木型に上板をはめて多めに和三盆糖を盛りつけ、指の腹でぎゅっと押して固めます。はみ出した部分はへらでそぎ落としましょう。
上板の片側を少し浮かせて、端っこをヘラでトントンと叩くと、キレイに型から外れます。
上板を外して型をくるんと回すと、干菓子の形になった和三盆糖がころんと落ちてきます。この時はまだ柔らかいので、割らないように注意して。そのまま数分乾燥させて固めるとできあがりです。
後は好きな型を選んで、和三盆糖が無くなるまで干菓子を作りましょう。型の種類は5・6種類で、季節に合わせて毎回変わります。花鳥風月や動物の形と、淡い色合いが本当にキュート。型のサイズにもよりますが、大体1人分で12から15個ぐらいの干菓子を作れます。もっと作りたければ、500円(税込)で和三盆糖の「おかわり」もできます。
作り終わったら、お抹茶と自作の干菓子で一服。干菓子は乾燥すると固くなるので、ふんわりと口の中ですぐ溶けるできたてを味わえるのは、体験教室ならではです。残った干菓子は、箱を用意してくれているので、それに入れて持ち帰れます。
「豆花」では、同じく菓子木型を使った「練りきり」作りの体験もできます。餡が簡単に花や葉っぱの形に変わる様は、また違った楽しさがあります。
「豆花」のすぐ近くには、市原さんの工房があって、和三盆体験の後に希望があれば見学もできます。これまでに作られてきた木型がずらりと並ぶ様は、まさに圧巻。中には有名なキャラクターや会社のものもあって驚かされます。
工房では、菓子木型と和三盆糖、ヘラがセットになった、自宅用のセットも販売しています(17,280円・税込)。また木型はオリジナルデザインのオーダーも受け付けてくれます。
繊細な伝統工芸品でもある菓子木型の世界に触れることができる干菓子作り。難しくはありませんので、あなたもぜひ体験してみて。
篠原楠雄

篠原楠雄

香川県のタウン誌・TJかがわ編集部で14年間在籍した後独立し、フリーライターに。5年間に渡り香川県内に新しくできるうどん店を取材し続けたおかげで、すっかりメタボ体質に。さぬきうどんブームを仕掛けた「麺通団」の初期メンバー・S原でもある。

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