富山の細工かまぼこ作り体験/クリエイター女子が行く!Vol.15

2016.02.26

こんにちは。フリーでイラストレーターをしています五島です。「ものづくりに興味はあるけどどこで体験できるのか分からない、なかなか行動に移せない……」この企画は、そんな悩めるあなたのために、クリエイター女子を代表してわたくしが全国各地で「ものづくり」を体験しまくります。そして、ものづくり体験の思い出を描き下ろしのイラスト付きでお送りします!前回は青森県弘前市でブナコの器作りに挑戦してきました!さてさて今回は……?

みなさまごきげんよう。お元気ですか?
今回は富山県からお送りします。

えー、生まれてはじめて富山にやってきた私ですが、とにかくご飯が美味しいことに驚きました。とくに海鮮が有名と聞いたので、回転寿司でほっぺたが落ちるほど食べまくっちゃいましたよ。美味でした!

そんな美味しいものがいっぱいの富山県で、さらにおいし~い体験ができるそうです。
これは期待せずにはいられません!

それでは早速、レッツゴー!

カラフルな名産品

るんるん、おいし~い体験ってなんだろうな~。
私はパクチーと激辛以外は苦手な食べ物がないので、楽しみで仕方ありません。

ヨダレを垂らしているうちに、到着いたしました。
▲やっほー!

あの、突然ヘアスタイルを変えたわけではありません。
突っ込まれる前にお伝えします、これはかぶり物です。
▲なんのかぶりものかと言うと……

後ろに見えますこちらは、「梅かま U-mei(ゆうめい)館」さん。
可愛らしい鯛かまぼこのオブジェが目印です。

……さあ、ここまでくればもう分かりますよね。
そうです!
今日はこちらで、細工かまぼこ作りの体験をしたいと思います。

かまぼこー!
嬉しい、かまぼこ大好きです。

でも、“細工”かまぼことは一体どういうものだろう。
なんとな~く、おめでたい感じはするけれど、実際に食べたことはありません。

考えていても仕方が無い、中にお邪魔してみましょう!
▲入ってすぐ、ショーケースが
▲なんじゃこりゃー!

どうわ~!
これが全部かまぼこですって!?
私が知っているかまぼこと違う。
外側がピンクで、板に乗っているものだけがかまぼこだと思っていましたから。

それにしても、なんて綺麗なんでしょう。
カラフルで華やかで、まるで海外のお菓子みたい。

この細工かまぼこを作るとなると、かなり高度なテクニックが必要とされそうですが……。
一体どんな体験ができるのでしょうか?

自由気ままにやっちゃって

別館に移動して、まずはマスクやエプロンを着用します。
▲へ~~ん
▲しーーんっ!

はい。一回やってみたかったんですよコレ……。
お付き合いありがとうございました。

変身完了した私を、先生が優しく出迎えてくださいました。
▲ぺこり

本日お世話になる大門(だいもん)先生です。
よろしくお願いいたします!

先生「はい、こちらこそよろしくお願いいたします。今日は用意してある鯛のかまぼこに、お好きな色でデコレーションをしていただきます。私は先生と言っても手出しはしないので、ご自由に絵を描いてくださいね」
▲まっしろプルプルな鯛
▲それぞれに色付けされたペースト状のかまぼこが詰まっています

まさかのルール無し、連載史上最も自由度の高いものづくり!
私はイラストレーターの端くれなので絵を描くことは好きですが、ここまで真っさらな状態だと逆にドキドキしちゃうなあ。

先生「もう、なんでもありですよ。魚の形を無視してもいい。この間なんか、鯛を逆さまにしてパイナップルに見立てた人もいるくらいですからね。とにかく自由に、楽しんでやってみてください」

想像力が試されるわけですね……ごくり。
小心者なので、今回は魚の形を保ったまま、カラフルに色付けしたいと思います。
▲後ろに飾られた写真は、子供達の作品だそう
▲記念すべき第一筆目

おおお、ついついニヤけちゃう快感!
思ったより柔らかく、すんなりでてきます。
スーッと伸びてくれるのでとっても描きやすい。

感覚としては、アイシングクッキーとか生クリームを絞るのにかなり近いなあ。
でも相手は初体験のかまぼこ。
しかも、かまぼこの上にかまぼこで線を描いているんですもんね。
よく考えると面白い、貴重な経験です。

先生「そうですね、お子様が体験されることが多いのですが、みんなクリームを絞るように楽しんで描いてくれます。手が早い子だと10分くらいで描きあげちゃいますよ」

なんと!子供の物怖じしない強さってスゴイ。
▲ちなみに私は10分でココまで
▲黙々と描き進めます

こんなにカラフルでポップな食べ物が、日本に昔から存在していたなんて、なんだか信じられません。
色味だけだと海外のケーキのようだけれど、香りはしっかりお魚だし、きっと味も美味しいかまぼこ。
う~ん、考えれば考えるほど不思議!

これ、外国の方とか絶対驚くと思うんだよなあ。
細工かまぼこが海外進出したら、すごく流行りそうな気がします。
▲できてきた、できてきた

まだ目が無いので怪しげですが、だんだん描けてきましたよ。
個人的には女性らしさを意識したのですが、どうですかね。

先生「とても綺麗だけれど、もっと勢いをつけると真っすぐな線が描けますよ。あとで工場見学ができるので、そこで職人さんの手つきを見てみると面白いと思います」

そうか、綺麗な線を描くにはスピード感が大切なんですね。
職人さんの仕事も見られるなんて、楽しみ~!
▲最後に目を描いて、っと……

ここにきてはじめて黒色を使ったら、なんかものすごく邪悪な感じになっちゃったんですよ。
落ち込んでいると、なんと先生がささっと拭いて無かったことにしてくれました。

これも、かまぼこ同士だからなせる技!
クッキーやケーキだとそうはいきませんもんね。

無事、綺麗に目を描き直して、完成です!

完成形は、できあがるまでおあずけ。
あとは蒸すまで、先生が見守ってくれるそうです。
▲先生、あとはよろしくお願いします!

やっぱりプロはすごかった

マイかまぼこの蒸し上がりを待つ間に、お楽しみの工場見学!
の前に、まずはモニターを見ながら、かまぼこの歴史や基本知識を学びましょう。
▲じっと見入ります

かまぼこの原材料である“すり身“は、“SURIMI“として世界共通語で使われているんですって。
“SUSHI“、“SAKE“ときて、“SURIMI“!
ジャパニーズオイシイ、はSからはじまるものが多いと知りました。(多分たまたま)

解説を聞いて驚きだったのが、富山のかまぼこは板に付いていないということ。
そういえば、かまぼこって板の上にすり身を乗せて蒸すんですもんね。

中でも、「昆布巻きかまぼこ」は、昆布の上にすり身を薄くのばし、ロール状にくるくると巻き上げて作られているんだとか。そうすることで、昆布の旨みがかまぼこに染み渡り、無駄なく全部食べられるかまぼこになっているんですね。

なるほどー!
記事の冒頭で私が着けていたかぶり物は、その昆布巻きかまぼこがモチーフだったのか。
▲忘れた方のためにもう一度

にしても、丸ごと食べられるかまぼこって確かに他ではなかなか見られません。

ただの食べ物、されど食べ物。
原材料が同じでも、製法や工夫次第で完成の形が大きく変わるんですね。

色鮮やかな細工かまぼこはお祝い事にぴったりで、なおかつ美味しい。
かまぼこ様、おそれいりましたあ~!
▲次はいよいよ、職人芸を拝見します

工場では、たくさんの職人さんが細工かまぼこを製作中でした。
……いやもうね、見た瞬間に開いた口がふさがらないどころか、そのままアゴが外れそうでしたよ。

なんといっても手を動かす速さ!

私は自分で手が速い方だと思っていましたが、それは大きな勘違いでしたね。

職人さんたちは片手にかまぼこ、もう一方の手に絞り袋を持って、ほんの数秒でひとつの形を描き上げていくのです。
もしこの光景を子供の頃に見ていたら、かまぼこ職人を目指していたかもしれません。
本当に、そのくらいカッコいい。
▲一筆で書かれる、“寿”の文字

中でも目を引いたのは、大きな鯛の細工かまぼこを作る工程。
淡い朱の色付けから見ることができます。

かなりの重労働のはずですが、練ったかまぼこが魔法のように鯛に乗せられていく姿は、圧巻!
▲まっしろだったかまぼこが……
▲見事な朱色に!
▲あっという間に完成です

うああ、うああ~!

もう、何時間でも見ていられるよ。
頭より大きな鯛のかまぼこが、ほんの数十秒で1匹できあがっちゃうんだもの。

職人さんたち全員が、キラキラと輝いて見えました。
ひとつひとつ手で作られた細工かまぼこは、まさにおめで鯛!

私もいつか、誰かに憧れられるような存在になりたい……。

可愛いオイシイ、にくい奴

かまぼこ作りを見つめどっぷり浸っていると、先生がマイかまぼこの完成を知らせてくれました。
職人さんの作品を見たあとだと少し恥ずかしいけれど、うまくできあがっていると良いなあ。

それでは、ご覧ください!
▲ぱんぱかぱーん

か、かわいい……。

自分で作っておいて、思わず声が漏れてしまいました。
いや、やっぱり線はガタガタですけど、それもまた味になって良し!
何よりも、ふっくら蒸し上がって良~い香り。
早く食べたいいい。

いろんな色に感動して、はしゃいで。
そのあとはプロの仕事に圧倒されて、目を輝かせて。

まるで子供の頃に戻ったような、純粋な気持ちで楽しめた体験でした。

先生「お疲れさまでした。職人の動きを見るのはおもしろかったでしょう?今後はお子様はもちろん、五島さんのような若い人にもたくさん遊びに来てほしいですね」

にこにこ見守ってくださった大門先生、どうもありがとうございました!
▲鯛も一緒に記念のスリーショット

最後に気になっていること、それはお味!
我慢できないので、できたてを早速いただいちゃいましょう。

いっただーきまあーす。
▲大口でいきました
▲……!

う、うまい……!
できたてのかまぼこってこんなにふかふかなんだ。
もっと硬くて詰まった感じかと思ったら、マシュマロみたいな柔らかさにビックリ。

魚の旨みがじんわり口に広がって、お酒が好きな人にはきっとたまらない味。
かまぼこの美味しさも再認識できるなんて、素晴らしい1日だ今日は。

後日、残ったかまぼこを刻んでバター醤油で炒めてみたところ、これまた絶品でした。
かまぼこは低カロリーだからいくら食べても太らないんだよー!へへへ!(そんなことはない)

……た、食べ過ぎには注意します。

きょうのいちまい

五島夕夏

五島夕夏

桑沢デザイン研究所卒業。学生時代ロシアの絵本に大きく影響を受け、絵本画家を志す。現在はサロンのレセプションをしながら、イラストレーターとして活動中。

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