兵庫でオリジナルかばん作り体験/クリエイター女子が行く!Vol.17

2016.03.25

こんにちは。フリーでイラストレーターをしています五島です。「ものづくりに興味はあるけどどこで体験できるのか分からない、なかなか行動に移せない……」この企画は、そんな悩めるあなたのために、クリエイター女子を代表してわたくしが全国各地で「ものづくり」を体験しまくります。そして、ものづくり体験の思い出を描き下ろしのイラスト付きでお送りします!前回は富山で錫のぐい呑み作り体験をしてきました。さてさて今回は……?

改めまして、こんにちはー!
今回は、まだ雪がチラホラ残る兵庫県は豊岡市出石町(いずしちょう)にやってまいりました。
▲ま、眩しい!

ワガママガールの願いが叶う

お出かけの必需品である、かばん。
よく使うアイテムだけに、自分の好みにピッタリ合ったかばんを探すのはなかなか難しいもの。ついついこだわってしまいますよね。

しかーし!ここ出石町には、そんなワガママボーイ&ガールの夢を叶えるとっておきの体験施設があるんです。
▲ドドーン

じゃーん!「かばん工房 遊鞄(ゆうほう)」さんです。
なんでもコチラでは、革選びから裁断・縫製まで、革小物やかばん作りの全ての工程が体験できるんだそう。

そもそもここ豊岡地域で造られる「豊岡鞄」には奈良時代の柳細工をルーツとする歴史があり、現在国内のかばんの約7割が豊岡で製造されているそう。その品質は国内外で高く評価されています。
▲うおお、すごい数のかばん!

中にお邪魔してビックリ。見渡すかぎり、かばん・かばん・かばん!
体験をはじめる前につい、目移りしてしまいます。
もちろん、展示されているほとんどのかばんが購入できるので、体験後はお買い物も楽しめます。
▲オリジナルブランド「但馬國 出石帆布(たじまのくに いずしはんぷ)」も展開しています

なんだかワクワクしてきたなあ。
それでは、世界にひとつだけのオリジナルかばん作り、はじまりはじまり~!
▲まずは、指導していただくかばん職人の坂井先生にご挨拶

先生、本日はよろしくお願いいたします!

先生「ようこそいらっしゃいました。こちらこそよろしくお願いします。今日はオリジナルのかばんをお一つ作っていただきますよ。製作に入る前にまず、かばんの型から決めていきましょう。サンプルがたくさん用意してあるので、気に入った形を選んでください」

はい、わかりました!(お若くてカッコいい先生だなあ……)

早速、自分でチョイスするわけですね。
決断するのは早い方なので、さくっと決めていきたいと思います。

迷う時間が醍醐味です

▲ずらーっと吊られているかばん達

おっと、なかなかの数だぞ……?
形だけでも、こんなに種類があるだなんて。
かばんっていうと四角いトートバック型のものをイメージしていたけど、マチの大きさやパーツの切り替え、縦横比なんかでかなり印象が変わるんですね。
▲実際に持ってみてまた悩みます

う~ん、とても迷ったけれど、縦型で大きめのかばんにしよう!
これにてなんとか形は決定です。
▲ちょっとメンズライクなトートバック

先生「決まりましたか?形だけでも20種類以上あるので、迷われる方はかなり時間をかけられますね。さあ、次は革を選びましょう。かばんの前面と背面の色を変えることもできますし、取っ手の色をそれぞれ別の色にすることもできますよ。できあがりを想像しながら、楽しんで考えてみて下さい」

ここでいよいよ、革選び。
パーツそれぞれの革を変えることもできるんですね。
ぼやーっと完成予想図は頭にあるものの、実際に触って見てみないと分からない。
しっかり吟味するぞーっ!
▲ちょっとまってくれ

……っておおおおおい!
ものすごい革の量、圧巻の景色。

写真ではおさまりきらない程たくさん並んだ革たちに、思わずのけぞってしまいます。
スタンダードな茶・白・黒の革はもちろん、中には蛍光色や柄付きの珍しい革まで、豊富なラインナップ。

これで迷わない、なんて無理な話だよお~!
と困惑しつつも楽しみながら、オリジナルの組み合わせを考えていきます。
▲ベーシックな白色はやっぱりかわいいなあ
▲中にはこんな個性的な柄の革も

えーっと、前面を白っぽい革にしたら、背面は暗めの革にして、でも差し色が欲しいから取っ手はちょっとハデに。あ、革の質感も合わせようかな……。
なーんてしているうちに、あっという間に時間は流れていきます。
裏地をあえて表に使うのもアリなんですって!面白いなあ。

考えすぎて頭がごちゃごちゃになっていく反面、はじめての革選びは新鮮で、気分はファッションデザイナー。
30分程かけて革選びをしたのち、取っ手の長さも好みに合わせて調節してもらいます。
▲肩にかけやすい長さにチェンジ

ふうー、さくっと決めるつもりが、楽しくってこだわっちゃって、かなり気力も時間も費やしてしまったよ。
いよいよ製作スタートかな?

先生「いえ、ボタンの種類や縫い糸の色など、まだ考えていただくことが残っていますよ。それが決まれば、作業スタートです!」

ま、まだまだ選ぶことがある!?
そこまで自分好みに作れるなんて、オリジナルを追求した究極の形ですね。
▲こだわりだしたらキリがない

かばんの型からはじまって、革、ポケット、ステッチ、ボタン、ペロ(留め具の部分)の形など……。
細かいところまで自分で選ぶことができるのです。
必ず唯一無二のかばんになる!と断言出来ますね。
ひとつひとつ、どんな小さなパーツにも思いを込めていくので、製作前からしっかりと愛着が湧いてきます。
▲およよよよ……考えすぎたあ

にしても、迷いすぎてものすごく時間がかかってしまいました。
ふだん決断力のある人も、ここでは絶対に悩んでしまうはず!
でも、おかげでとっておきのかばんができそうだ。

先生「はい、お疲れさまでした。これだけ種類があるとついつい悩んでしまいますよね。以前いらしたお客様で、悩みすぎて作らずに一旦お帰りになる、なんてこともありました(笑)さあ、ここから製作スタートになります!まずは型紙に沿って革をカットしていきましょう」

ミシンカタカタ、るんるんるん

よし、やっていくぞー!
先生の話をちゃんと聞いて、ケガには十分気をつけよう。
▲しっかりおさえて、スーッと切る

やわらかい革を選んだこともあり、比較的簡単に切ることができました。
革独特の香りに包まれて、黙々と集中!

続けて、トンカチでボタン用の穴を開け、両面テープでパーツ同士を仮止めします。
図工室のように広い工房で作業を進め、まるで学生時代に戻ったみたい。
先生がそばについて見守ってくれるので、安心してトンカチを振り下ろすことができました。
▲かばん作りにトンカチが登場するとは思わなかった

先生「さて、次はいよいよミシンを使っての縫製作業です。きちんと使い方を覚えてコツを掴めば、真っすぐ綺麗に縫うことができますよ。まずは僕が手本を見せますね」

縫製!ミシン!うんうん、これぞかばん作りって感じがします。
家庭用以外のミシンに触ったことがないので、少し緊張。
▲ゆっくり縫いながら教えてくれる先生
▲練習ののち、ドキドキ初革縫い!

ダダダーッと勢いの良い音に合わせ、グングン革同士がくっついていきます。
糸の上下をじっと見つめていると、ミシンのけなげな動きに感動すら覚えるのです。
ミシンを発明した人、すごいなあ……。

もっと固くて苦労するかと思いきや、ゆっくり少しずつ縫い進めればズレることもなく、美しいステッチが浮かび上がってきました。
女子力が突然上がった感じがして、なんか、嬉しい!

先生「うん、はじめてにしてはとてもお上手ですよ。僕は指示だけするので、あとはがんばって一人でやってみてください」

ふぁい!もりもりがんばります。
▲内ポケット部分が完成!

なんだろう、黙ってミシンの前に座って革のかばんを縫うなんて、山の中で暮らす職人さんみたいでかっこいい。
作業する自分についつい酔ってしまいます。

あとは地道に縫い合わせるのみ!
▲ひと縫いも手を抜けません

最後に縫うのはマチ部分。
ここは重ねて縫うと厚みが出る分ズレやすく、さらに慎重に手を動かします。
▲こちらは見本。十字の部分が難しいのだ

少し先生にも手伝ってもらいながら、とっっても満足な仕上がりに!
自分でも思った以上にミシンを使いこなすことができて、ひとつ自信がつきました。
苦手だと思い込んで敬遠していた裁縫に、これから挑戦してみようかな。
ものづくり体験は新しい自分を引き出してくれますね。

さあ、ラストはボタンをしっかり留めて……。
▲これが結構かたいんです

とうとう、オリジナルマイかばんの完成で~す!
長かった、ここまで長かった!(と思ったけれど、大半は素材選びで悩んでいました)

それでは、ご覧ください。
▲パンパカパーーン
▲バイカラーになっております

いやね、これは自信ありますよ。
だってどう考えてもはじめて作ったかばんには見えないでしょう!?
あえて、両面裏地が表にくるようなデザインにしてみました。
オレンジが差し色になってますね!って自分で言いたくなっちゃう。

今回の体験では、作る過程のさらに手前、頭でイメージをふくらませる段階で既にかばんへの愛情が湧いていたな、と実感。
手を動かす前から、自分の中でこのかばんは特別な存在になっていました。

これからたっくさん使って、もっともっと愛していこうと思います。

先生「お疲れさまでした。一点ものの素晴らしいかばんができましたね。これからもたくさんの方に、かばん作りや、組み合わせ自由の楽しさを体感していただきたいです。リピーターになるお客様もいらっしゃいますし、またぜひ遊びにいらしてくださいね!」

和やかでかっこよく、そしてたくましい坂井先生、ありがとうございました!
▲先生と記念の2ショット

いっしょに老いていきましょう

帰り道、さっそくかばんに荷物を入れ替えました。
新しいバックに腕を通す瞬間って、ときめきますよね~。
▲小柄な私にちょうどいいビックサイズ
▲細部まで可愛い自信アリ!

明日はこのかばんに、スケッチブックと色鉛筆を詰めて、少し遠い公園まで出かけよう。
素敵な思い出を、一緒に作っていこうね、かば~ん!

(おわり)

きょうのいちまい



五島夕夏

五島夕夏

桑沢デザイン研究所卒業。学生時代ロシアの絵本に大きく影響を受け、絵本画家を志す。現在はサロンのレセプションをしながら、イラストレーターとして活動中。

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